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【J2:第39節 神戸 vs 京都】レポート:固唾を飲んだ90分の攻防は決着が付かずスコアレスドロー。神戸のJ1復帰は次節以降へ持ち越し。京都はJ1自動昇格へ一縷の望み。(13.11.04)

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無情のホイッスルがノエビアスタジアムに響いた瞬間、90分間を走りまくった神戸の小川慶治朗はその場に倒れ込んだ。「あれさえ決めていれば、勝てていたのに…」という思いがこみ上げる。小川がやや目を赤くしながら悔やんだのは、前半42分過ぎの決定機だ。
右サイドをポポがドリブルで突破し、地を這うような速いセンタリングを相手ゴールのニアサイドへ放り込む。それに反応した小川が、ヒールキック気味にボールを後方へ流してゴールを狙った。速さ、タイミング、アイデアのどれをとっても完璧なシーン。京都のGKオ・スンフンも反応できず、ボールの行方を見守るしかなかった。
だが、小川のこのシュートはわずかに枠を捉えきれず。結果的に悔やむことになる。

この日の神戸は勝てばJ1復帰が決まるという絶好の舞台だった。相手は前回のJ2初対戦で1−4と完敗している3位の京都。関西ダービーに加え、神戸にとってはリベンジできる絶好のチャンス。京都にとってはJ1自動昇格に向けて望みをつなぐ一戦。22468人の観衆がスタンドを埋め、両チームのサポーターはいつも以上に盛大な手拍子や声援をピッチの選手たちに注いでいた。

前半は神戸のペースだった。前線からプレッシングを仕掛け、ダブルボランチの橋本英郎とエステバンが京都の持ち味であるワンタッチパスをことごとく封じていく。また北本久仁衛と河本裕之が京都のオフェンスの起点となるFW横谷繁にほとんど前を向かせない。攻守の切り替えも早く、森岡亮太を軸に小川、ポポ、マジーニョが積極的に京都DFの裏を狙い続けた。先述した小川の決定機の他にも、約7分にはポポが強烈なミドルシュートを放ち相手GKを慌てさせ、約9分にはポポのスルーパスで抜けた相馬崇人がエリア内でシュートを放つシーンもあった。38分には森岡のスルーパスでエリア内に侵入したマジーニョが、惜しいシュートも放っている。「前半、あれだけチャンスを作って決めきれなかったことが残念です」とは、試合後のマジーニョのコメントである。前半のシュート数は8本。橋本は「(気持ちが入り過ぎて)神戸はゴール前で落ち着きがなかった。もう少し攻撃で発想力とか余裕があれば、しっかり決められたと思うけれど、焦りがあったから、みんな(シュートの)カスあたりが多かったんだと思います」と振り返った。

逆に、その前半を無失点で乗り切った京都が後半に輝きを取り戻すことになるから面白い。61分に倉貫一毅に代えてFW原一樹をピッチへ送り込み、横谷を一つ下のポジションへコンバート。今まで神戸の北本と河本に潰されていた横谷を中盤に置くことで、京都は本来の小気味のいいリズムを取り戻す。その上で、MF山瀬功治に代えて空中戦に強いFW三平和司を投入し、1点をこじ開けにいった。このシステム変更がジャブのようにじわじわと効果を発揮し、82分過ぎには神戸のパスミスから一気にカウンター攻撃を仕掛け、最後は横谷が強烈なミドルシュートを放った。結局、このシュートは神戸のGK徳重健太に阻まれたものの、ここからアディショナルタイム3分を含む約10分間は完全に京都ペースだった。
だが、神戸の必死の守備もあって、結局はスコアレスドローに終わる。ホームでJ1復帰を決めたかった神戸にとっても、J1自動昇格への可能性を広げたかった京都にとっても痛い引き分けとなった。
ただ、この結果により、京都はJ1自動昇格へ一縷の望みを残したのも事実。また、神戸は残り3試合で勝点1を奪えばJ1復帰が決まるという圧倒的優位な状況となった。しかも、神戸は一足先にJ1復帰が決まった首位G大阪との勝点差もまだ“1”。安達亮監督が「全体を見て、非常に良いゲームが出来たと思っています。残り3試合もこれくらいの試合がきっちりとできれば、自然と昇格も付いてくるし、その上(優勝)も付いてくるかなと思っています」と振り返ったように、まだ初戴冠の可能性も充分に残している。
次節のアウェイ札幌戦と次々節の群馬戦で勝点6を積み上げ、最終節のホーム熊本戦でJ2優勝を狙えるシチュエーションになっていることを期待したい。

以上

2013.11.04 Reported by 白井邦彦
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