現在、Jリーグと法務省の人権擁護委員会は、子どものいじめ問題に取り組むため、連携・協力して「Jリーグ百年構想・子どもの人権プログラム」を展開している。その一環として、「みんなで人権サポーターになろう」をキャッチフレーズとした様々な啓発活動を実施しており、アビスパ福岡もこれに協力。練習を終えた雁の巣球技場でポスター作製のための撮影が行われた。
この日撮影したのは、「いじめたらいかんばい! 子どもの人権110番」のポスター。福岡法務局、福岡県人権擁護委員連合会、福岡県人権啓発活動ネットワーク協議会および福岡市が連携し作成しているもので、毎年アビスパ福岡の選手がモデルを務めて、いじめ撲滅をアピールしている。モデルを務めたのは、古賀正紘、山口和樹、城後寿、笠川永太、石津大介、金森健志、三島勇太の福岡出身の黄金の7人だ。
さて、撮影の内容は、7人が笑顔を浮かべているところを撮るというものなのだが、これがすんなりとはいかない。選手たちが一番困ったのは、肝心の笑顔を作ること。自然にしようと思えば思うほど、表情がぎこちなくなっていく。しかも、7人全員がタイミングを合わせて満面の笑みを作るのが、また難しい。
「まだ笑顔が揃ってないですよ、頑張って」(カメラマン)
「笑ってるって」(古賀)
「オレ、いつも笑顔っすよ」(金森)
「だめ。芸能人じゃないっす」(山口)
「金森っ!なんかおもしろいことしゃべれ!」(石津)
そんな選手たちに、撮影に同行した大塚唯史社長が茶々を入れる。
「石津、ガンバレ!笑顔がおかしいぞ」
「笠川、おまえは猪木か(笑)」
撮影は約30分間。笑顔を作り続けてこわばった頬をさすりながら「みんないい笑顔で撮影できました。きっと、いじめが撲滅できると思います。アビスパも、みんな仲良く楽しい毎日を送っています。みんなも楽しく学校生活を送りましょう」と話してくれたのは笠川。その言葉が、多くの人たちの心に響くことを願うばかりだ。
なお、作成されたポスターは、県内(一部地域を除く)の小・中・高校・特別支援学校などに掲出される。
そして、撮影を見守っていた大塚社長は次のように話す。
「スタジアムで試合をするだけではなく、自分たちから町の中へ出て行ったり、町の人たちに近い存在として活動することは大切なこと。また、地域と一緒になって活動していくことがJリーグの良さだとも思う。こうした活動を通して、少しでも社会に貢献できればいいなと思うし、選手にとっても、町の人たちと一緒に生きることを学ぶという点で、非常に有意義な活動でもある。こういう機会をいただいて、本当にありがたく思っている。選手たちはクラブにとって家族だし、息子のような存在。彼らが社会に貢献し、人間的にも大きくなって、やがて世界に出て行った時に、『アビスパ出身の選手は、プレーヤーとして優秀なだけではなく人間的にも素晴らしい』と言われれば、それが福岡の誇りになる」
町の人たちとともに生きてこそのJリーグ。「百年構想〜スポーツで、もっと幸せな国へ」。それがJリーグの目指すものだ。
以上
2013.06.04 Reported by 中倉一志
J’s GOALニュース
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まずはカメラマンの指示を受けてポーズを決める
必死で笑顔を作る石津選手。この状態を続けるのが難しい
「お前は猪木か」と茶々を入れられていた笠川選手。なるほど、いの気に見えなくもない
約30分間に渡って笑顔を作り続けた選手たち。こわばった頬が痛い
福岡出身の黄金の7人によるポスターは、県内(一部地域を除く)の小・中・高校・特別支援学校などに掲出される
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