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【第93回天皇杯 3回戦 長野 vs 北九州】レポート:苦境を救ったのは、GK諏訪の思い切りの良さと、選手を後押しし続けた12番目の選手たち。PK戦までもつれた試合は、長野が北九州を退け4回戦進出!(13.10.14)

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北九州のスタメン発表に驚いたのは、私だけではなく、北九州のサポーターたちもだろう。直近のリーグ戦から、8人もの選手を入れ替えて来るとは正直思わなかった。ただ、今週始めに行われたトレーニングマッチで、動きの良かった選手が起用されたのは間違いない。その起用について柱谷幸一監督も「直近の練習で調子のいい選手を使い、リーグが終盤になってきて、やれないわけではないがケガのある選手もいるので、総合的に判断して選んだ」と試合後の記者会見で説明。出場した選手たちに、一定の評価を与えていた。

ただ試合開始から、運動量も連動性も上だったのは明らかに長野だった。3トップの頂点に立つ宇野沢祐次を起点に、両ウィングの田中恵太と佐藤悠希がサイドから仕掛ければ、その2人を追い越して攻撃参加する、両ウィングバックの西口諒と高野耕平。バランスを取りながら攻守に貢献した、有永一生と大橋良隆のダブルボランチ。体を寄せ、最後まで足を伸ばして良いシュート体勢にさせなかった、川邊裕紀と大島嵩弘、松原優吉の3バック。この10人のフィールドプレーヤーたちは、面白い様にボールを繋ぎ、そして北九州ゴール近くまで襲いかかったが、キャプテンの宇野沢が「相手が良くて、上手く行かなかったというよりは、自分たちのミスの部分があった」と反省した様に、最後のパスとシュートの精度が悪く、ゴールを割れない時間が続いてしまった。助かった形だった北九州の方は、選手個人個人の動きは良かったものの、攻守両面において「同じ絵を描いていた」とは言い難く、ゴールを脅かす場面さえも作れなかった。

それでも北九州は、攻撃的なカードを早々と切って、力業でも良いので勝利に持ち込もうとしたが、長野の集中力は切れることは無かった。

流れが変わったのは、後半もアディショナルタイムに入った時だった。長野の大橋がこの日2枚目のイエローカードを貰い退場。そして90分を終える笛が主審から吹かれ、延長戦の30分を長野は10人で戦う事になったのだ。
数的優位を生かすため、延長戦の30分で長野に引導を渡そうと、北九州は最後のカード渡大生を投入。最初の10分は猛攻を仕掛け、システムを4−4−1に変更して、何とか凌ごうとした長野。試合序盤から動き続け、延長戦に入っての10人の戦いは苦しいものだったが、その選手たちを後押ししたのが、遠く長野からホームの様な声援を送り続けたサポーターたちだった。「多くのお客さんが、本当に長野から駆けつけてくれて、後押ししてもらっていた。遠い長野に負けて帰す訳にはいかないと思っていた」と、守護神の諏訪雄大も必死のセービングでゴールを死守。時折カウンターを仕掛けながら、長野は延長戦を守り切った。

120分で決着がつかなかった両雄の対戦は、PK対決に委ねられた。試合が終わった後、PKは得意ではないと言った諏訪は「思い切り飛んだら良いよ」のアドバイスそのままに2本のシュートを止め、ヒーローになった。長野は最後は苦しんだものの、4回戦の切符を全員で掴んだが、「今日のゲームは、あんまり納得出来るゲームじゃなかった」(宇野沢)とキャプテンは全く笑顔は見せなかった。それはまだまだ自分たちがやれるという自信から来るものだろう。長野の、Jへの挑戦の道はまだまだ続く。

敗れた北九州は、福岡とのダービー敗戦、天皇杯敗退と嫌な連敗を喫してしまったが、リーグ戦で出場機会のなかった選手たちが、今回の天皇杯から何を得て、残り僅かとなったリーグ戦に向けて、どう取り組むかによって、チームの本当の底上げが始まる。1つでも上に行きたいと思わせてくれるプレーを、北九州のサポーターは期待している。

以上

2013.10.14 Reported by 坂本真
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