●北野誠監督（讃岐）：

「まず最初に、我々を支えてくれたファンやサポーター、スポンサー、香川県の人たちにいい報告が出来ます。またこのようないい雰囲気を作ってくれた鳥取の関係者の方々、ファン・サポーターの方にもお礼を言いたいと思います。

試合に関しては、第1戦である程度スカウティング通りの戦いができて選手たちもやれるという気持ちになっていたと思います。鳥取が4バックでくるか、3バックで来るかというところで3バックで来るという事をふんで一週間トレーニングして、対3バックという形で前の推進力で第一戦のように押し込むことができました。

高橋の得点でいい形で前半終えられたので、アウェイゴールの関係からハーフタイムには『もう1点取って試合を終わらせろ』と言いました。後半藤田がああいう形で退場になったところで、本当にあとはああいうロングボールの戦い方、ファーストボール、セカンドボールの戦い方になるというところで全員が踏ん張って守りきることができて良かったと思います」

Q：勝利の瞬間は？
「(4年前に）僕が来たときは最初本当に何もなかったんですけど、理解してくれる人が増え、信じてくれる人が増え、着実に成長して、この1試合に勝てば目標であるJ2昇格という所まで来ました。最後10人で必死に守り切った結果勝てたという事は、4年前を思い出したら、ようやくここまで来たなという感じでした。正直残り10分は試合を見るというより、1点取られたケースで延長の事を頭に描いてやっていたんですけど、終わってみればみんな必死になって守れていたのでよかったです」

Q：故郷にJリーグをという思いは強かった？
「そうですね。僕がここの監督になった理由はそこだけなんですけど、香川県の地にJリーグのクラブを作りたいという事でやったので達成できてよかったです」

Q：具体的にどういうところを攻撃面のポイントに考えていた？
「（鳥取の）3バックを5バックにするためにはどうすればいいかということで、アンドレアと堀河をなかにいれたところでサイドが空いてくるので、持留と藤田というところで徹底して狙いました。それがうまく前半は機能して、得点につながったと思います」

Q：リーグ戦の1年を通して勝てた理由は？
「JFLのリーグ戦というのは正直凄くレベルが高いです。年々レベルが上がって、長野、金沢、町田などのような凄く力のあるチームと対戦できたところで、最初はJ2に昇格できるのは町田とうちだけだったので、負けられない試合というのを第1戦からできたというのがこの勝負強さにつながったのかなと思います」

Q：来年戦うにあたっては？
「1つは来年僕がやるかどうかというのはこれからです。僕はJ2にあげるために就任したので。なので来年の事はまだないです。それがあったら今日の試合に打ち込めなかったと思います」

Q：今日の試合前の心境は？
「選手のモチベーションを上げるには僕がモチベーションをあげなきゃいけないと思ったので、まず自分のモチベーションをあげました。昨日の夜のミーティングから上村コーチがしっかりやってくれて、今日は選手がリラックスしていたので今日は勝てるという雰囲気を感じました。（ほっとしたというところですか？）うん、ホッとしてます。それだけです」

Q：先ほどまだ来年はわからないとのことでしたが、率いるとしたらどんなサッカーをしたいですか？
「ここまでは勝てるサッカーというか、選手の特徴をいかしたサッカーをトレーニングからやってきたたのですが、J2になって今度は本当に力のある選手が多いし、もちろん外国籍の選手も多いので、どう戦っていくか…やるのであればワクワクはしますね」

Q：選手にはなんと声をかけますか？
「先程『お前らスゲーな』と言いました。今日の試合を見ていても凄いなと思うし、メンバー外の選手も涙を流してきてくれましたし、凄いチームだと思いました」

Q：選手交代の狙いは？
「それまではカウンターで、1人少ないけど守り一辺倒だったらしんどいので、カウンターをどう打つかを考えてやりました。選手交代の意図は堀河を変えたところは、鳥取がサイドチェンジを多用してきたので、本職である天羽に代えたと。木島から西野に代えたのは、木島もつかれていたし、ロングボールを入れてくるというところで、キャプテンシーもあるし西野を使いました。最後、だだ引きだったらやられてしまうので、前からプレッシャーをかけなくてはいけないので高橋から石田ということでした」

Q：この4年間を振り返って。
「監督だけの仕事ではなく、営業だったり、運営だったり、僕が今までJリーグのチームでやっていたところのノウハウを伝えていくうちに、徐々に社員が本当にJリーグに上がりたという気持ちを持ってどんどん協力してくれました。
この入れ替え戦の前にも財政の問題があったんですけど、その中でみんなが必死になってやってくれてお金を集めてくれました。支援者も増えて今日の試合をそういう形で迎えて、選手がそれに応えてくれました。なので、今はホッとしたというのと、あとはみんなよくやったという気持ちです」

Q：負けてもJ3だったわけですが、そういう状況の試合というのは率直にどうでしたか？
「報道の方々には、讃岐の方が失う方が少ないと言われてましたけど、正直うちの方が失うものが大きかったと思います。財政面もあります。もしかしたら本当になくなってしまうんじゃないかという事もあったので。そういう意味ではうちの方がプレシャーがあったと思います。僕もプレッシャーがあったんですが、そういう意味でJ2で来年できるというのはクラブにとってはすごいことだし、J2になればダービーができます。そういう事で香川県の人がJリーグ、サッカーに目を向けてくれる。それが僕にできる故郷への恩返しだったので、J2に上がるというのは香川県にとってはいいことだと思います」

Q：胴上げの感触は？
「ズボンがやぶれたんですよ。なので選手に買ってもらいたいと思います。（胴上げも）嬉しかったですけど勝った瞬間みんな僕の所に来て泣いていたのでもらい泣きしました」

Q：香川県民にメッセージを。
「本当に来年はジュビロも来るし、お隣のチームとできるので盛り上がると思います。それを間近で見る子供たちがサッカーに惹きつけられて、近所の人同士で讃岐の話題を出してくれればチームもクラブも大きくなると思うので来年期待したいと思います」

以上