簡単な試合などない。開幕戦は特別に難しい。相手の情報が少ない上に独特の緊張感に包まれてのゲームとなる。また、新たなシーズンに向けて弾みをつけるためにも勝利を手にしたい一戦。数字的には「42分の1」ではあるが、その価値はそれ以上と言えるだろう。
そうした独特の雰囲気に包まれ、いつもの力を発揮しにくい開幕戦だけに、自分たちのサッカーを出し切ったチームが勝利に近づくことは間違いない。このゲームも勝利の条件は変わらないだろう。
水戸の柱谷哲二監督も大分の田坂和昭監督も今年で4年目のシーズン。継続力がチームの大きな強みである。その中でも今季、両チームともに新たにトライしていることがある。それは「攻撃的に戦う」ということだ。
新たなシーズンに向けて柱谷監督はこう豪語した。「勝つことはもちろん、見ている人に面白いと思われるようなゲームをしたい」。そして、「昨季以上に攻撃的な戦いを見せたい」と語り、「毎試合シュートを20本以上打つ」ことを目標に掲げた。昨季チーム最多タイの12得点をあげた橋本晃司が大宮に移籍。「橋本の代わりを見つけるのは簡単ではない。チームでその穴を埋める」と柱谷監督は語り、チーム全体の攻撃の意識を高めることで橋本の穴を補うだけでなく、昨季よりも高い攻撃力を見せようとチーム作りを行ってきた。
これまで行ってきた練習試合では多彩なバリエーションの攻撃を披露。練習でも見る者を唸らせる絶妙なコンビネーションから多くのゴールを見せてきた。「昨年より可能性あるプレーをする選手が増えている。昨年よりチャンスは多く生まれると思う。主力組に入っても、サブ組に入ってもいい攻撃ができているので、全体的にいい準備ができていると思う」と鈴木隆行はチームの仕上がり具合に自信をのぞかせる。
開幕戦という緊張感に包まれるゲームの中で勇気を持って攻撃的な姿勢を前面に出すことができるかが勝負のカギを握る。「相手のことは関係ない。まずは自分たち。ホームらしいアグレッシブなサッカーを見せたい」と柱谷監督は開幕戦に向けて強い意気込みを口にした。「新生水戸」の自慢の攻撃力が火を噴くか。このゲームの注目点である。
大分も「攻撃的」にシフトをしている。昨季はJ1で戦っていたこともあり、ラインを下げてブロックを作る戦いを余儀なくされたが、J2を戦うにあたって「ハイライン・ハイプレス」をキーワードにチーム作りを行ってきた。前線から連動したプレスを行い、高い位置のボール奪取から手数をかけずにゴールに向かう。ドイツなどで主流となっているアグレッシブなプレッシングサッカーをチームに浸透させている最中だという。新たなスタイルを発揮できるかがチームの命運を握っている。
「アグレッシブ」を標榜する両チームの対戦。手堅くなりがちな開幕戦であるが、状況によっては激しい打ち合いになる可能性も秘めている。試合当日のスタジアムの気温は低くなることが予想されるが、体を燃えたぎらせてくれるほど熱い戦いを繰り広げてくれることに期待したい。
水戸は今年でクラブ創立20周年を迎える。記念すべき年のファーストゲームをホームで迎えることができるだけに、「勝利で花を添えたい」(本間幸司)という思いを胸にチーム一丸となって試合に挑む。新たな歴史の幕開けとなる一戦。培ってきた20年間の力のすべてを出し切って、勝点3をもぎ取りに行く。
以上
2014.03.01 Reported by 佐藤拓也
J’s GOALニュース
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