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【J2:第17節 千葉 vs 山形】プレビュー:攻守の課題から試合後半のフィジカルに問題がある両チーム。監督の采配を含めた試合運びとセットプレーの攻防がカギとなる。(13.06.01)

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5月に入ってから試合内容には課題を残しつつも勝利という結果を積み重ねて4連勝中だった千葉。前節(第16節)はJ2リーグ戦では初対決の長崎の前線からの激しいプレスを受けながらもパスを回し、スペースを突く攻撃でゴールを狙った。だが、プレーの精度不足や長崎の体を張った守備もあって思うようにはフィニッシュまで行けなかった。しかし、27分にFWケンペスのパスをMF谷澤達也がオフサイドぎりぎりで飛び出して受け、ドリブルで独走して長崎のGKの動きをよく見てループシュートをうまく決めて先制した。後半はロングボールを増やしてセカンドボールを拾い、持ち前の豊富な運動量を生かした長崎の迫力ある攻撃に押しこまれて苦戦。後半に2失点して1−2の逆転負けを喫した。

1失点目は警戒していたはずのロングスローのあとのこぼれ球を処理できず、その5分後にもスローインのあとのこぼれ球から失点。千葉はもともとCKやFKのあとのこぼれ球からの失点が目立つが、結局、この試合でもセットプレー後のプレーでの連続失点で守備の問題点は相変わらず修正できていない。昨季はJ2最少失点と堅守を誇った千葉だが、今季は対戦相手に自分たちよりもかなり多くのシュートを打たれる試合が目につき、守備が機能しているとは言いがたい。また、今季の千葉は昨季以上に試合後半の選手のスタミナ切れが早く、運動量低下が著しい。ベテラン選手が多いスタメンの構成の問題もあるが、フィジカル強化というチームの問題点が悪い結果につながってしまっている。

前節の山形もまた千葉と同様に、前半にFW中島裕希が見事なドリブル突破から先制点を奪いながら、後半の2失点で1−2の逆転負けだった。負傷から回復後というコンディションや試合での疲労を考慮して早めに選手交代の手を打ったが、決定機を作りながらも追加点がなかなか奪えず、京都の戦術的な選手交代で前への推進力を高めた攻撃に対応しきれなかった。得点機を作りやすいというロングボールを前線に入れて押し上げる攻撃は体力面の消耗が激しく、ボールを保持しての遅攻との使い分けが課題となっている。
それでも、前節は不発に終わったものの、今季最多得点、クラブタイ記録の6得点で勝った第15節鳥取戦は4得点がCKから。そのうち3得点はDF西河翔吾(2得点)とFW林陵平がCKのボールを直接ヘディングシュートやダイレクトシュートで決め、残りの1得点は中島のヘディングシュートのこぼれ球をFW山崎雅人が押し込んだもの。千葉はセットプレーから一発で決められることは少ないもののこぼれ球からの失点が多いだけに、山形にとっては狙いどころだ。セットプレーの攻防は今節の大きなポイントになるだろう。

前節の千葉は5本というシュート数が示すように、第15節松本戦のような思い切ったミドルシュートが少なかった。余計なワンプレーで得点機を逸しやすいため貪欲にゴールを狙う姿勢はやはり必要だ。さらに山形とは逆に千葉は遅攻が多いが相手の守備を崩しきる効果に乏しく、攻撃のスイッチの入れ方やここぞという時の攻撃のスピードアップ、カウンター攻撃の精度が課題。また、運動量やスタミナは急激にアップできないだけに、選手自身の動きの判断と質、試合展開や選手の状況に合わせた選手交代策がカギだ。前節の2度の警告による退場処分で、今節は古巣との対戦だったダブルボランチのMF佐藤健太郎が出場停止。中盤の守備力低下が懸念されるだけに、千葉の鈴木淳監督の采配に注目したい。

今節はナイトゲームだが土曜日の開催で、関東地方は梅雨入りしたが試合日の降水確率は低い。今節は市原市と千葉市の小・中学生に配布された『ふれあいパスポート』の対象ゲームなので、多くの小・中学生にフクアリに来場して千葉に大きな声援を送ってほしい。
以上

2013.05.31 Reported by 赤沼圭子
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