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【ヤマザキナビスコカップ 仙台 vs 川崎F】レポート:「攻めながら守る」ことができなかった仙台、クラブ史上初の準決勝進出ならず。川崎Fはカウンターのチャンス生かしベスト4へ。(13.07.01)

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仙台の「攻めながら守る」プランは、10分に崩れた。
仙台はJリーグヤマザキナビスコカップ準々決勝第1戦を1-2で落としていたために、クラブ史上初の準決勝進出を果たすためには、無失点での勝利か2点差以上での勝利が必要だった。

手倉森誠監督はアウェイでの第1戦で守備重視のプランを「守りながら攻める」という表現で実行したものの、ボール支配がシュートに結びつかないうちにカウンターから失点を許した。その反省も合わせて、ゴールが必要な第2戦では「攻めながら守る」と、攻撃重視のプランで川崎Fに挑んだ。

立ち上がりは仙台にとって理想的な展開だった。開始1分に梁勇基がこぼれ球を拾ってゴールに迫った場面をはじめとして、高い位置でのボールカットから川崎Fのスペースを突く。そして4分にウイルソンが右サイドでボールを受けると、中澤聡太をワントラップでかわして中央へダッシュ。左足で杉山力裕の手の届かないコースに蹴りこみ、これが仙台の先制点となった。

仙台にとって悔やまれたのはこの後だった。1-0で逃げ切るのか、それとも点差を広げて余裕を持つために、2点目を狙うのか…ここでピッチ上の選手たちは攻撃的な位置取りを維持していたために、立ち上がりからカウンターのチャンスをうかがっていた川崎Fに、そこを突かれてしまった。

前半の川崎Fで仕上げ役となったのは、中村憲剛だった。日本代表の試合からチームに戻ってまだ数日だが、風間八宏監督は中村の先発起用を決断。トップ下に配置された中村は、大久保嘉人のボールキープに見事呼応する動きで仙台守備陣を脅かす。10分には「声をかけ合っていれば防げた失点。勿体なかった」と石川直樹が振り返ったように、中村が大久保からのパスを受けながらディフェンスラインの裏へ抜け出す。中村はオフサイドにかからなかったばかりか、GK桜井繁との一対一も冷静に制して同点弾を流しこんだ。
さらに前半も終わり頃、仙台が盛り返してきたところの41分。中村は大久保、レナトとつないだボールを思い切り蹴りこみ2点目を奪取。これで川崎Fが逆転した。

仙台にとってはこの試合で逆転されたということ以上に、準決勝進出のためには3点が必要な事態に追いこまれたことが大きかった。「延長はない。3点取るためにしかけていこう!」とハーフタイムに指示を出した手倉森監督は角田誠を最終ラインに下げて、攻撃的な松下をボランチに投入するシフトで3点を狙う。

しかし50分に川崎Fは前がかりになった仙台の裏を再び突き、森谷賢太郎のゴールで追加点。ますます仙台は追いこまれた。ホーム・ユアテックスタジアム仙台の大声援に押されてその後の時間は大攻勢を見せ、武藤雄樹や佐々木勇人といった途中出場の選手もチャンスにからむ。しかし反撃は連続攻撃で奪った68分のウイルソンのゴールに止まった。
「比較的早い時間に取られて、こちらから追いかける展開は向こうにとって嫌なものだったと思います」。先制されても焦らず、中盤でチームを落ち着けた稲本潤一は振り返った。第1戦に続き、カウンターで相手の隙を的確に突いた川崎Fの完勝だった。

仙台にとって初の準決勝進出はならなかった。「2点を決めたことの嬉しさより、先に進めない悔しさの方が大きい」というウイルソンの言葉がチームの気持ちを代表している。攻めることはできても、その際の背後の守りで安定感を欠いたことが響いた。ヤマザキナビスコカップというひとつの目標が消えてしまった悔しさと反省を、次の週末にはもう再開するリーグ戦に生かさなければならない。

以上

2013.07.01 Reported by 板垣晴朗
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