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【第93回天皇杯 3回戦 広島 vs 熊本】プレビュー:天皇杯対J2戦3連敗中の広島。強い気持ちを以て、熊本に挑戦。(13.10.14)

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2009年にJ1復帰を果たして以来、広島は残留争いとは無縁だ。4位・7位・7位・優勝、そして今季も優勝争い。10月19日には横浜FMと首位決戦を戦うことができる。幸せなことだ。

だが、その前に広島には、大きな試練が待つ。天皇杯・熊本戦である。
1992年のクラブ創設以降、準優勝4回・ベスト4が2回と、広島はむしろ天皇杯は得意な大会だった。特に2007年は劇的。J1・J2入れ替え戦から1週間後、降格決定の衝撃を振り払うかのような森崎浩司のFKによる2点で磐田を下し、さらにF東京・G大阪にも勝利して、決勝に進出。国立では鹿島に膝を屈したものの、この快進撃によってチーム残留を決意した選手もいた。クラブの歴史上、この天皇杯は一つのハイライトと言ってもいい。

しかし、リーグでの戦績が安定化するのと反比例して、天皇杯で広島は勝てなくなった。しかも、J2クラブに対して3年連続敗戦という屈辱。2009年は終了間際にハーフナー・マイク(現フィテッセ)の決勝弾を浴びて敗戦。2010年の福岡戦は常に先行される展開。高萩洋次郎・槙野智章(現浦和)のゴールで2度、同点に追いついたものの、延最後はPK戦によって敗退する。そして2011年は、23本のシュートを愛媛に浴びせたにもかかわらず無得点、86分の石井謙伍のゴールに沈んだ。昨年は地域リーグの今治FCに敗れ、J2への「挑戦権」すら、失ったのだ。
敗戦には当然、様々な理由はある。GKを含めた考えられないミスが失点に直結した。守りを固めた相手を上回る攻撃力を発揮できなかった。主力がケガや代表で不在だった。だが「下のカテゴリーのチームに対する敗戦」という結果の前には、全てがむなしく聞こえてくる。

まして熊本は、2008年のJ2での対戦時、おおいに苦戦した相手である。2-1、2-2、2-1。広島が2勝1分と熊本に負けていないとはいえ、内容的には熊本の力感あふれる守備と鋭いカウンターが常に紫の戦士たちを追いつめていた。特に第9節、広島対熊本の初戦で二つの「幻のゴール」のどちらが認められていれば、あるいはPKによる先制点がなければ、結果は全くわからなかった。この試合の直後、ミックスゾーンで森崎和幸が「こんな試合を続けていれば、いずれ勝てなくなる」と激白。それが、中2日で行われた次の徳島戦での「広島革命」につながったのは、多くのサポーターにとって伝説である。

もちろん、当時と比べれば、広島も熊本もその陣容は変わっている。ただ、熊本は当時の監督である池谷友良氏が今季、再び指揮官として復帰。2008年当時も、広島の特徴を細かく分析し、強みを消す戦術を構築してきた池谷監督は、明日の試合でも当然、同様の戦略でくるだろう。まして、当時と違って今は「広島対策の方程式」は何種類も構築され、参考資料は溢れている。しかも、熊本のフォーメイションは広島と同じ3-2-4-1。ミラーゲームを仕掛けられた場合の「広島苦戦確率」が高いこともまた、よく知られているとおりだ。

J2残留に向けての重要な一戦だった対富山戦でも、熊本はハードな守備で我慢強く戦い、セットプレーとカウンターで見事に2点を奪いきってみせた。特に2点目、強烈なドリブルで右サイドを切り裂き、そこから一気に切り込んで強烈なシュートを叩き込んだ大迫希の破壊力は、広島にとって要注意。ここ5試合で3得点を叩き込んでいるサイドアタッカーに対してスペースを与えるようでは、苦戦は免れまい。まして熊本には、22歳の大迫をはじめ、U-20日本代表の橋本拳人(ケガのため出場できるかどうかは不明)など有望な若手がいる一方で、南雄太・青木良太・養父雄仁らJ1での実績を持つ選手たちが健在。藤本主税・北嶋秀朗といった、今季負傷で苦しんだビッグネームたちも、特別な気持ちを持って昨年のJ1王者・広島に挑んでくるはずだ。

その強い気持ちが、どれだけ選手たちを動かすか。それはJ2時代の2008年、J1で優勝を争っていた川崎Fに天皇杯で完勝した広島自身が、よく理解しているはず。水戸在籍当時、天皇杯でG大阪に勝利した経験を持つ塩谷司も「J1で優勝を争っているチームと戦うことって、そう滅多にあるものではないから。『絶対に食ってやる』『アピールしたい』という強い気持ちが、選手を動かすものです」と、J2 がJ1に対して戦う時のモチベーションの高さを指摘した。

熊本の闘志の存在は、疑いない。まずその気持ちを上回ることが、広島にとっての「鬼門突破」の第一歩。「自分たちはJ1なのだから」などというプライドは、明日は邪魔になるだけ。現時点でプレーできるベストメンバーをそろえ、泥臭く走り、球際を激しく戦う、広島のサッカーを体現することだけを考える。「全ての試合で、常に全力を発揮するだけ」。塩谷の言葉が、広島の決意である。

以上

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決戦前に、“勝利”への熱い想いを投票しよう!
現在(13日13:08時点)の状況は、広島 81492票 vs 121121票 熊本
投票はコチラから!!
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2013.10.13 Reported by 中野和也
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