●田中マルクス闘莉王選手(名古屋)
Q：久しぶりの勝利となりましたが、今日の試合を振り返って下さい。
「まず、久しぶりということ自体が良くないことだと認識しなければいけません。自分たちは常に勝たなければいけないチームですし、久しぶりという事は許されません。今日は勝ったということ、それだけが良かったと思います」

Q：ご自身の得点シーンを振り返って下さい。
「ジョシュア(ケネディ選手)が孤立し、そのジョシュアばかりの攻撃で得点を決められない雰囲気でした。それでもジョシュアは素晴らしい選手ですし、その周辺で何か必要な事はあるのじゃないかと動いていました。その結果、ジョシュアが粘り、自分が最後に押し込むようなゴールになりました。神様が今日、味方してくれたと感じています」

Q：後半は攻撃に迫力がありましたが？
「最近はチームがうまくいっていませんでした。サッカーにはラッキー、アンラッキーな部分もありますが、それをつかむのは自分たち自身です。ただ立ち止まっていても、空からは何も降ってきません。自分たちの手でつかまなければいけないと思っていますし、今日は頑張った結果、諦めず戦った結果がゴールに繋がったのだと思っています」

Q：残り4試合への抱負をお聞かせください。
「正直、自分たちは今シーズンJ2には落ちません。上位へ進出するのもほとんど可能性はありません。その中で何が目標なのか。自分たちのプライドのため、そしてこの状況でも声援を送ってくれているサポーターのために男気を見せ続ける、それだけでも十分なモチベーションですし、それを胸に残り4試合を戦いたいと思います」

●楢崎正剛選手(名古屋)
Q：やっとトンネルを抜けましたね？
「東名高速を走っていても、抜けてまたすぐ入るトンネルもありますからね……(笑)」

Q：これでJ1残留も確定しましたが？
「1年を通し厳しいシーズンを戦っています。今日も結局は闘莉王かという感じで、それももちろんグランパスの強みですが、前線の選手達自身は物足りなさを感じているのではないでしょうか」

Q：それでも闘莉王選手は頼りになるのでは？
「気持ちの強さが違います。人に要求する分、自分自身もそれだけの仕事をしています」

Q：今日は後半に入って内容が良くなりましたが？
「後半のような戦いを90分通して行えればもっと良い順位にいられたのですが。残り4試合となりましたが、最後までしっかり戦うだけです」

●田口泰士選手(名古屋)
Q：後半から流れを変えたのではないでしょうか？
「前半も、落ち込むような内容ではありませんでしたし、後半開始から行くぞと言われたときは、驚きました。それでもハーフタイムに全員がしっかりと気持ちを切り替えて良い形で後半に入り、それを継続できた事が結果に繋がったのではないでしょうか」

Q：久しぶりに手応えがあるのでは？
「それでもまだまだパスミスがありましたし、アディショナルタイムには危ない位置でフリーキックを与えてしまいました。あれを決められていたら、全てがなくなるところでした。残り4試合となりましたが、またチャンスをもらえば仕事ができるよう、しっかりと準備をしたいと思います」

Q：田口選手自身にも惜しいシュートがありましたが？
「コースを狙って打ったのですが、もう少し強いボールなら入っていたかもしれません。少し狙い過ぎ、置きにいった感じのシュートでした」

●永井謙佑選手(名古屋)
Q:よく走って守備もしていましたが。
「（自分では）わかりません。次に切り替えます。交代も自分の動きが悪かったからだと思います」

Q:前半から良い動きをしていたと思います。
「勝ったからよかったです。負の連鎖を断ち切ったという感じじゃないですか」

Q:あれだけ守られると、やはり崩すのは難しいですか。
「難しいというか、8枚下がってましたからね。でもシュートはペナの外からでも打てていたし、チャンスはけっこうあったし、そんなに悪いイメージはないですね」

Q:後半はチームの運動量もさらに上がった印象ですが。
「相手も落ちたんじゃないですかね。8枚で引いてカウンターだけになっていたから。しかしスーパーでしたね、あのノヴァコヴィッチのシュートは。あそこから打ってなかなか入らないですよ。という油断がウチにもあったかもしれないですけど。誰もマークしてなかったですからね」

Q:玉田選手がサイドハーフにいてのツートップはどうでしたか。
「チャンスはあったと思うし、距離感も良かったと思います。でも立ち上がりはパスミスが多くて、アタフタしていたので」

