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【J1:第1節 C大阪 vs 広島】レポート:C大阪、大観衆集まるホーム開幕戦で白星飾れず。王者・広島の経験値と成熟度の前に屈する(14.03.02)

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今季から名称がヤンマースタジアム長居となったホームにて、開幕戦を迎えたC大阪。昨シーズンからの柿谷曜一朗、山口蛍ら若手生え抜きの活躍だけでなく、2月にはフォルランという世界的ビッグネームの獲得も重なり、プレシーズン中からJリーグのなかでも群を抜く注目を集めていた。そのなかで臨んだ開幕戦の相手は、2連覇中の王者・広島。これ以上ないマッチメイクということもあり、スタジアムには3万7079人の大観衆を集めただけでなく、記者、カメラマン、テレビクルーなどをあわせた報道陣の数は485人にも達した。多くの眼差しを集めた今節の目玉カードは、14時4分、家本政明主審のホイッスルによりキックオフされた。

試合では、戦前から予想されていた「我慢比べ」の展開に。どちらも間合いを計りつつ、相手の隙ができれば一気にたたみかけるというような、好機を窺う状況が続く。ただし、19分の野津田岳人や石原直樹、44分の塩谷司に与えた好機以外は、高萩洋次郎、森崎和幸、ミキッチら主軸を負傷のために欠いていた広島に対して、ホームのC大阪のほうが中盤でのワンツーやパスワーク、南野拓実のドリブルなどで主導権を握っていた。

スタジアムで最も視線が注がれたフォルランの最初のシュートは27分。自らがヘッドでフリックしたボールから、柿谷を経由して戻ってきたところに、右足ミドルシュート。35分の直接FKや、43分にもチャンスを得て、シュートのたびに大きな歓声が沸き起こったものの、いずれも枠を捉えられず、そのどよめきは、ため息に変わる。結局、前半はスコアレスのまま、試合が動くことはなかった。

後半も、出だしはC大阪優勢。左サイドの核弾頭、丸橋祐介のミドルシュートやセットプレーからチャンスを作れば、53分、54分と南野が広島ゴールを急襲する。しかし、仙台時代にもC大阪に大きく立ちはだかっていた林卓人の壁は、ここでも厚く、なかなか先手を取れない。

そこで先に動いたのは、広島の森保一監督。61分、丸橋とのマッチアップで後手を踏んでいたファン ソッコに代えてパク ヒョンジンを、65分にはC大阪DF山下達也のハードプレスに苦戦していた佐藤寿人に代えて浅野拓磨を、それぞれ投入すると、これで流れが変わった。均衡が破れたのは、71分。決めたのは、広島DF塩谷。自らのパスからチャンスを作ると、ペナルティーエリアで粘った石原の折り返しに、塩谷自身がゴール前へ詰め、左足ボレーで合わせてゴールネットに突き刺した。その瞬間、アウェイ側の3000人以上が駆けつけていた広島サポーターは熱狂。王者が一瞬の隙を見事にものにした。

ここから反撃を試みたかったC大阪だが、広島の強固な守備ブロックをなかなか突破できない。後半は直接FK以外見せ場のなかったフォルランに代えて、81分には杉本健勇が入り、85分には登録されたばかりの元セルビア代表DFゴイコ カチャル、アディショナルタイムにはドリブラーの楠神順平も送り込んだうえ、終盤にはセンターバックの藤本康太と山下を前線に上げてパワープレーも試みたC大阪だったが、結局最後までゴールを割れず。このまま0-1でタイムアップ。ホームに大勢集った桜色のサポーターと勝利を喜び合うことはできなかった。

「内容自体は悪くなく、試合を支配、コントロールできたと思うが、最後の精度だったり、アタッキングサードに入ってから、もっと勇気と自信を持って、ゴールへ仕掛けるプレーがもっともっと出ればなと思った」と試合後に振り返ったのは、C大阪のランコ ポポヴィッチ監督。選手たちも「つなぐことを意識しすぎて、前へのスピードが落ちている部分も、後ろから見ていてあった」(藤本)、「攻撃の部分で、もっと迫力のあるような、思い切りのいいシュートなどが少なかった」(長谷川アーリアジャスール)というように、ゴール前での積極性に欠いた部分を反省点にあげた。フォルランのシュートはいずれもミドルレンジで相手の脅威になれず、柿谷もシュートはわずか1本のみ。前線が仕事をさせてもらえなかったことが、今節のC大阪のすべてを物語っていた。

一方の広島は、8日間で公式戦3試合というタイトな日程を2勝1分の負けなしで乗りきった。「内容はどうであれ、この開幕戦を勝てるかどうかが非常に大切だと思うので、そこで勝利できたということは、何よりもよかった」と述べた森保監督は「今、ケガ人が出ている状況のなかで、出場機会を得られている選手がピッチ内で活躍してくれて、結果をものにすることができるというのは、チーム一丸となってやれている証拠。我々がやっていることをチーム全体としてできているのが、今日の勝利の収穫だった」と胸を張った。また、「自分たちのやってきたことには自信があるし、この2年での積み重ねでは、C大阪を上回るものがあると思っているので、そういうのが今日結果に出せてよかった」という青山敏弘のコメントには、王者の風格を感じさせた。この一戦に関しては、チームとしての経験値と成熟度の差が、結果につながったと言えるかもしれない。

以上

2014.03.02 Reported by 前田敏勝
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