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【J2日記】神戸:「タカ、フォーエバー」(13.11.22)

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10月24日、吉田孝行が今季限りでの現役引退を表明した。この時点でJ2リーグは残り5試合。吉田は「J1昇格を確信できたので現役引退を発表しました。残り5試合ですが、お情けで試合に出させてもらうのは嫌なんで、一つでも多く試合に出られるように全力でやる」と誓った。

だが、その発表後に吉田のケガが深刻化。メンバー入りはおろか全体練習にも参加できず、別メニューで調整する日々を送ることになる。
その間、チームは第38節のアウェイ鳥取戦で逆転勝ちし、11月3日のホーム京都戦に勝てばJ1昇格が決まるという最高の舞台を整えた。吉田と苦楽を共にしてきた北本久仁衛は「タカさんをいい形で送り出したいので、まずこの京都戦に勝ちたい」と気合を入れ直して大一番に臨んだ。
結果はスコアレスドロー。J1復帰は次節以降へと持ち越されることになる。この京都戦で今季ベストパフォーマンスといえる活躍をみせた橋本英郎は、J1復帰とは別にこんな想いで戦っていた。「最終節の熊本戦でJ2優勝が決まる。そのピッチにタカさんを立たせたい」。ケガと戦う吉田の背中が、同じようにG大阪時代にケガと向き合ってきた橋本を奮い立たせたのかもしれない。

引き分け以上でJ1昇格という状況で迎えた第40節の札幌戦。今季最大のミッションは、試合前に果たされることになった。デーゲームで京都がG大阪に敗れたため、神戸のJ1復帰が決まったのである。神戸はモチベーションの維持が難しい中で、J1昇格プレーオフ圏内進出を狙う札幌と戦い、そして敗れた。次節の群馬戦では、試合前にG大阪のJ2優勝が決まる中、懸命に気持ちを奮い立たせて挑んだが無念のドロー。そんな紆余曲折の中、吉田は黙々と試合に出るために復帰を目指した。「まだ自分にもチームに伝えられることがあるはず」だと信じて。

11月21日。最終節の熊本戦を3日後に控えた「いぶきの森球技場」。久々に全体練習に合流し、汗を流す吉田の姿があった。「J1復帰という最大の目標に向けて、みんなと過ごした1年間を誇りに思う。でも、まだ引退の実感はない。メンバーを選ぶのは監督だけど、自分としては足の骨が折れてでも最終節に出るつもり。そのためにしっかり準備するだけ」。新しい人生を模索するわけではなく、最後まで吉田は1人のプロフットボーラーである。

神戸の強化部長時代に吉田をスカウトした和田昌裕副社長は「最後に大きな花火を上げてほしいよね。“もってる男”だから、心配はしていないけれど」と、最終節に向かう吉田へエールを送った。
横浜フリューゲルス時代からの付き合いである安達亮監督は、指揮官という立場もあって明言は避けたものの、最終節での吉田の起用についてこう述べた。「最後、タカは自分でコンディションを調整してくると思うし、それができる選手。もちろん練習のリバウンドなどを見てからだけど、(出たら)彼のベストプレーは見られると思います」。

11月24日、ノエビアスタジアム神戸。11月3日の京都戦を「2万人超えのスタジアム、あの一体感の中でプレーしている選手を見て羨ましかった」と話す栄光の背番号「17」にとって、この日が最高の1日になることを願う。タカ、フォーエバー。

以上

2013.11.22 Reported by 白井邦彦
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