山形は福岡から行きづらいアウェイのひとつ。行程もそうだが、費用もばかにならない。安さを考えれば、東京(LLC利用)経由で夜行バスで山形入りという手もあるが、所要時間、疲労度等を考えると、必ずしもコストパフォーマンスがいいとは言えない。ベストチョイスは、飛行機で仙台に出て、仙台から高速バスを利用する方法。今回は、スカイマークと仙台のカプセルホテル利用で、2泊3日で34,000円程度で済ませた。
ただし、問題は山形の滞在時間が短いということ。本来ならば、天童で温泉に浸かり、山形市内でのんびりと美味しいものでも食べたかったのだが、その時間はない。そこで、考案したのは、山形のソウルフードを狙って味わおうというもの。いつものように、ブラブラと歩きながら、ソウルフードを求めた。
山形一番の繁華街は、山形駅から少し離れた七日町周辺。駅東側には、いわゆる飲み屋街が広がるものの、食事を取るのに適当な店は多くはない。唯一、山形駅東口に隣接するビル内に、山形のB級グルメとも言える店があったのだが、足を運んでみると他の店舗に。やむなく西口へと足を向ける。だが、迷い込んだのは住宅街。食事をするような店がありそうには見えない。どうしたものかと思案していると、なんと目の前に隠れ家的な手打ちそばの店が現れた。店の名前は「日月庵」。我ながら、自分の嗅覚の鋭さに驚いた。
山形は「そばどころ」として有名な場所。そして、今回のテーマは山形のソウルフード。お品書きを見ながらふさわしいものを捜す。チョイスしたのは、山形で愛される「冷やし肉そば」を、昔ながらの田舎そばで仕上げた「冷やし田舎地鶏(10割)そば」(1000円)。ほどなく運ばれてきた器を両手で抱えて、まずはつゆを味わう。あっさりとしていて、それでいて地鶏から取った出汁が効いたコクのある味わいが心地よい。そして田舎そば。太く、噛みごたえがあるそばは、ツルツルとたぐるわけにはいかないが、口に運んで噛みしめれば、山形県オリジナル品種「出羽かおり」の香りが広がっていく。噛みしめるほどに旨味が出てくる地鶏も美味。納得の一品だった。
空腹を満たして次に向かったのは「日月庵」のほど近くにある「おやつ屋さん」。これを喰わずして山形のソウルフードは語れない「どんどん焼き」の専門店だ。店の前には老若男女が列を作っており、さらに次から、次へと人がやってきて、その列は途切れない。中には、車で乗りつけて何本も買っていく人もいる。さすがは山形ソウルフードの王様だ。
作り方はいたって簡単。鉄板の上に小麦粉を溶いたものを長方形に広げ、魚肉ソーセージと焼きのりを乗せる。程良く焼き上がったところで、割りばしを添えてクルクルと巻き上げれば出来上がり。濃い口ソースをたっぷりと塗って、もちもちとした食感と一緒に楽しむのが王道だ。しかもボリューム満点。これが150円と言うのだから嬉しくなる。
そして、山形ソウルフードの締めは、もちろん「いも煮」。田舎そばを食べ、特大どんどん焼きを食べ、お腹はかなり一杯になっていたが、これを食べないわけにはいかない。NDソフトスタジアム山形でメディア受付を早々に済まし、いも煮を売っている売店へと駆けつける。具だくさんの野菜と牛肉から出た出汁に醤油で味付けをした汁は、お母さんと言うよりも、おばあちゃんの味を思い出させるホッとした味。そして、メインの里いもにかぶりつけば、ホクホク、ねっとりした食感とともに、体が芯から温まっていくのを感じる。スタジアムの飲食コーナーで食べるだけでも、こんなに美味しいのだから、河原で本格的に「いも煮会」をしたら、一体、どれだけ美味しいのだろうと思う。いつかは必ず、仲間と一緒に「いも煮会」をやってみたいものだ。
さて、山形での滞在時間は試合取材を含めて9時間ほど。短い時間だったが、それでも山形ソウルフードを十分に堪能できた楽しい旅だった。
以上
2013.10.15 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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(C)中倉 一志
「冷やし田舎地鶏(十割)そば」(1000円)。太くて噛みごたえのある田舎そば。噛みしめると、そばの香りが口いっぱいに広がっていく。
(C)中倉 一志
住宅街にひっそりとたたずむ「日月庵」。6〜7人が座れるカウンターと、6〜8人用の小上がりがひとつだけの小さな店だが、手打ちそばの味は確かだ。
(C)中倉 一志
「おやつ屋さん」のどんどん焼き(150円)。見よ、このボリューム。これで150円。
(C)中倉 一志
店には行列が絶えず。車で乗りつけるお客さんもいた。
(C)中倉 一志
「いも煮」を食べずして山形のソウルフードは語れない。いつかは河原で「いも煮会」をしてみたい。
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