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【J1:第1節 仙台 vs 新潟】レポート:開幕戦で両者が示した継続性と発展。これからの地道な積み上げにも期待(14.03.02)

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新潟が敵地で仙台に勝った、2014J1第1節の試合後。記者会見の質疑応答における柳下正明監督のコメントは、クラブチームの継続と発展を考える上で興味深いものだった。

柳下監督は、前半25分までは仙台にペースを握られてしまったことを認めつつ、反撃に出てからは「新潟の特長である、中盤での当たりでボールを奪って、速い攻撃でチャンスを作ることができた」と振り返った。流れをつかんだときに、自分たちが磨いてきたスタイルに基づくサッカーを展開できたことは大きい。継続性がもたらした強みだ。そして、継続したものに上積みがあってこそ、チームはさらに強くなる。「少し、昨年よりは中盤で短いパスを使いながら、自分たちでボールを保持する時間が増えたのでは」(柳下監督)という進歩があった。

また、この試合ではエースの川又堅碁が25分に、センターバックで相手のボールをはね返していた舞行龍ジェームズが49分に負傷で退場するアクシデントが重なっていた。だが代わって入った鈴木武蔵や大野和成はこの難しい状況での投入ながら踏ん張りを見せた。そして最後に投入されたホージェル ガウーショが「自分の持ち味であるドリブルをしかけながらシュートをイメージした」と、89分に目の覚めるようなシュートで決勝点を記録。新潟にとっては苦しい立ち上がりを強いられた一戦だったが、継続してきたものと上積みしたものの両方の強みを勝負どころで発揮し、つかんだ一勝だった。

一方の仙台。こちらは今季から指揮官がグラハム アーノルド監督へと交代したが、新指揮官は手倉森誠前監督が6年間で築いたベースを熟知した上で、組織的守備の整備から攻撃の組み立てを訓練する流れでオフのチーム作りを進めてきた。就任以来「一貫性のあるチームを作りたい」と口にしてきたアーノルド監督は、まず継続性を重視したうえで、自らの色を加えていく構えだ。

前半の攻勢の時間帯に仙台がピッチで表現したものには特に、継続性と発展が見えた。鎌田次郎と石川直樹の両センターバック、角田誠と富田晋伍の両ボランチの計四人が攻守それぞれでベストの距離をとり、そのバランスのもとで周囲の選手が連動。特に左サイドの攻撃は何度も新潟を脅かした。ルーキー・二見宏志が溌剌とした突破やロングスローでスタンドを沸かせれば、新加入のマグリンチィが気の効いたパスで味方を動かす。トップ下の梁勇基や逆サイドの太田吉彰もからんでの攻撃には、見応えがあった。だが、後ろの距離感が整っている反面、押し上げが足りずに、1トップのウイルソンが孤立したり梁が下がらなければいけなかったりする場面も多かった。それはチャンスを作りながらゴールに結びつかなかった理由であり、これから改善してもっと仙台が発展できる要素でもある。PKで先制されても富田晋伍のファインゴールで追いつくような粘りも見せたが、「ボランチとして考えればバランスを欠いたし、最後の(決勝点の)場面での寄せが甘くなってしまった」と富田自身は反省する。

梁が試合後に「勝負である以上負けたことは良くない。しかしポジティブな点もあったし、下を向くような試合ではなかった」と語ったように、継続性と発展は、そのまま収穫と課題に結びついた。

開幕戦での結果には白黒がついた両チーム。地方都市をホームタウンとし、地道に、継続性を重んじてチームを作る両者の努力が、これからどのような成果をもたらすか。2014シーズンに踏み出したこの2チームの、さらなる発展に期待したい。

以上

2014.03.02 Reported by 板垣晴朗
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