首位の横浜FMは、リーグ戦ここ2試合で1分1敗と足踏み状態が続く。それでも前節は2〜4位チームが揃って敗れたため、平穏無事に1位のイスに座っていられたが、気が気でないはず。やはり自らの手で白星を挙げなければ、首位のイスに落ち着いて深く腰を掛けて座ることはできないだろう。そのため今節は、選手たちの勝利に対する執着が強い。
「清水戦は前回大勝したし、いろんなポジティブな要素がある。当然、全部の試合で勝点3を狙って戦うけど、特に今節は絶対にそれを取らなければいけないと思う」。小林祐三は顔を引締め、そう言った。
小林が話した前回の清水戦とは、3月9日の第2節。結果は5−0。マルキーニョスがハットトリックを達成した試合である。清水にとってはホームで、この上ない屈辱的なゲームだった。この時のオレンジ戦士たちは、「若さ」が悪い方へと出たという印象がある。ボールポゼッションする横浜FMに対し、各自が必死に守ろうとするのだが、チーム全体としてボールの奪い所が定まっておらず、守備のギャップを容易につくってしまった。その最たるシーンが2点目だろう。ギャップを見逃さずに裏に抜けた兵藤慎剛は、富澤清太郎がきれいに通した縦パスを受けてゴール。その後、若手主体のチームは立て直す術を知らず、失点を重ねてしまった。
とはいえ、それも半年も前の話。今夏に清水はラドンチッチ、大前元紀、本田拓也の3人が加入&復帰。相乗効果で「若さ」も良い方向へ転がり出している。高木俊幸が23節・鹿島戦でハットトリックを記録、次節・大分戦(3−2)も1ゴールを決めた。前節は9戦無敗だった難敵・名古屋に対し、「年齢はこっちが若いから、走り勝てるだろうとは思ってました」(河井陽介)と最後までフレッシュさを保ち、アデショナルタイムに大前が決勝点を挙げ逆転勝利。今季初の3連勝で自信を得た若きチームは、前回戦った時とは別のチームになっている。
勝敗を決める焦点になるのは、横浜FMのトップ下・中村俊輔、清水のアンカー・村松大輔との1on1だと推測する。ポジション的に必然的に対峙する2人だが、村松はよりマンマーク気味に中村を見張るかもしれない。なぜなら、24節で大宮は高橋祥平が、その翌週のヤマザキナビスコカップ準決勝で柏は大谷秀和が“中村番”の特命をこなし、それにより横浜FMは攻撃の機能不全を起こし、連敗した前例があるからだ。
ただ、その2試合では、本来スタメンの富澤が不在だった影響もあったと思う。富澤が先発復帰した前節C大阪戦は、同じボランチの中町公祐を、富澤が絶妙な距離感で後ろからサポート。その分、中町は高い位置に上がれ、中村をサポート。そのため中村が相手包囲網にかかり詰まったとしても、中町がタクトを振るい、主導権を握ることができた。
中盤のトライアングルが機能し、トリコロール軍団がいぶし銀の輝きを放つのか。それとも村松が中村を完封し、ヤングオレンジ軍団が旋風を起こすのか。前節の先発メンバーの平均年齢が6.54歳差だった両雄が、真っ向からぶつかる!
以上
2013.09.20 Reported by 小林智明(インサイド)
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