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【J1:第34節 清水 vs 柏】プレビュー:もっとも成熟したチームを、成熟を目指す若いチームが倒せるか。清水の来季を占う意味でも象徴的な今季ラストゲーム(13.12.07)

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両チームともすでに天皇杯で敗退しており、これが今季のラストゲーム。どちらもさまざまなドラマがあった1年だが、今シーズンを良い形で締めくくりたいという想いは非常に強い。そんな中で迎える最終節にひとつキーワードを挙げるとすれば、それは「成熟」という言葉だろう。

柏と言えば、今年もヤマザキナビスコカップを制し、名指揮官・ネルシーニョ監督の下、4年連続でタイトルを獲得しているチーム。今年はACLでもJリーグ勢で唯一グループステージを突破し、準決勝まで駒を進めている。経験値、勝負強さ、精神的なタフさなど、どれをとっても今のJリーグでもっとも「成熟した」チームのひとつであることは間違いない。
一方、清水のほうは、Jリーグでもっともスタメンの平均年齢が若いことが多いチームで、今シーズンもしばしば経験不足で勝利を逃す場面を見せてきた。ただし、若い選手たちが着実に成長し、チームとしての戦い方も徐々にクオリティを上げていることは間違いない。そして良いサッカーができたときは、Jリーグのどのチームにも真っ向勝負で勝ちきれる力があることも示している。そんな中で今いちばん求められているのが、アフシン ゴトビ監督が頻繁に口にする「Mature(成熟する)」というキーワードだ。どんな状況でもあわてることなく自分たちの戦い方を貫けるか、試合の状況に応じて戦い方を微調整し、ゲームをコントロールし続けられるか。主力の多くが24歳以下というチーム構成の中で経験値を高め、成熟度を上げていくことができれば、もっともっと安定した成績を残せるとゴトビ監督は考えている。そんな中で今季の最終戦で柏と対戦するのは、非常に象徴的な巡り合わせと言える。ゴトビ監督が就任してからの3年間で柏には一度も勝てておらず、清水がリードしていても、最終的に柏の老獪さや勝負強さで追いつかれたり逆転されたりする試合もあった。逆に柏がリードすれば、きっちりとゲームをコントロールされ、攻めに出たスキを突かれて追加点を奪われてしまうことも多かった。つまり、「成熟」を最大のテーマとする若いチームが、もっとも「成熟」したチームに挑み、今度こそ勝ちきれるかという大きな見どころがある試合なのだ。

そうした構図の中で、両チームともDFラインに不安を抱えている。とくに清水のほうは、センターバックの平岡康裕とサイドバックの吉田豊がケガにより欠場濃厚で、前節でセンターバックを務めたキャプテン・杉山浩太が出場停止。今節は第4のセンターバックが必要になり、今週の練習ではボランチの村松大輔がセンターバックに入る形もテストしている。また、将来が期待される新人の三浦弦太を起用する可能性もあり、どんなDFラインで試合に臨むかという部分がまず大きな注目点となる。

柏のほうは、3バックの中央を務めてきた近藤直也が出場停止で、その穴をどう埋めるかがポイント。柏にとしても失点が多かった(58点)今季をどう締めくくるかという部分が大きなテーマとなる。

一方、攻撃陣のほうは、どちらも上向きな状況にある。清水のほうで大きいのは、足首などの痛みで精彩を欠いていたラドンチッチが「今は痛みがなくなってフレッシュな状態」と語っており、前節の仙台戦で1ゴール1アシストの活躍。得点シーン以外でも確実に身体の切れが良くなっているのが確認できた。伊藤翔も良い形でゴールを決め、前線の破壊力はこれまでよりも増しているはずだ。
柏のほうも、大黒柱レアンドロ ドミンゲスが不在の試合でもコンスタントに得点を重ねており、前節のF東京戦は日本人だけのスタメンで4-1の快勝。PKが2つあったが田中順也がプロ初のハットトリックを達成しており、エースで日本代表の工藤壮人も安定した得点力を発揮している。清水と同様に雰囲気はかなり良くなっているはずだ。

実際にこのカードは打ち合いの展開になることが多く、今回もそうなりうる要素はかなりある。ただ、清水としては「点の取り合いになりがちな相手だけど、今回はぜひ0で抑えたいし、そうすれば今のうちならチャンスを作れるし、得点も取れると思う」(河井陽介)というのが狙いになる。
また、「(柏は)日本人選手のレベルもかなり高いし、球際に激しく来るイメージがある」(本田拓也)という中で、不用意なボールの失い方から柏の速攻でゴールを奪われるというのがいちばん避けたいパターン。そこにも「成熟」という部分からくる冷静さや状況判断が大いに関わってくるだろう。いずれにしても「出場停止やケガの人もいるので、チームの全員が一丸となって勝ちにいきたい。自分が出たら、得点やアシストを取りにいって、スタジアムを盛り上げて、少しでも勝利に貢献できるように頑張りたい」(村田和哉)という声に代表されるように、ホームでの最終節を何としても勝利で飾りたいという清水のモチベーションは非常に高い。

この試合に勝てば、ゴトビ体制の過去3年でもっとも高い順位で終われる可能性もある。百戦錬磨の柏にどんな戦い方をされても、それを受け止めて勝ち切る成熟度が今の清水にあるのかどうか、いやそれを発揮できるかどうか。来年の戦いを占う意味でも、清水サポーターにはぜひしっかりと見届けてほしい最終戦だ。

以上

2013.12.06 Reported by 前島芳雄
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