★【NON STOP J2】 -J2のススメ- 紹介選手一覧
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清水、新潟、湘南の所属3クラブで積み重ねたJ1リーグ戦の出場試合数は75試合。そのなかでも9シーズンを過ごし、長らく正ゴールキーパーを務めた新潟のサポーターは、野澤洋輔の雄姿を忘れることはないだろう。
その存在感は危機的状況でこそ輝きを増す。類い稀な反応速度とポジショニングの良さで、相手のビッグチャンスをことごとく跳ね返し、チームに勢いをもたらす。そのプレーは一度波に乗ると手がつけられなくなるほどだ。経験を生かしての最後方からのコーチングにも冴えを見せる。
松本が悲願のJリーグの舞台に立った昨季、反町康治監督のラブコールに応えて移籍。過去の例を振り返るまでもなく厳しい戦いの予想されたJリーグ初年度、特に序盤戦は攻め込まれる場面も多く、皮肉にも活躍の場面は多く訪れたが、好セーブを連発することでチームを乗せた。自身は夏に負傷で戦線を離れる形となったが、早々にJ2残留を達成し最終盤までJ1昇格プレーオフの可能性を残すという健闘に大きく貢献した。
さらにその上を目指してスタートした今季だったが、開幕戦こそ持ち味を見せたが、そこからどうも煮え切らない。ホームで勝てないというのもあったが、試合ごとの波が多く、どうも“らしくない”展開が続いた。
選手たちも「昨季に比べるとボールの奪いどころがはっきりしないところがある」「試合の入り方が悪くて、そのままずるずる行ってしまう」と首を傾げるなか、「松本らしくない、元気がない試合が続いている」とピッチの外から見てきた自チームに鋭く指摘したのは、背番号1だった。左足ふくらはぎの負傷で出遅れていたが、決して下を向くことなく準備を重ねて、フォア・ザ・チームの姿勢を貫いた。
真価を見せたのは、降雪のため順延となった第10節・東京V戦だ。
今季初出場となった試合で、序盤から東京Vの攻撃陣が猛攻を仕掛けるなか、決定的なシュートを3本ストップするなど、好セーブを連発。“守護神”と呼ばれるに相応しい活躍でゴールに鍵をかける。その動きに触発されるようにチーム全体がギアをトップにあげ、中2日という過密日程のなか貴重な勝点1を得ることに成功。
「ゼロに抑えたが、まだまだ」と謙遜するが、“守護神”復活を大いにアピールする活躍を見せた。野澤にとって遅まきながらの2013シーズンが始動した。
以上
2013.06.02 Reported by 多岐太宿
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