Q:何はともあれ、まずは勝ってよかったですね。
「そうですね。自分に得点はないんですが、チャンスはあるので。切り替えて頑張ります」

●小川佳純選手(名古屋)
Q:非常にコンディションも良く、切れのある動きを見せていました。
「そうですね。コンディション、身体はすごく切れていたので。あとはしっかり得点を取ること。惜しいシーンはあるんですけど、最後のトラップ、シュートがもう一つだったので、そこを修正していきたいですね。もう少しトゥさんをFWに上げなきゃいけない状況を、理想で言えば作りたくないというのが本音ですけど、今日の結果としてはね。トゥさんをFWに上げて成功したって形ですけど、もう少し前半の、僕やジョシュア、永井、タマさんの布陣のうちに何とかしたかったですね。チャンスはあったので。まあ、勝ったことが何よりも良かったことです」

Q:パスをつないで崩していく流れはうまくいきかけている印象です。
「そうですね。相手陣内で押し込む時間帯は多かったと思うし、後半はウチのペースだったと思うんですけど、それでもカウンターでピンチがあるので。まだまだ手放しで喜べるような試合ではなかったので。修正するところは修正して、でも今は内容よりも結果が欲しい時期になってきたし、監督も残り4試合なので、勝って終われるように。その一歩目かなという感じですね」

Q:後半は闘莉王選手のオーバーラップも増えて、その後にパワープレーもしました。運動量、アグレッシブさが後半に増したように思えますが。
「前半は何というか、上手くいってそうで実はそうでないような、ボールはキープしているけど最後のところでミスがあったり、その前でミスがあったりで、カウンターを喰らって。ああいう形で失点するという流れだったので、何かを変えたいと思って自分たちはやっていましたし、トゥさんを上げる前にもけっこうチャンスは多かったので、それを前半からしっかりやれるようにしたいと思います」

Q:攻撃陣としては、2点ともパワープレーだったというのは喜べない部分も？
「いや、監督ももちろんどういう手を打てば得点が入るかは考えていたと思うし、トゥさんは最初DFでしたけど、どんどん前に参加して相手の脅威になっていたので。そこで監督はさらに前に上げる選択肢を選んだんだと思います。ただそういう選択肢もありますけど、しっかり組み立てて、トゥさんにはDFの仕事に専念してもらう方がチームとしてはうまくいっていることになるので。そういう状況を作らないようには、これからはしていきたいと思いますけどね」

Q:この勝利でチームの雰囲気は変わりそうですか。
「勝つのと引き分けるのとではやっぱり違うし、ここからですね、また」

●阿部翔平選手(名古屋)
Q:ようやく一つ勝ちました。
「はい、勝てました。トゥさんのおかげですね」

Q:全体的に運動量もありましたし、内容も悪くはないという面と楽観できない部分の両方がありました。
「でも内容自体は負けてる試合でも悪くないこともあったので。あとはチャンスを決めるか決めないかの部分や相手にそのチャンスを決められてしまうかというところでもあって、何とも言えないですね。今日も危ない場面はありましたし。でも何とか、ボールに対する頑張りはすごくあったので、勝利を手繰り寄せることができたのかなとは思います」

Q:前半の流れは、危ない局面は抑えているけど、ラストパスやフィニッシュの精度を欠いて、バタついたという面もありましたね。
「そうですね。良い入り方、良い走り込みもできていたし、ボランチがプレッシャーをかけた時に、ジョシュアや永井といった前線もしっかり守備に戻ってくれたので。すごく良かったんですけどね。そういう時に得点が取れなくて、(CKの判定が)ファウルかとも思ったところで失点もしてしまって、悪い流れかなと思った中で、トゥさんが止めてくれました。それも大きかったかなと思いますね」

Q:あの高さも武器ですが、もう少し流れとして攻撃を作りたい気持ちもありますか。
「そうですね。相手が堅い守りかといったらそこまでの印象もなかったですし、ところどころ空いていましたし、ペナルティエリア付近で前を向いてドリブルできる選手もたくさんいて、もっといいチャンスが作れるかなとも思えましたしね。そこでペナルティエリア内に走りこんでいけてはいたので、最後のシュートにつながらないというか、そういう感じでしたね」

Q:藤本選手が入ってきた時に、何やら耳打ちをしていましたが。
「あれは監督の指示としても、淳吾が開いて僕が少し守備的に入って外を使うという形ということで。彼が起点になって、ゲームを作ってくれるように」

Q:それ以降の時間はクロスもよく入りましたし、外が空いているなという感覚はありましたか。
「んー、どこも空いているな、という(笑)。淳吾へのコースを切られても、その時はトゥさんやジョシュアが中でDF背負いながらでももらえるなという感じでしたし、そこを切られていれば淳吾が普通に空いていましたから。サイドチェンジは難しかったですけど、ボランチもすぐターンしていけましたし、スペースはかなりありました」

Q:それは闘莉王選手が前線にいなくても、そうだったと思いますか？
「たぶん、いなくても空いていたとは思います。でもトゥさんはそういう空いている部分などを良く知っている人だとは思うので、だからこそつながったのかもしれません」

