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【J1:第26節 大宮 vs 仙台】プレビュー:残り9試合、浮沈を占う重要な一戦。ロングボール警戒の大宮に、仙台の対策返しは?(13.09.21)

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リーグ戦も残すところ9試合。後半戦突入以降、上位陣が思うように勝点を伸ばせていないことから、優勝争いはある程度絞られた感はあるが、ACL圏争いは混沌としている。勝点41の4位・鹿島から勝点35の13位・清水まで、勝点6差の中に10チームがひしめいている。勝点44の3位・広島が3連敗と失速しているし、4位にも天皇杯の動向次第でチャンスはあるため、そこがこのグループの現実的な目標だろう。大宮は勝点39の7位、仙台は勝点36の9位。大宮は勝てば一気に4位浮上の可能性があり、仙台も大差を付けて勝てば6位まで躍進できるかもしれない。「上とは離れていないし、下もダンゴ状態。何としても上に食らいついていきたい」(渡邉大剛)、その状況で、大宮はホームNACK5スタジアムに仙台を迎える。

互いに直近の2試合は対照的な出来だった。大宮は前々節に首位・横浜FMに対して4-1-4-1のフォーメーションで守り勝ったが、前節は新潟戦で4-3-3が攻守に機能せず、80分まで1本のシュートも撃てずに0-1で敗戦。かたや仙台は、前々節の湘南戦で2得点しながら堅守を誇るチームが珍しく3失点を喫して敗戦したが、前節では大分を相手に攻撃陣が爆発し6−0の大勝。大宮・小倉勉監督、仙台・手倉森誠監督、ともに綿密な分析から相手のウィークポイントを突き、自らのストロングポイントを押し出す戦術家だけに、互いにそこから相手チームの状況をどう読み取って対策するかが注目される。

大宮はノーマルな4-4-2の布陣に戻す見込みだが、前半戦とは多少顔ぶれが異なる。センターバックはニールと菊地光将がコンビを組み、高橋祥平が一列上がって青木拓矢とダブルボランチを組みそうだ。小倉監督はボランチとしての高橋について、「対人の強さと、パス供給に良さがある」としている。ここ2試合、4-1-4-1と4-3-3ではアンカー役を務めていたが、ダブルボランチの一角となると青木はもちろんサイドハーフ、サイドバックとの連携に不安はある。それでも、本職センターバックらしい高い守備力に加え、グラウンダーの縦パスや長いサイドチェンジを、強気に、正確に蹴ることができる高橋の能力に指揮官は賭ける。

またこの起用には、「ロングボールをどんどん蹴ってこられて、セカンドボールにガツガツ来られたところで劣勢になってしまった」(今井智基)、前半戦での教訓も反映されているはずだ。ロングボールに対してニールと菊地のはね返す力は相当に強いし、そのセカンドの奪い合いに、闘争心あふれるプレーが持ち味の高橋の存在が心強い。またロングボールで押し込んだ勢いのまま仕掛けてくる仙台のハイプレスに対しても、「近くでつないでミスして奪われるより、一つ飛ばすパスを意識したい」(渡邉)。その「一つ飛ばすパス」に、ニールと高橋のフィードの上手さが生きてくるし、ハイプレスを回避すればズラタンとノヴァコヴィッチの2トップが、仙台守備陣の薄い有利な状況で勝負できる。そこにチョ ヨンチョルと渡邉らサイドハーフがいかに絡めるかがポイントだ。

一方、手倉森監督がリオデジャネイロ五輪を目指す日本代表監督就任か?とのニュースで揺れる仙台だが、担当の板垣晴朗氏によると、「まあ外野は賑やかに騒いでますけど、チームは淡々とというか、大宮が4-1-4-1で来ても4-3-3で来ても対応可能なように、いつも以上にいろいろやってます」という。当然だが細かく教えてはもらえなかったし、おそらく大宮は4-4-2なのでこちらも詳しくは聞かなかったが、そこまで対策をしているという事実に少なからず驚いた。

問題は、前半戦で効力を発揮したロングボール戦術を、仙台が踏襲するかどうか。大宮がロングボールを予想して対策をしてくるとなれば、カウンターとポゼッションを使い分ける正攻法で崩すことも考えられるし、一方、ロングボールからのセカンドボール勝負こそ仙台のストロングポイントであり大宮の弱点だと見れば、後半戦でもその再現をねらってくるだろう。

その意図は仙台のスタメンに表れるはずだ。ロングボールで来るなら、このところ不調からベンチを温める機会の多かった赤嶺真吾がFWに入り、角田誠を一列上げて富田晋伍とのダブルボランチでセカンドボール奪取戦を展開するだろう。正攻法であれば角田をセンターバックに下げてボランチには松下年宏が入り、昨年の大宮ホームでの試合のように、サイドハーフの裏に起点を作ってそこから崩してくるだろう。いずれにしても、左サイドハーフに入る梁 勇基が仙台のキープレーヤーになりそうだ。

大宮にとって仙台戦は、2010年以来リーグ戦では1勝1分5敗と圧倒的に分が悪い。今年もアウェイの前半戦では1-2の敗戦を喫し、21戦続いた不敗記録を途絶えさせられている。「その相手に勝つことで、チームが良い方向に向いていく、そういう節目の試合にしたい」と、小倉監督は静かに胸中を語った。残り9試合、浮かぶか沈むか――。互いにとってそれを占う大事な一戦だ。

以上

2013.09.20 Reported by 芥川和久
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