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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【J2:第31節 熊本 vs 北九州】プレビュー:気持ちも新たに臨む、北九州との再試合。総力を注ぎ込んで勝点差2をひっくり返す――それが熊本のミッション。(13.09.04)

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8月25日に中止となった第31節の熊本対北九州のゲーム。この扱いについて翌26日、Jリーグから90分の再試合を9月5日に行うことが発表された。まずは当日の状況と中断から中止に至った流れを振り返っておこう。

この日は未明から雨が降り続き、試合前にも激しい雷雨に見舞われた。観客に対してコンコースへの避難を促すアナウンスが流れる等、一時は開催の可否が検討されるほどの悪天候。しかしその後雷雨はおさまり、「ウォーミングアップを見たらボールもしっかり動いてた」と北九州・柱谷幸一監督が話したように、ピッチにも大きな影響はなく、予定通り19時に試合開始を迎えている。
熊本のキックオフで始まったゲームは、立ち上がりに北九州が主に左の森村昂太を起点にチャンスを作ったが、その後15分頃から熊本も徐々にボールを動かして流れをつかんだ。しかし守備から攻撃に切り替わった際のミスが目につき、チャンスを潰す場面も頻発。対して北九州は、熊本のパスワークにアプローチが遅れ気味になっていたが、最終ラインと中盤でしっかりと2ラインを作ってスペースを消し、網に入ってきた所で人数をかけてボールを奪うと、狙いをハッキリ持った出足の速いカウンターを展開。高い位置でポイントが作れずに厚みを出せない中、30分、宮本亨から池元友樹とつなぎ、最後は小手川宏基が右足でファーサイドに沈めて先制した。一方、熊本は前半終了間際の45分、藤本主税のパスを受けた初先発のドゥグラスが左足で流し込み同点。ボールを保持しながらもペナルティエリア内を崩せていなかったが、リスタートの流れから深い位置まで入り込めたことが得点につながった。

後半になって再び降り始めた雨が徐々に激しさを増すと、雷鳴が聞こえた65分の時点で東城穣主審は即座に試合を中断、選手たちを引き上げさせた。それからも雷は止まず、結局30分後に中止と決定。この時点でのスタッツをみるとシュート数は熊本が10本、北九州9本、コーナーキックは4本ずつとほぼ互角である。ただ後半の流れとしては「少し優位にボールを動かせていた」(熊本・池谷友良監督)。中止が発表さると熊本の選手たちはピッチへ出てスタンドへ挨拶に向かったが、直後に出て行くことができたのはおそらく、再開に向けた心身の準備ができていたからだろう。

結果として90分の再試合となったことでドゥグラスのJリーグ初ゴールは記録に残らないが、「残り25分で点の取り合い、攻め合いになるより、仕切り直してやれる」(池谷監督)のは、ドゥグラスのゴールで同点に持ち込めていたからこそ。ただ、この時先発していたウーゴが一時帰国、吉井孝輔は負傷離脱(試合中の接触で頸椎捻挫と診断された)、さらに32節京都戦で受けた警告の累積で矢野大輔が出場停止となるなど、状況は変わった。京都戦から中3日と日程的にタイトになった影響も、コンディション面では小さくない。
しかし条件は北九州にとっても同じだ。32節の神戸戦は結果的に敗れたものの、「カウンターとボールポゼッションを使い分けて攻撃する中で、ボランチを経由して間でボールを受けたりする部分に関しては、相手を上回る攻撃もあった」と柱谷監督が述べたように、内容的には互角の展開に持ち込んでいる。ただ、「最後のちょっとしたクオリティで、まだ足りない部分を感じる」とも話すように、勝ちきるための最後の精度が課題。再試合ではボランチの新井純平が出場停止となるが、お互いに新しい選手が入ることによって生まれる変化がどう作用するかが、見どころの1つになる。

熊本にとってのポイントは、65分間の中で見えた問題、例えば「サイドのMF2枚がボランチの後ろに入るとマークを取りづらく、相手のペースになっていた」(原田拓)といった中盤の対応の修正と、攻撃の質の部分だ。特に攻撃に関しては、北九州の整ったラインをどう崩すかが大きなテーマ。この数試合でボールを握る時間は確かに増えているが、「大事にしすぎたり、1つ余分なパスが入ったりで、シュートが少ない」(池谷監督)のも現状。こうした点と京都戦での反省も踏まえ、ボールを奪ってからのつなぎをミス無く前に運びつつ、「撃てる場所、状況ならシュートを意識すること」(齊藤和樹)が求められる。当然、北九州の鋭いカウンターの勢いを削ぐうえでも、できるだけ高い位置でボールを奪う前線からのアプローチと連動、そのための適切な距離感も必要。それらを表現する原動力として、「相手に負けないメンタル」(池谷監督)が大きな鍵となる。

幸い台風17号の影響もなく、天候も好天が予想されて環境条件は整いそうな再試合。現在の勝点差は2、つまり勝てば順位が上がるというシンプルな状況で、求められる結果はただ1つ。3日後の日曜には徳島を迎えての天皇杯2回戦が控えるが、今はこの一戦にチームの総力を注ぐだけだ。

以上

2013.09.04 Reported by 井芹貴志
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