Q:今はとにかく勝ったことの方が自分たちには大きいですか？
「大きいですね。ここまで結果が出ていなかったので、あとはこれを続けていくことが大きな課題ですけど」

●玉田圭司選手(名古屋)
Q:よく90分間を走り切りましたね。
「疲れたよ(笑)」

Q:あの形での得点で逆転というのは、煮え切らないところも？
「いやでも、今は結果が欲しかったから、良かったんじゃないですか？」

Q:今回のポジションでもいい動きができることを見せましたね。
「今日は中盤だったので、なるべく中盤の仕事をしながら前に飛び出すことを考えていました。DFラインがボールを持ったらまず抜ける、ではなく、そういうプレーをやってみようかなと思ってやってみたんですけど」

Q:以前にもサイドハーフをやっていたことがありましたが、全然違う動きでした。
「違う？　まあ自由にやっただけなんですけどね」

Q:攻撃の最後のコンビネーションは、もう少し練習で詰めていきたいところですね。
「そうですねえ…。やっぱり練習でやっていないと、いきなり試合では難しいと思う。ある程度形を練習で作れれば、もっといい攻撃なり、チャンスが作れると思いますけどね。とりあえず残りの4試合だね。なるべく良い形で終わりたいし、納得できる形を作りたいです」

Q:パワープレーに入ってからは割り切って…
「パワープレー？　パワープレーなんてやったっけ？(笑)」

Q:あれは名古屋的にはパワープレーではなかったと？(笑)
「まあ、そのへんは切り替えるだけですよ(笑)」

Q:しかしそのパワープレーも今季は逆効果になることがありました。何か気を付けていた点などはありますか？
「あれをやってすべてがうまくいくわけではないですからね。放り込んだ後のセカンドボールはチャンスになるし、意識をすれば自分たちが五分五分以上に取れる。そういう意識を持っていたし、攻撃から守備への切り替えというのも意識していました」

Q:藤本選手が入ってからの攻撃はクロスも多くて、そのこぼれ球もチャンスになると見ていたのでは？
「今日のやり方ではそれが一番正解だったと思うし、それで結果が出たので、これを続けていくかはわからないですけど、さっきも言ったように残りの4試合で自分たちが悔いの残らないようにやりたいです」

●チョ ヨンチョル選手(大宮)
Q:今日の試合を振り返ると？
「前半は先制して、何回か良い形も作って、守備もちゃんとできて良かったと思うんですけど。後半に入ってから、守りの意識が強くなってしまってなかなかラインを上げられなくて。僕が交代してから4-3-3になったんですけど、そこからは守り切るという感じになったんですけど、2失点してしまって、後半はすごく厳しい戦いになったと思います」

Q:個人としてはカウンターの起点にもなり、良い動きができたのでは？
「そうですね。それを後半もやり続けたかったんですけど、あんまりそういう場面がなくて、交代になってしまいました。前半みたいに後半も、カウンターのところで自分の良さを出したかったです」

Q:うまくいかなかった点で、相手の対応が前後半で変わったところなどはありましたか？
「いや、相手の対応ではないんですね。こちらが守り切るという意識が高すぎて、前半みたいに前に飛び込めなかったところが強いです」

Q:ハーフタイムにチームが守備的になってしまうような話があったりはしましたか。
「いや、別にそういうのはなかったんですけどね。僕が15分くらいで代わって、それが守り切るというような感じだったので、そういう意識が生まれたのかと思います」

●上田康太選手(大宮)
Q:久々のスタメン出場でした。
「押し込まれる時間帯が長かったんですけど、そこで我慢して先制点も取れましたし、前半はすごく良い感じで進められていたんですけど。後半に失点してしまったのが残念です」

Q:中盤での組み立てを含め、今日の自分の動きについては？
「ボールを受けてさばいて、という中でリズムを作りたかったんですけど、前半はスペースもあったので、それができているところもありました。しかし何回かはミスもありましたし、それに加えてゴール前に絡みたかったですね」

Q:名古屋戦ということで意識したことは？
「中盤はけっこうスペースがあると思っていたので、どんどん受けてリズムを作っていこうと思っていました。守備では前に強力な選手がいるので、そこにボールが渡った後の、中盤の選手の飛び出しにしっかりついていこうと思っていました」

Q:得点シーンについては？
「あれは練習ではやっていなかったんですけど、ノヴァがフリーになっていて、ボールを欲しがっていたので。良いボールを蹴ることだけ考えていました。練習ではやっていなかった形なんですけど、ノヴァはああいう受け方をたまにするし、相手が全然来ていなかったのでチャンスだなと思いました」

Q:今後の戦いについて、取り組んでいきたいことは？
「やっぱり勝利が一番だと思います。自分が出た試合では勝ちたかったんですけど、また次の試合にチャンスがあれば、勝利に向けて頑張りたいですし、それがチームにとって大事なことだと思います」

以上