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【J2:第35節 横浜FC vs 岐阜】レポート:互いの想いをぶつけた一戦は、2度先行した横浜FCに岐阜が2度追いつき、勝点1を分け合う(13.10.24)

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J1昇格プレーオフに向け絶対に勝点3が欲しい横浜FCと、J2残留に向け こちらも勝点3が是が非でも欲しい岐阜。お互いに粘り強い守備を見せる両チームの戦いは、点を取り合うような試合展開には決してならないだろうと多くの人が思っていたに違いない。しかし、90分の死闘を終えた結果は2−2のドローというものだった。

9月末に行われる予定だった第35節のこのカード。ニッパツ三ツ沢球技場の芝の張替えなどの理由により、予定から約1ヵ月後のこの日、平日のナイトゲームという形で開催された。
この日の首都圏は、台風27号の影響で朝から曇り空。キックオフ2時間前頃から、傘は必要ないくらいの雨粒が少しずつ落ち始め、両チームの選手達がピッチ練習に現れる頃には次第に雨粒が大きくなり、キックオフ直後くらいまでその雨脚は強まった。

横浜FCは前節・徳島戦でスタメンだった永井雄一郎と内田智也を、黒津勝・小野瀬康介に代え、岐阜は右SBの杉山新を田中秀人に、出場停止のボランチ森安洋文に代わって益山司をピッチに送り出した。
この試合の勝負の行方は「どちらの気持ちが強いか」に、大きく掛かっている部分があるだろうと、多くのサポーターがそこに注目していた。また、選手たち自身がそれを強く思い戦っていた。
前節から中2日で行われたこの試合。いくら暑い季節が過ぎ、涼しくなってきたとはいえ、選手たちのコンディショニングの善し悪しは、試合を大きく左右する。前節、長崎の地で戦った岐阜は、今節の試合に向け、そのコンディション調整を考え、一度岐阜に戻ることはせず、長崎から直接横浜入りし、2日間トレーニングを行い準備を重ねた。その成果もあってか、岐阜は試合への入りも良く、キックオフからしばらく一進一退の戦い。そんな中、大きな決定機を先に迎えたのは横浜FC。7分、右サイドを岐阜の新井辰也を振り切って黒津が駆け上がり、ボールを受けては深くまでえぐることでもう一人中に走るDFを引き付け、そのタイミングで真ん中でフリーになっている野崎陽介へ。しかし黒津のマイナスのクロスとはわずかに合わず、大きな決定機を逃す。続く21分の横浜FCの初のCKのチャンス。高地系治の左足から繰り出されたボールに野上結貴が打点高く頭で合わせるもゴールを捉えきれず。
24分、岐阜にもチャンスが訪れる。右サイドから中村祐輝がゴール前でつぶれて美尾敦のシュートなど、立ち上がりから再三続いていた右サイドからの攻撃が形となりはじめる。
試合が動いたのは37分。横浜FCの3度目のCKからだった。高地が放った精度の高いボールはファーサイドにいる黒津のもとへ。これを黒津はジャンピングボレーで合わせ、思い切りグラウンドに叩きつけられたボールはゴール前のDFを越えてネットに吸い寄せられ横浜FCが先制に成功。リーグ戦のピッチは久しぶりの黒津だったが、その身体能力の高さを見せ付ける、なんとも鮮やかでアクロバティックな見事なシュートだった。前半アディショナルタイムには、岐阜も右サイドの美尾から中にいる樋口寛規へ。樋口の素晴らしいトラップからのシュートもゴールをわずかに外れ、1-0と横浜FCがリードして試合を折り返す。

迎えた後半、試合は両チームの点の取り合いとなった。後半開始間もない49分、岐阜の染矢一樹がゴールネットを揺らし追いつくが、その僅か5分後、流れるような横浜FCの攻撃から黒津が倒されPKを獲得。これを黒津が自ら落ち着いて決め勝ち越しに成功する。是が非でも勝点を持ち帰りたい岐阜は、61分に長身のスティッペを投入。すると投入直後、CKのチャンスでスティッペが同点弾を放ち、ゲームは再び振り出しへ。
お互いの「勝ちたい」という気持ちが強いボディコンタクトの場面を生み、また時間が経過する中での疲労も重なり、ヒヤっとする場面が増えると、ファウルの数が増しイエローカードが多く出た。71分には岐阜の中村が2枚目のイエローカードで退場。残り20分を10人で戦うことを強いられた岐阜は「1」だけでも勝点を持ち帰ることに注力し、横浜FCはCBのペ スンジンをも前線に送り、4分と表示されたアディショナルタイムの最後の最後まで岐阜ゴールを脅かし、全力で勝点3を得ようと試みたが、同点のまま試合終了のホイッスル。勝点を分け合う形で試合を終えた。ホイッスルの瞬間、ピッチに座りこんだ両チームの選手達の姿が、この試合を物語っていた。

これで7戦負けなしとなった横浜FC。プレビューでも触れた失点の少なさがチームの特長であり、2失点は8月25日のG大阪戦以来、6試合ぶりとなった。前半、岐阜にペースを握られつつも先制したが、その後ミスも重なり呆気なく2度のリードを追いつかれてしまった。武岡優斗も「2点は取っていたので、やっぱり失点したらダメですよね」と話し、「すぐに次があるので切り替えて頑張りたいです」と続けた。失点もさることながら、前半に決定的チャンスがいくつかあったことも事実。高地は「チャンスが結構あったから、あそこを決めないといけなかった。オレもあったし、クロ(黒津)が野崎にパスをした場面もあったし。あれが決まっていたら、前半で3−0ですからね。終盤もサイドから攻めることができていたから、最後の精度の部分」と反省を述べながら、中3日で迫る日曜日の試合に向けて前を向いた。J1昇格プレーオフ圏内へ向け、誰一人として諦めてはいない。

一方、連敗を止めた岐阜。「気持ち的には勝点2を落としたような感じ。勝てる試合だったと思うが、チーム全員で勝ち取った勝点1」と話すのは1点目の同点弾を放った染矢。木谷公亮も「流れの中で、みんな体を張ってくれていたので(失点に絡んでしまい)本当に申し訳なかった」と話しながらも、「試合の流れは、攻守において良かったと思う。球際も強く行けていたし、セカンドも拾えていたし、今までの試合の中では良かったと思う。勝点1取れたことも大事だが、今日の流れでいけたら勝点3取れた」と、この日の戦いにチームとしての大きな手応えを感じた様子。J2残留を掛けて、2度も離されながらも追いついた粘りと執念を、残り5試合でも見せて欲しい。

両チームにとって、一戦必勝の試合は続く。

以上
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