●手倉森誠監督(仙台):
「試合の結果が0-0で、シュート数も5本と5本。本当に互角の戦いだったと感じています。
今日のゲームにあたって、『お互いにとっての正念場だ。横浜FMは優勝への確信を勝ち取りたいゲーム、我々は優勝の可能性を高めたいゲーム。そういうゲームになれば、緊張とプレッシャーの中で戦わなければいけない。ただし、自分達は勝つことで詰めることができるし、優勝の可能性が高められる状況なので、思い切って戦えるシチュエーションは我々にある』という話をして挑ませました。
ゲームは本当に一進一退で、主導権があっちにいったりこっちにいったりと目まぐるしく変わるゲーム内容で、何かのタイトルを争っているかのような今日の一戦でした。そういう意味ではレベルの高いゲームを、今回の首位相手にベガルタの力を示せたのではないかと。勝点3を取って詰められれば、それはもう最高の結果でしたが、負けなかった、分けたということを考えたときに、こういう戦い方をこれからも継続してやっていければ、ここからまた順位を上げられるだけの力はあるだろうと自分達は示せたと思います。
ホームで勝てなかった悔しさというものを、10月からの戦いにしっかり注いで、今の首位の横浜FMを相手に直接縮めることはできませんけれど、7試合あれば何が起こるかわからないと信じて、残りの7試合を全部勝てるように頑張っていきたいと思います」
Q:両チームともボランチのところでのバランスが崩れなかった固い試合でしたが、中盤のゾーンの攻防で気をつけていたことを教えてください。
「中町選手、富澤選手、富田、角田はみんな顔見知りでした。お互いのスタイルをよく理解し合った戦いの中で、やはり小さい隙をお互い突き合うような戦いしかできない、と。そのタクトを振るうのは中村選手になるわけで、そこに対して我々の中央のダブルボランチもすごくいいプレッシャーをかけてくれたと思うし、逆にいえばウイルソンにおさまったところも富澤・中町選手といったふたりがプレスバックをして頑張っていたというとことで、お互いに手堅いゲームでした。
それを覚悟した中で、本当にリスタートとカウンターがゴールを生むだろうというねらいでやっていたのですが、最後まで集中していたぶん、こういうゲームになったのだと思います。
本当に、お互いにやるだけのことを今回はゲームでやった結果、分けたのだろうなと思います。自分のこのゲームの反省点としては、最後に菅井が足をつって、ようやく90分もつかどうかというところに戻った中で、最後にノリ(石川大徳)を入れたぶん、もちろんそこでチャンスをひとつ作りましたけれど、最後のセットプレーのところでノリの高さではなく中原で、という、セットプレーがあることを信じてもう少し何かができたかな、と思います」
Q:首位攻防戦のようなハイレベルな試合でしたが、追う立場としては分けたことで差を縮められなかった悔しさもあると思います。この勝点1を3にするために今日足りなかったことは?
「いろいろ、しかけの部分でバリエーションを持たなければいけないとおそらくお互いに感じたゲームだと思いますけれども、もっとウィーク(ポイント)の部分をしつこく突いたらよかったとは思いました。後半に、サイドを起点にして攻め込めたときに、もちろん相手にカウンターのチャンスを与えられたかもしれませんけれども、少し可能性があるような部分というものを、ボックス内まで、ドリブルやパスというもので進入できたところは後半の方が多かったのですから、そこを前半からやり続けられれば、後半にもう少し穴が空いたのかなとは感じました。
もう少しウィークを突き続けるしたたかさというものは、これからの対戦相手をスカウティングした中で、探してやり続けていきたいと思います」
Q:赤嶺選手を入れた後の変化についてはどう思いますか?
「ダブルボランチの背後で、ウイルソンや柳沢がおさまりつつあるなかで、ちょっと我々のDFが弾いたところのボールがじょじょにおさまりが効かなかったときに、赤嶺が出て、競り合いのこぼれ球をウイルソンに渡そうとするというプレーで、相手のディフェンスラインを少し押し下げることができたのかな、と思います。
そこにできるスペースを、中列で佐々木勇人が前向きでボールをおさめられたというところの効果にはつながったのではないかと思います」
以上
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