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【FUJI XEROX SUPER CUP 広島 vs 横浜FM】横浜FM側レポート:完敗を糧にACL&J1開幕へ。藤本と下平に一筋の光を見た。(14.02.23)

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立ち上がりから不穏な空気は漂っていた。キックオフ約10秒後、右サイドから出てきた何でもなさそうなパスへの対応が遅れ、中央にぽっかり穴が空き、石原直樹にシュートを許す。「あれ、何かおかしい…」。そう思った束の間、2分にミキッチに左サイドを突破され、3分にはこぼれ球に反応した佐藤寿人にシュートを打たれるピンチを招く。そして6分、再び左サイドを崩され、早々と失点。

この時点で両チームのコンディションの差は、顕著に表れていた。66分の2失点目もキレキレの浅野拓磨にマークを剥がされ、力強いダイレクトシュートを叩き込まれる。「向こうの方が一歩一歩、出足が早かった」。中村俊輔の言葉どおり、ボールへの反応、アジリティーの差で敗れ、それらを支えるメンタルの部分でも「もっとアドレナリンを出して試合に入っていなければ…」(中村)という状態では、「打倒F・マリノス」に燃えたこの日の広島を止めるのは難しかった。50分に右クロスを合わせた佐藤の決定機をビッグセーブしたのをはじめ、守護神・榎本哲也の堅守がなければ、もっと点を取られていてもおかしくなかった。それほどの完敗だったと言える。

だが、光明も差し込んでいた。鳴物入りで移籍した藤本淳吾は、名刺代わりの好プレーを随所に披露。18分、齋藤学の2人抜きドリブルからの左クロスをインサイドでボレー。これは枠を外したが、ゲーム内一番の好機に絡んだ。30分には右サイドでトリッキーな大きなトラップによりDFを縦に外し、アウトサイドキックで端戸仁のシュートを演出。59分にも齋藤のパスをダイレクトで叩き、ペナルティエリア内に走り込んだ端戸仁へピタリ。しかし、端戸のフィニッシュは相手DFの懸命なタックルに阻まれた。

これらのシーンは、彼の左足が生んだもの。昨年まではプレースキッカーと言えば、同じレフティーの中村だったが、この日は藤本もCK、直接FKともに1本ずつ蹴る。藤本のキックレベルの高さは、いまさら言うまでもない。2人のどちらが蹴るか、相手GKを惑わすにも有効な新兵器になることは間違いない。一方で、逆サイドに流れて裏を突こうとしても味方からパスが出なかったり、単純なパスミスが見られたり、味方と呼吸が合わない場面も散見。だがそれ以上に、トリコロールの背番号「10」+「25」による、今後の化学反応の方が楽しみだ。

もう一人、新戦力でアピールに成功したのは60分に途中出場した、同じく左利きの左サイドバック下平匠だろう。74分、好タイミングでオーバーラップし、齋藤からパスを受けてクロスを送った。76分には齋藤が裏に抜ける縦パスを丁寧に供給。さらに85分、左サイドをタフな走力でえぐり、出てきた縦パスに合わせて打つ好機も。本人は「落ち着いてできた。自分自身のコンディションは悪くないし、次のACLに向けていい準備がしたい」とクールに話す。“キレ”ではドゥトラを上回っていただけに、ACLでは先発起用もあるかもしれない。

チームが今季掲げた「5冠」制覇の大目標は、早くも潰えてしまったが、「危機感を感じたという意味で、いい経験になったゲームだと思う」(小林祐三)。この敗戦を無駄にはできない。

以上

2014.02.23 Reported by 小林智明(インサイド)
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