本文へ移動

今日の試合速報

ルヴァン 準々決勝 第1戦
ルヴァン 準々決勝 第1戦

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第1節 岐阜 vs 讃岐】レポート:新生・ラモス岐阜、開幕白星で新たなる第一歩を刻む!(14.03.03)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ついにこの日を迎えた。快晴の長良川競技場。集まった観客は11,069人。大観衆が詰めかけた理由は、新しく生まれ変わろうとしているFC岐阜への期待と、ラモス瑠偉監督、川口能活、三都主アレサンドロといった全国区のスターの姿を一目見ようとする、高い好奇心にあった。
大事なのは、引き続きスタジアムに足を運んでくれるような試合を披露できるかどうか。その重要性を一番理解していたのは、ほかならぬラモス監督だった。結果は3−1の勝利。この結果を受け、彼が発した2つの言葉が、それを如実に表していた。
「まず開幕で勝利のプレゼントを与えたいと思ったけど、そういう意味では苦しい試合だったけど勝ってよかった」
「でも我々はプロとして、もっといいプレーができた、もっとワクワクする試合をしてほしかった。完璧は難しいけど、もっと内容が良い試合ができたと思う。ひどい試合を見せて申し訳ない。勝っても、課題はいっぱい残った。もったいない試合でした」
結果ではサポーターや観客の期待に応えることができた。しかし、エンターテイメント性やサッカーの質という面では応えることができなかった。ラモス監督は、後者の面での納得がいかなかった。

試合を見て、確かに同じような感覚を受けた。立ち上がり、勢いよく攻めてきたのは讃岐のほうだった。1トップの我那覇和樹、トップ下の高木和正、左サイドのアンドレアを軸に、ショートカウンターを仕掛けてきた讃岐に対し、岐阜の守備はうまくはめ込めず、劣勢を強いられた。最初のチャンスは讃岐。4分、右サイドの裏のスペースに抜け出したMF持留新作が決定機を迎えるが、シュートはゴール左に逸れていった。
5分を過ぎると、岐阜も落ち着きを取り戻し始め、反撃に転じる。岐阜はロングボールを多用し讃岐DFラインの裏のスペースを狙っていく。難波宏明とナザリトの2トップがフィジカルの強さを駆使しボールを収め、高い位置で起点を作り出す。だが、一方で讃岐もアンドレアと右の持留新作の両サイドを使い、サイド攻撃を展開。試合は双方のカウンターの応酬となる、落ち着かない展開となった。
31分、ようやく岐阜が決定的なチャンスを作り出す。ロングボールからナザリトが競ったボールを難波が落とし、MF高地系治が飛び出してきたナザリトへスルーパス。完全に抜け出したナザリトのシュートは、讃岐GK瀬口拓弥のファインセーブに阻まれるが、これで得た左CKを三都主が見事なキックでファーに送り込む。それをナザリトがヘッドでシュートを放ち、ゴール手前にいた難波がコースを変えてゴールに押し込んだ。
待望の先制点を奪った岐阜。だが、これでがっちりと流れを掴めたわけではない。落ち着かない試合展開がなおも続き、36分には讃岐・アンドレアに決定的なシュートを放たれるが、これはGK川口のファインセーブで難を逃れた。

1−0で迎えた後半、岐阜はどこまで落ち着いた戦い方ができるか、讃岐はチャンスを作れているアンドレアのサイドをいかに有効活用するかがポイントだった。
うまく立て直したのは岐阜。前半の立ち上がりと違い、岐阜はナザリトと難波の2トップをうまく使って、三都主と高地の両サイドも有機的に絡むようになりリズムを掴む。51分、ナザリトのドリブルから難波がうまく裏に抜け出そうとした瞬間、讃岐DF藤田浩平のファウルに合い、FKを獲得。ゴールやや左20mの位置からのFKを、ナザリトが右足一閃。きれいな弾道を描いて、ゴール左隅に突き刺さった。
これで完全に流れを掴んだ岐阜は、運動量がガクンと落ちた讃岐を攻め立てる。62分にはMF美尾敦に代わって投入されたMFスティッペが、右サイドでボールを持ち前線にループパスを送る。これをサイドに流れる動きで反応したナザリトがスルー。できたスペースに走り込んだ高地が、ボールを受けるとそのまま持ち込んでGKとの1対1を冷静に制し3点目。
だが、これで気が緩んだのか、直後の65分、警戒していた左サイドをアンドレアに破られ、我那覇にあっさり失点を許す。「なぜ3−0になってからバタバタして1点奪われて、そこから良くなかったのかに腹が立っています。もったいない。せっかく3点も取って、3点差までつけてからもっといいサッカーができなかったのか。こんなにたくさんのサポーターが来て、マスコミが来ているのに、なぜできなかったのというのが納得がいきません。今でも腹が立っています。3−2になってもいいから、それなりに自分たちから仕掛けて、ボールを繋いでやれていれば次に繋がる。この試合は次に繋がらない。課題をまずは彼らが体感しないといけない。気持ちが負けていたら、監督はもう何も言えない。一生懸命やるのは当たり前。もっとこういうミスは許さないぞと言っていきたいし、これからのミーティングでビデオを見ながら改善していきたいです」

ベテランが多いチームだからこそ、これまでの経験で得た『勝ち方』をピッチ上で示さないといけない。しかし、ピッチ上では落ち着きのない戦いを見せる選手たちの姿があった。これではこれから先、より実力が高いチームと対戦した時、致命傷になりかねない。
「サポーターは最後まで応援してくれてありがたいが、『つまんない試合を見せてごめんね』と言いたいですね。開幕だけ良くて、あとボコボコにされるのは嫌だし、次の試合に繋がるような試合をしたい。ただプレッシャーがある中でせっかく3点取ったのに、なぜその後バタバタしたのかわからない。逆にもう一度選手に聞きたい『どうしてそうなったの?』と。これから自分たちのサッカーをやるチャンスを逃さないようにしたい」

『勝って兜の緒を締めよ』
ラモス監督の会見での言葉を聞いて、次節以降の期待がさらに高まった。
一方、J2初参入の讃岐は、記念すべきJリーグ初ゲームで、積極的な前への姿勢を見せてくれた。我那覇とアンドレアのホットラインは、これから他チームを苦しめていくことになるだろう。今後が楽しみな戦いぶりであった。

以上

2014.03.03 Reported by 安藤隆人
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/09/05(木) 14:00 Jリーグ審判レポート(シンレポ!)審判の舞台裏 #6 「元Jリーガー 御厨貴文が審判への道を選んだワケとは?」