いよいよ、2014シーズンのJ2リーグが開幕する。「本命無きリーグ」といわれる今季のJ2リーグだけにどのチームも昇格に向けて強く意気込んでいることは間違いない。この試合で対戦する横浜FCの目標はもちろんJ1昇格、愛媛もプレーオフ圏進出を目標に掲げている。その目標達成のためにはスタートダッシュは不可欠だ。この開幕戦は、そのスタートダッシュの第一歩となる。横浜FC、愛媛ともに昨年に引き続き同じ監督が指揮を執る。その意味では、継続した戦いで積み上げができるということはスタートダッシュにおいては強みとなる。一方で、両チームともに多くのメンバーが昨シーズンより入れ替わっている。そのため、新しいメンバーが目論見通りの継続を実現し、なおかつ昨シーズンからの積み上げとなるかが、大きな注目点である。
横浜FCは山口素弘監督3年目であり、その集大成とも言って良いシーズンを迎える。攻守に主導権を握り、遅攻になっても繋ぎながら崩していくスタイルは、充分に浸透していると言って良い。一方で、昨シーズンは、序盤で不用意な敗戦が重なりなかなか浮上することができなかった。そのためにも、今年は序盤での勝点3の積み重ねが必須だ。開幕戦のメンバーは昨年のレギュラーとは大幅に変わる見込みで、スターティングメンバーの半数以上の選手が新加入選手になる可能性がある。ただし、これはチームのリセットではない。キャンプからここまで手術をした西嶋弘之を除いて目立った怪我人がなく、「昨年の1.5倍の練習量をこなしたが、みんな良くついてきてくれた」と山口監督が胸を張るように、激しい競争が繰り広げられてきた結果として全体の底上げがなされた結果だ。練習では、若手の選手が意欲的にポジションを奪いに来ており、試合当日のメンバー選定まで山口監督は頭を悩ませるに違いない。
キャプテンの寺田紳一がポイントに挙げるのは開幕戦の難しさだ。
「開幕戦はどこのチームもメンバーが新しくなっているので、(スカウティングの意味では)正直イメージは沸かない。開幕戦はワクワクする部分もあるが、一方で不安もあるので、うまくいかないことの方が多いと思う。うまくいかないときには、個々の選手や、2,3人のグループで球際の気持ちで上回れば、自ずと流れを引き寄せられる。うまくいかないと思う時ほど球際の部分を強く行ければ、気持ちも乗ってくる」(寺田)
と、開幕戦独特の難しさと、その難しさを乗り越えて勝利に結び付ける意気込みを語る。この難しい開幕戦を乗り切ることで、その次の試合以降の勢いに繋げていきたいところだ。寺田は「昨シーズンまでは三ツ沢での勝率が良くなかった」と反省するが、3年ぶりにホームで開幕を迎える横浜FCは、J2でのニッパ球での開幕戦の成績は3勝1敗。決して分は悪くない。多くのサポーターと一緒に、新たなスタートを白星で飾りたい。
そのニッパ球に乗り込む愛媛も石丸清隆監督2年目を迎え、昨季から継続するアクションサッカーをさらに進化させるシーズンとなる。愛媛も、昨季の主力選手が移籍をしており、そのポジションを新たに定めている状況だ。ただ、昨年の対戦と同様、石丸監督の指揮の下、よくトレーニングされたチームになることは間違いない。シーズン前の練習試合でも、京都、岡山、栃木に勝利し、松本にも引き分けるなど、手応えを得ているはず。この自信を開幕戦に持ち込みたいところだ。
愛媛にとって得点力向上が今季の大きな課題であり、以前横浜FCに在籍した際には「ハマの爆撃機」と呼ばれた西田剛に掛かる期待は大きい。ハードワーク、体を張ったポストプレー、そしてクロスに対するヘディングシュートに大きな強みを持つFWは、横浜FCに対して大きな脅威になるはずだ。寺田も「西田は体が強いし背が高くなくてもヘディングは強い。前線で体を張ってくる選手なので、彼がそういう部分を見せて相手チームが盛り上がってくると嫌だし、ムードメーカ−なのできれば出て欲しくない」と警戒する。西田がプロ生活を始めたニッパ球で躍動し、不安定になりがちな開幕戦で貴重なゴールを挙げられるかに注目したい。
前述の通り、難しい開幕戦だけに、いかにその中でペースを引き込む動きができるかがゲームの鍵となる。その意味で、中盤でのボールの奪い合いが大きなポイント。両チームの中盤でのプレッシングと落ち着きが一つの見所だ。そして、なんといっても先制点の持つ意味はこの試合だけでなく、シーズンを通しても意味を持ってくるだろう。それぞれ新加入のフォワードが泥臭くもゴールを挙げられるかどうか、ここに注目したい。
愛媛からは伊予柑太と一平くんもニッパ球に来場し、愛媛も万全の体制で開幕戦に臨む。もちろん、横浜FCはサポーターと選手が一丸となり、俺達の丘三ツ沢を圧倒的なホームに変える。ようやく、戦いの本番が始まる。スタンドで心躍らせながら、ピッチで戦う選手を鼓舞し、最後の歓喜を祈る。そういう幸せな90分をぜひスタジアムで味わおう。
以上
2014.03.01 Reported by 松尾真一郎
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