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【J1:第25節 川崎F vs 広島】プレビュー:広島が固い守備ブロックを作るなら「ミドルでしょ」(大久保嘉人)。細かいパスワークとの使い分けで、勝てていない広島からの勝利を狙いたい(13.09.14)

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風間八宏監督と広島との対戦成績は悪い。就任初戦となる2012年の8節の対戦以降、これまでに3試合を経験して3戦全敗。4失点が2試合。3失点が1試合と大量失点を喫している。広島は昨季から指揮を執り始めた森保一監督が、ペトロヴィッチ前監督のサッカーに守備の約束事を徹底。それがチームスタイルにマッチし、昨季はリーグ制覇を成し遂げている。そうした守備を疎かにしない戦いぶりが川崎Fにとっては悪い方向にハマってしまっているように見られる。

川崎Fにとってポイントとなるのが相手の手堅い守備である。川崎Fは湘南や甲府、先日行われたヤマザキナビスコカップ準決勝浦和戦の前半のように守備を固める相手に苦戦してきた事実がある。局面の1対1で相手を攻略しながらボールを前に運ぶ川崎Fのサッカーは、スペースを埋めてくる相手とはまだそれほど相性が良くないのである。もちろん、広島が常に引いて守り続けるというわけではない。最終ラインでボールを繋ぐ相手には前からの守備を試みるが、時間がかかるようであれば素早く帰陣して、守備ブロックを構築してくる。

中村憲剛はそうした広島のスタイルについて「自分たちが使いたいスペースを全員で埋めようというサッカーをしてくる」と表現。「(川崎Fが)案外後ろで持てちゃうからそこで時間をかけてしまう。そうすると、相手に的を絞らせてしまう」と分析している。少しでも時間をかけると、ゴール前にガッチリと鍵をかけた状態に持ち込まれ、パスコースを消すことで守備のポイントを絞られてしまうのである。そして、そうした状態に持ち込ませないためにも「ワンタッチツータッチでどんどんボールを動かして、一人が持つ時間を短くする」必要があると話す。

状況に応じてゴール前を固める広島に対する対抗策については大久保嘉人は「ミドルでしょ」と発言。最近連発しているミドルシュートを完全に自分のものにしたようで、引かれた相手に対するセオリーとしてミドルシュートを狙うと述べていた。もちろんそんな大久保のミドルはすでに警戒リストの上位に入っているはず。ただ、それによって広島の守備陣が大久保に対応するエリアが広がるのであれば、それだけ周りの選手がフリーになりやすくなるということでもある。ここまで18ゴールを積み重ねてきたという実績を含め、大久保がこの試合のポイントになるのは間違いない。

アウェイの等々力に乗り込んでくる広島は、悪い流れを断ち切るためにもどうしても勝たなければならない試合である。23節甲府戦、24節F東京戦での2連敗に加え、引き分けた21節の名古屋戦、22節の大分戦の2試合を加えると4試合連続で勝ち星がない。一時は首位にも立っていた広島はこれで3位にまで順位を下げており、首位横浜FMとの勝点差は3となっている。そんな広島の特徴として真っ先に挙げられるが佐藤寿人であろう。たとえば中村は「(抑えるべきポイントは)分かりやすく寿人でしょうね。彼に点を取らせなければ。さんざん取られてるからね」と警戒。大久保と得点王争いの只中にいるという意味でも、佐藤に仕事をさせてはならないのは間違いない。そういう意味で、中盤から素早く急所を突く縦パスを入れてくる青山敏弘の存在は見逃せない。どれだけ深い位置に居ても、前を向くや否や佐藤のポジションを確認し、正確なパスを通す。彼からの長いパスには注意が必要であろう。左右のサイドからは清水航平やファン ソッコといった選手と中盤の選手とが連携しての攻撃があり、また最終ラインにも攻撃力を持つ塩谷司が控えており、警戒すべきポイントは多い。

なお、この試合では2列目の石原直樹が累積警告のため出場停止となっており、彼の穴をどう埋めるのか注目される。

最後になるが、特徴的な攻撃を仕掛けてくる広島や浦和に対して風間監督は3バックと4バックを併用して戦いを工夫してきた。ただ、3にも4にもそれぞれ長所と短所があり、結局のところやるのは自分たちだという考えが選手たちには芽生えている。先日行われたヤマザキナビスコカップの浦和戦では、3バックでスタートしたフォーメーションを後半途中から4バックに変更して川崎Fはペースを掴んだ。広島との15節での対戦時には、4バックで試合をスタートさせ、後半から3バックに変更して一時は2点差を追いついている。

広島と浦和とチームは違うが戦い方の特徴は似ており、比較の対象としているのだが、風間監督はこの両チームを相手に3と4とを使い分けてきた。そして、それぞれに結果を出して来ている。そういうことを考えると、この試合では、ヤマザキナビスコカップ浦和戦の流れを重視し、4バックが有力なのかもしれない。もちろん試合が上手く進められないようであれば、3バックに変更すればいいだけだ。

今季の目標をACL圏内に定める川崎Fにとって、勝点8差の3位につけるこの広島との一戦は、上位陣との差を縮めるためにどうしても勝たねばならない試合である。等々力での試合だという点を含め、是が非でも勝利したい戦いである。

以上

2013.09.13 Reported by 江藤高志
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