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【J2:第20節 徳島 vs 千葉】レポート:接戦を制し、千葉が5試合ぶりの白星。徳島は後半盛り返すもあと一歩及ばず。(13.06.23)

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43分、徳島は決定機を創り出した。ハーフウェイライン付近で千葉の縦パスをインターセプトした濱田武が素早い判断で前方の津田知宏へ繋ぐと、さらにボールは左サイドを駆け上がった柴崎晃誠へ。最後はその柴崎の柔らかなクロスにドウグラスが高いジャンプで飛び込み、頭で合わせた──。ドウグラスのヘディングは枠を捉え切れなかったが、それでもそこで見せた一連の崩しは早いテンポに乗った見事なものだったと言えよう。

ただ、最初の45分の中で徳島が得点の可能性を感じさせたのはたった一度、その場面だけ。それほど前半は千葉にゲームを支配されてしまった。
立ち上がりすぐから徳島は、千葉の非常に早いボール回しに大いに悩まされる。ほとんどをワンタッチ、ツータッチで行う千葉の選手たちへアプローチすら思うように掛けられず、奪いどころをなかなか見付けられない状態のまま何度も深い位置まで押し込まれてしまったのだ。そして20分に兵働昭弘のミドルシュートで先制されると、苦しい状況はいっそう深刻なものに。徳島の守備は、より勢いを増した千葉の展開にかなり追い詰められたと言っても過言ではない。特に左サイドは常に難しい状況を強いられていたと言えるだろう。高い位置取りでそうしたボール回しに絡み、機を見ては鋭いドリブルも仕掛けてくる千葉の右サイドバック米倉恒貴に幾度となく手を焼かされていた。

とは言え折り返した後半は、「必ずチャンスは来るので我慢強くやること」という小林伸二監督の指示に応えて徳島も徐々に盛り返していく。早めに途中投入された大崎淳矢が左サイドでいいアクセントになると、チーム全体の活性が目に見えて向上し始め、ボールの動きもスムーズさがアップ。縦パスをタイミング良く入れながらの効果的な攻めを繰り出せるようになり、ついに65分にはそのいい流れからスコアを振り出しに戻したのである。左サイドでスローインを受け、津田とのワンツーでバイタルエリア中央へ侵入した濱田がその右脇へ入り込んだ柴崎へラストパス。柴崎が絶妙のワンタッチでボールを支配下に置くと、迷いなく右足を振り抜きネットを揺らした。
これで同点。追い付いたホーム徳島がこの後ピッチ上の主導権を握り、逆転へ向けて攻撃の手をさらに強めるに違いないと観る者誰もが思ったであろう。

しかし勝負はやはり分からないもの。ようやくの同点も束の間、その3分後徳島は再びビハインドを背負ってしまう。右サイドから入れられたクロスはしっかり跳ね返したが、そのセカンドへ食らいついた大崎のクリアが寄せてきた千葉の伊藤大介に当たってふわりとゴール前へ上がり、そのボールがゆっくり帰陣しかけていたナム スンウの元へ。結果、ナムにポスト役をされる形で、そのまま走り込んだ伊藤に至近距離から蹴り込まれた。
徳島にとってはまさかの不運な失点。だが、決してそれだけで片付けることは出来ないはず。このシーンについて徳島はオフサイドを強く主張したが、伊藤に当たってボールが前方へ飛んだ瞬間、キムよりゴールに近い位置にはほんの僅かながら藤原広太朗が残ってしまっていた。確かに運がなかったのも事実だが、クリアの後きっちり揃ってラインを上げることが出来なかったことには猛省が求められよう。

こうしてまたも追う立場になった徳島は終盤に宮崎光平と高崎寛之を立て続けに投入。再度の反撃を試みたものの、結局あと一歩及ばず。3戦連続での勝点積み上げはならなかった。「試合の中でだんだん上がってくるというのではなく、初めから馬力があるというところを見せられればいいなと思いました」と指揮官は終了後会見で振り返っていたが、徳島にとってはその言葉通り、後半のような内容を前半から見せられていればと悔やまれる敗戦だったと言えるのではないだろうか。
反面、「負けはしましたが、自分たちのやるべきサッカーを見せることはできたと思います」という斉藤大介の言葉も間違いではない。千葉から主導権を奪い返した後半の戦いには確かに徳島の追求しているスタイルがにじみ出ていたし、それを体現出来た時には上位相手でも十分渡り合えることを証明したと言っていい。それだけに次節のG大阪戦が今から楽しみである。

さて、勝利した千葉についてだが、まず何より前半披露した組織としてのレベルの高さは圧巻のものであった。事実、鈴木淳監督も「前半は我々らしいゲームが出来たのかなと思っています」とコメント。それには満足感を表していたが、スリータッチ以上する選手がほとんどいないそのパスワークはJ2レベルを超えていたと言ってもきっと間違いでないだろう。
しかしながら、後半見せてしまったいきなりのペースダウンは今後に向けて少々心配されるところ。「前半のように忍耐強く繋げることが出来ればよかったのですが、相手の勢いもあってミスが出て、縦への推進力を欠いていた」と山口智も分析していたが、悲願の昇格へ突っ走るためには90分通しての安定感を如何にこれから高めていけるかがカギになると思われる。次節の相手は東京V。その部分の改善度合いに注目である。

以上

2013.06.23 Reported by 松下英樹
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