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【J2:第17節 群馬 vs 長崎】レポート:悲劇のアディショナルタイム。群馬、長崎のセットプレー2発に沈む。(13.06.02)

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今季最多の6186人の観客を集めた正田スタだったが、そこに待っていたのは悲劇のアディショナルタイムだった。

90分すぎ、群馬は長崎に立て続けにセットプレーを与えると嫌な雰囲気が漂い始める。そして92分、長崎の右CKはゴール前に飛び込んだ水永翔馬のヘッドを経由して一直線にゴールへと突き刺さった。静まり返ったあとに、ため息が渦巻くスタジアム。試合後、6戦連続で勝利から遠ざかるチームに今季ホーム戦で初めてブーイングが送られた。

ゲームは序盤から互いのバイタルエリアで激しいセカンドボールの奪い合いが展開される。球際に闘志を込める群馬はセカンドボールの攻防で優位に立ったものの、長崎のタイトなプレスを剥がずことができずに決定機を作れないまま時間は経過していく。そんな状況下で群馬は長崎に先手を許してしまう。41分、長崎にミドルレンジの左FKを与えると山口貴弘の折り返しを佐藤洸一にヘッドで流し込まれてゴールネットを揺らされる。

群馬の反撃は後半からだった。1点ビハインドを跳ね返すべくピッチに入った選手たちは、みなぎる闘志で相手を圧倒。長崎のDFラインを押し下げていく。後半15分、チームの気迫がゴールへとつながっていく。小林竜樹がゴール前へ入れたFKを乾大知が落とすと、そのこぼれ球を小柳達司が蹴り込んでJ初ゴール。「良い位置にこぼれて来たので振り向きざまに反転してシュートを打った」(小柳)。このゴールで群馬の動きは加速する。

スタジアム全体の後押しを受けて逆転を狙った群馬は33分からケガから復帰したベテラン櫻田和樹をピッチへ投入。櫻田が中盤の底で起点を作ることでリズムアップした群馬は、縦と横を自在に使ってバイタルエリアまでボールを運ぶ。だがリーグ2位の総失点を誇る堅守長崎のゴール前を崩すことができず、どうしてもペナルティエリア内に入り込めない。

ポゼッションで優位に立った群馬だったが、心の隙が生まれてしまう。軽快に攻撃を組み立てる一方で、簡単にボールを奪われるシーンや軽いプレーが目立ち始める。そしてゲーム終盤、ミス絡みでセットプレーの機会を連続で長崎に与えると、アディショナルタイムに決勝ゴールを許して、サポーターを失望させた。

21位という順位ながら過剰なまでにイケイケになるチームに歯止めをかけられなかったことが悔やまれる。謙虚な姿勢で戦い続けた長崎が勝点3を拾ったのは偶然ではない。

長崎と群馬に大きな戦力差はなかったが、今節後の勝点差は21へと広がった。2連勝を飾った高木琢也監督は「群馬の球際の執念がすごくて何もできないゲームだった」と振り返ったが、バイタルにカギをかけワンチャンスを狙う策士ぶりを発揮。主導権を握られながらも手中でゲームを動かし、セットプレー2発で群馬を罠に嵌めてみせた。指揮官の戦術を忠実に遂行する選手たちがいる限り、長崎の進撃は続いていく。

アディショナルタイムに勝ち越し弾を浴びて勝点を失った群馬には、サポーターから激しいブーイングが浴びせられた。今季6連敗中も温かくチームを見守り続けたサポーターにとっては苦渋の決断だ。サポーターの矢面に立つ秋葉忠宏監督の姿を見て、選手は何を感じるのか。

黄誠秀は「監督はピッチに立てない。チームの全員がリーダーとなってチームを背負っていかなければいけない」と声を絞り出した。幸いにも、チームの闘争心は涸れてはいない。「ここから這い上がるだけ」(秋葉忠宏監督)。選手、サポーターがこの日、流した涙を決して無駄にしてはいけない。

以上

2013.06.02 Reported by 伊藤寿学
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