●ランコポポヴィッチ監督（Ｆ東京）：

「２つの顔を見せてしまった試合でした。前後半では出来が違ってしまった。前半は仙台のほうが私たちよりいいプレーをしていましたし、唯一ウチが良かったところは点を奪われなかったことだけでした。その原因は試合後にセレモニーがあることももちろん影響していると思います。いつもより気持ちが空回りしてしまったし、集中力を欠いていたと思います。ですが、後半はただボールを動かすのではなくゴールに向かうプレーも増えましたし、相手にとって危険なプレーも数多くできたと思います。やはり最終戦のホームゲームを勝利で飾ることは大きなことです。来シーズンが開幕するまでは３ヶ月を待たなければならないので。その間も、今日の勝利の味に浸っていられると思います。それだけでも おおきなことです。あとはルーカスが現役引退するということで彼にとって最後のリーグ戦でしっかりとゴールを決めて勝てたことは非常に良かったと思います。ルーカスにはゆっくり休んで家族との時間を大切にして欲しいと思います。やはり現役選手ですと、家族にかかる負担は大きいですし、そういった意味でこれからの時間を一緒に過ごしてもらいたいと思います。ルーカスという最高の見本がいた訳ですからウチの若手にはしっかりと今後に生かしてほしい。ルーカス、ネマは34歳ですがトレーニングで全てを出し切るプロフェッショナルな姿勢を見せてくれました。若手選手にはそういったモノを学んで感じとって次に生かしてほしいと思います」

Q:この2年を振り返って成し遂げられたことと、もう少し時間がほしかったことがあれば教えてください。
「Ｆ東京に就任したとき、まずはしっかりと自分たちのスタイルを築き上げること、そしてＦ東京というチームをブランド化させること、成功するための土台を作ることが私の掲げた目標でした。リーグ戦の過去最高位が4位だと思います。その4位が東京の最低順位になるような常にトップ争いができるチームを作るために仕事をし続けてきました。今シーズンに関しては、これを勝てばという紙一重の試合が幾つもありました。そこで勝ち切れなかったことがこの順位の原因だと思っています。だからトップ争いをするのも紙一重だったと感じています。前半戦が終了してチュン（李忠成）が抜けても補強をせず、後半戦に臨みました。後半戦では、得点数は前半戦よりもやはり落ちてしまいました。大事な試合で得点を奪えなかったこともありました。ただ私がここまでやってきた仕事は、土台を作りながらさらに上を狙っていくこと。その部分に関しては満足しています。前半戦の勝点は26で5位、後半戦は28を取ったのですが、ウチのチームの力が落ちたというよりはしっかりと補強をしたチームが勝点を伸ばしたのだと思います。もちろん補強をしたから順位が上がるかどうかは誰にも分からないことです。ただそこで補強をすることでチームに刺激を与えることはできたと思います。過去の最高勝点が55だと思いますが、それに迫る54を獲りました。得点数も60点に届きました。16勝もしました。数字的には悪くはないと思いますが、ただ私は優勝してトップに立ちたかった。だから決してこの結果に満足はしていません。今の選手たちとやってきて選手が一番成長した部分はメンタリティだと思います。負けないために戦うのではなく勝つために戦う。その部分の成長は見えましたし、突き詰めてきたからこそ、このような数字になったのだと思います。しっかりとした土台はできたと思いますし、来季に向けて戦力を整えれば必ずトップを狙えるチームになると思います。日本の首都・東京という街にあるクラブなのでトップ争いをすること、そしてクオリティの高いサッカーをすることはこのチームに課された使命だと思っています。これから必ずその使命を果たせるチームになると思っています。後は今いる選手の中から 今日本代表に選ばれている選手以外にもこれからブラジルW杯に行く選手が出てくると思っています。もしそれが実現すれば私の仕事が間違っていなかったと自分で思えると思います」

以上