澄み切った冬晴れの1月11日、マリノスタウンで「COPA COCA-COLA2013」の東日本地区の決勝大会が開かれた。これは中学生を対象とした世界37か国で行われている大会で、今回は日本初開催だ。地区予選を勝ち上がった、東京勢のB's.Children、広尾学園U15、谷塚選抜と、神奈川県のSCH.FCの4チームが、15分ハーフの総当たりリーグ戦で、東日本地区代表の座を争った。
大会のテーマは「AHL」(Active、Healthy、Living=活動的、健康的な生活習慣)で、会場の一角には、シュートスピードコンテストなどのアトラクションが楽しめるAHLゾーンを設置。試合の合間には、AHLメッセンジャー・北澤 豪氏が参加する3on3のミニゲームも行われ、和やかな空気に包まれた。
さらに試合中も独特な雰囲気に。選手に好評だったのが、特設実況ブースでの北澤氏の生解説。「○○くんの今のプレーは素晴らしい」といった声がスピーカーを通してピッチにも届く。「日本代表の試合などを解説されている北澤さんに褒められたら自信になります!」(SCH.FC・工藤 泰平くん)。見る側としてもライブ解説を聞いて、観戦をより楽しめた。
そんな真剣ななかに“楽しいオプション”も詰まった大会を制したのは、クラブチームのSCH.FC。「僕たちは東日本地区の代表になることだけを目指していました」とキャプテンの工藤くんが言うように、実力で頭一つリード。卒業後に桐蔭学園、鹿島学園などの県内外の強豪校に進む3年生も在籍し、地区予選から圧倒的な強さで無傷の7連勝。文句なしの栄冠に輝いた。
他の3チームも北澤氏の「たとえ負けてもチャレンジしたことに意味がある」の言葉を受け止め、最後まであきらめない全力プレーが好印象だった。B’s.Childrenは、本郷中の3年生リザーブメンバーで構成された“Bチーム”。キャプテンの王子田 想くんが「このメンバーで出場した夏の大会で、僕がPKを外して1回戦で敗退したんです。それで部活が終わって心残りだったので…」参加を決意。そのリベンジが叶い、地区予選を突破し、決勝大会では1勝1分1敗で2位に。
広尾学園U15は、年始の始業式で壮行会が開かれ、学校の期待を背負って臨んだ。決勝大会の結果は1勝2敗の3位だったが、会場には一番多くの父兄、生徒が応援に駆け付け、今大会ならではの応援賞を受賞した。
残念ながら2敗1分で最下位の谷塚選抜は、サッカー部以外に、バトミントン部、バスケットボール部、野球のクラブチームの選手5人が加入した、異色の混合チーム。「この大会のためだけにつくったチームです。3年生の部活が終わっていたので、サッカー部の倉科(大樹)くんがみんなに声をかけて集まったんです」(中村 星渚くん)。予選は4戦全勝で今大会を盛り上げた。そして北澤氏が選んだ大会MVP受賞者は、クラブチームで野球をやっていた中村くんだった。本格的なサッカー経験がないのに、FWとして奮闘した姿勢が評価されたようだ。
なお、東日本地区優勝チームのSCH.FCは、3月にJリーグが開催されるスタジアムで行われる前座試合「東西代表優勝決定戦」で、西日本地区代表のIRIS生野フレンズと対戦する。
以上
2014.01.12 Reported by 小林智明(インサイド)
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