鹿島は鳥栖との相性が悪い。リーグ戦の対戦は、昨季からの3試合で2分1敗と一度も勝ったことがない。今季のナビスコ杯予選リーグでの1-0の勝利が公式戦初勝利だった。しかし、その相手に勝たなければ優勝は確実に遠のく。優勝するためには3連勝しか道はない。
鳥栖は豊田陽平をターゲットにロングボールをうまく使って鹿島を自陣に押し込もうとするはずだ。その狙いをどこまで防げるかが、鹿島にとっては第一の関門だ。豊田と競り合うことになる青木剛は「こうやって1年戦ってきて、このタイミングで開幕のときにやった鳥栖とやるのは、個人としてもチームとしても、この1年でやってきたものがどれだけしっかりと表現できるかだと思う」と話す。開幕戦に対戦したときは、ラインの上げ下げを細かく意識するあまり体力を消耗し、後半豊田に同点弾を許してしまった。
「もう少し違う対応ができたというのが自分のなかでもある」
31歳の選手に成長という言葉を使うのはそぐわないかもしれないが、トニーニョ セレーゾ監督のサッカーに順応した姿を、同じ相手を抑えることで示したい。
しかし、青木らセンターバック陣が豊田を抑えたとしても、そのこぼれ球をどちらが制するかで試合の展開は大きく変わる。つまり、セカンドボールを拾えるかどうかが鹿島にとっての第二の関門だ。中盤の中心選手である遠藤康は「セカンドボールを拾えればうちのペースになるし、取られれば相手のリズムになる」と、そこでの支配率が試合を左右すると考えていた。
とはいえ、公式戦3連勝と波に乗っている鳥栖も万全の体制ではない。最終ラインを司っていた菊地直哉が左足のハムストリングを痛めて離脱した。前節でJ1残留は決めたが、残り試合を難しい状態で戦わなければならない。特に、今節は日本代表でも活躍した大迫勇也を抑えなければならず、代わりに出場する選手はいきなりの大役をこなすこととなる。ただ、ここをしっかり抑えなければ、相手の布陣を間延びさせる狙いも無意味になるため、非常に重要な役目となるだろう。
天皇杯では広島に完敗を喫した鹿島。残念ながら今シーズンは3試合を残すのみとなってしまった。それだけに、この残された3つの試合にすべてを賭ける思いは強い。
「休みが長くなったぶん、残り3試合みんながんばると思う」
日本代表に招集されていた大迫勇也は、天皇杯がなくなったことに落胆しながらも、3試合への意気込みを強くしていた。
以上
2013.11.22 Reported by 田中滋
J’s GOALニュース
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