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【J2:第17節 東京V vs 愛媛】レポート:“鍵”だった先制点を挙げた東京Vが4試合ぶりの白星。愛媛は“1本”が通らず無念の3連敗。(13.06.02)

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後半アディショナルタイム、セットプレーからの失点。大の字になって悔しがるGK佐藤優也の怒声で試合終了という、何とも後味の悪い終わり方となった。それでも、今節の東京Vにとっては『勝利』の二文字にこそ、最大の価値があったのではないだろうか。ここ3試合2分1敗と、白星から遠ざかっていた。前節の敗戦をうけ、三浦泰年監督は「愛媛戦には徳島にわざと負けたぐらいの気持ちで臨みたい。なぜ負けたか?それは、次に勝つため」とも語っていた。その、徳島戦敗戦を無にしないという意味でも、“勝利”という結果が何よりも重要だったはずだ。

試合前、飯尾一慶は「どんな形でもいいから、とにかく先に点を取ること」の重要性を口にしていた。そして、試合開始3分で見せた鈴木惇の好FKシュート、福井諒司のミドルシュート、森勇介のペナルティエリア内でのシュートなど、チーム全体からもその意識の強さは伝わってきた。その中でも、特に「点を取るために貢献したい」の思いが伝わってきたがの、今季初先発となった前田直輝だった。「ここのところ試合を外から見ていて、前への推進力が欠けているように見えた。その、“前への推進力”というところを、自分の若さで補えればと思って、前半からスプリントしようと思っていました」まさに言葉を具現したように、持ち味ともいえる迷いなく積極的にゴールを目指す姿勢が、チームを勢いづけた。

ただ、「相手もしっかりと守ってきた。さすがに7、8人で守られると、ペナルティエリアの中に入るのは難しくて、前半はサイドからしか攻めることができなかった」(飯尾)。リズムよくボールを回しながら、高原直泰、常盤聡、前田、森、福井、鈴木と積極的にシュートは放ちつつも、前半は決定的といえるほどのビッグチャンスを作ることはできなかった。

しかし、「やり続けることによって、後半スペースが空いてきた」(飯尾)。ミドルシュートも有効になってきたところで果敢に狙っていったのは鈴木だった。後半4分、前田からのパスを受け狙ったそのミドルは愛媛GKに防がれたが、こぼれたところ飯尾が逃さず押し込んだ。先制点を最も欲しがっていた主将が、見事に結果で示してみせた。

その主将が「先に点が入れば、自分たちのサッカーが出しやすくなる」と語った通り、先に点を精神的に優位に立つと、さらに後半15分、金鐘必のパスを受けた高原が左から仕掛け、素早く右足アウトサイドで入れたニアへのクロスに常盤が合わせ、華麗なボレーでリードを広げた。先制してもなかなか追加点が奪えないことが課題でもあった東京Vにとっては、ひとつ、進歩を示した勝利だったといってもいいのではないだろうか。

だが、「ゴール以外は、今日は課題しか残っていない」と、常盤が語れば、森も「今日の収穫は勝ったことだけ。まだまだ」と、表情は厳しかった。何よりも悔やまれるのは、やはり最後の最後での失点だろう。三浦監督も「最後の失点は、自分たちに勘違いしてはいけないというのが形になったものだと思う」とし、「逆に取られてよかったかもしれない。しっかり昇格を自分たちのものにしていく確率を上げていくチームが行わないような失点のタイミングじゃないかなと思った」J1昇格を本気で目指すチームとして決してあってはいけない失点だったと位置づけた。J1で戦うのに相応しいチーム力をつけていくために、現時点での課題がまた1つ見つかったと受け止め、今後へつなげていきたい。

3連敗となった愛媛は、さすがに落胆の色を隠さなかった。中でも、強く責任を感じていたのが、FW河原和寿だった。思うように主導権が握れない中、「どこか前で起点を作って自分たちのペースに持って行けなかったことが、前線の選手として責任を感じます」と、反省のことばを口にした。その思いを強くさせたが、「(愛媛に比べ)相手のFW、MFは上手かった」ことだという。「こっちがイヤなところでボールを受けてた」相手に対して、愛媛は「もっと冷静になって、相手の変わったシステムの空いたところを見て蹴ることができなかった」。なかなかボールが思うように運べず、「出し手も、受け手もストレスを抱えてのプレーになってしまった。それによって、“あと1本”のパスが通らず苦しんだ」とも河原。何度か訪れた決定的シーンにも表れているように、「ラストパスに対しては、東京Vはルーズだった。それなのに、その“ここが通れば”の1本を通す呼びこみやスキルのところで、自分たちが足りなかった」と、真摯に受け止めた。

それでも、「(愛媛の)結果は、自分たちの出来がすべて」だという河原の言葉は、今季の愛媛が、相手に合わせるのではなく、自分たちからアクションを起こす、しっかりと意図を持ったサッカーをやり続けていることを表わす証明の1つとも言えるのではないだろうか。

「何かを作り上げていく中ではミスはあるもの。なかなか結果につながっていませんが、やっていることは間違っていないという手応えはあるので、ミスを恐れない強い気持ちを持って、やり続けていくことが大事だと思います」(河原)

東京Vも愛媛も、それぞれ新監督の下、新しい自分たちのスタイルを発進させたばかりで、これからが発展途上であることは言うまでもない。10月6日での再戦で、いまよりも格段浸透いているであろう互いのスタイルのぶつけ合いが、いまから非常に楽しみだ。

以上

2013.06.02 Reported by 上岡真里江
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