Ｊ２第３節、紫の似合うスタジアムで、今季の幕がようやく上がる。バドゥ・サンガのホーム初陣。大いに楽しみにしたい。
陽気なバドゥ新監督。前節の試合後会見でも「私がもし監督ではなく京都のサポーターなら、今日の内容には満足していたと思います。サッカーとして素晴らしいゲームだったと思います」と発言。こちらからはそれほど良い試合内容ではないだろうと感じたが、これがバドゥスタイル。決して批判的にならず、常に前向き、ポジティブに歩む。
囲み取材でも新指揮官は、オブラートに包んだもの言いだ。福岡戦でシュートが少なく、それを修正するために選手に伝えたことは？　と聞いても、「それはいつも言っていることです（微笑み）。常にシュートを意識したプレーをすることです（二コリ）」、こんな感じだ。笑みを絶やさず、ノー・ネガティブ。バドゥスタイルは独特だ。個性的な監督の下なのだから、こちらも少しずつでもそのやり方に歩み寄っていこうと思う（批判をしないとは約束はしないが）。西京極開幕戦、素晴らしい試合が約束されているはずです（二コリ）。

前節の福岡戦で敗れはしたが、選手は切り替えている。駒井善成は「（試合内容で）改善できるところはある。一つ一つやっていきたい。体のキレはしっかり調整しているし、ドリブルでの仕掛けもいいバランスでやれていると思う。体幹トレーニングもしているし、そういうのが出ているんじゃないかと思う。（相手とマッチアップして）行けるな、というのも分かる」と今節への準備の順調さを口にした。工藤浩平は「開幕戦を楽しみにしている人も多いと思うし、ホームで初めての試合、また来たいと思ってもらえる様な試合にしたい」と意気込んだ。
紫のユニホームで西京極に立つ大黒将志は「コンディションも良くなっているし、勝てる様にしっかりやりたい」と答えた。大黒についてはバドゥ監督も「ゴール前での仕事が増えている、得点も近いでしょう（微笑み）」と期待を寄せる。それを伝えたら、彼はいつもの表情で「そうですね」。

対戦相手の栃木。前節は横浜ＦＣと対戦し、１−１と引分けた。ＦＷ瀬沼優司が得点。瀬沼は開幕戦に続いてゴールを決め２戦連発で決めている。京都ＤＦ・酒井隆介も「瀬沼選手を気持ちよくプレーさせないこと」と気を引き締める。
石櫃洋祐は栃木について「以前、松田浩監督（昨季途中まで栃木を指揮）の下でやったけど、そのイメージがある」と明かす。きれいなブロックを築いてのゾーンディフェンス。そのブロックが自陣に引くのか、或いは前に出てプレスをかけてくるのか、そこはポイントになるだろう。
要は、相手はしっかり守ってカウンターで、それを崩して得点するか、それとも崩せず敗れるか、ということだ。

今季、キャプテンマークを巻く山瀬功治は開幕戦に向けて「久々の西京極でのゲーム。選手も楽しみにしていますし、サポーターもそう思ってくれる人も多いと思います。開幕戦には開幕戦の雰囲気もあると思うし、それに合わせたゲーム、結果が得られる様にしたい」と言葉をくれた。
高まる期待の「楽しみ」から、実際の「楽しい」「面白い」へ持ち込んで欲しい。そしてさらに「楽しい」の中の真剣勝負で、サポーターの気持ちも「熱く」させてくれればと思う。新指揮官の放つバドゥスタイルでポジティブサッカーを楽しみたいものだ。

さあ、いよいよ西京極開幕です。サポーターの皆さん。是非、スタジアムを紫に染めて、開幕戦独特の雰囲気、そして京都のサッカーを楽しむため、足をお運びください！

以上

2014.03.15 Reported by 武田賢宗