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【J2:第16節 山形 vs 京都】プレビュー:山形がホームに京都を迎える一戦。ジレンマを抱えつつ、攻めて勝点3の実をつかめ!(13.05.26)

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昨シーズンの第15節終了時点では、山形と京都はともに勝点30以上を積み重ね、それぞれ首位と2位。第16節で今度は京都が首位に立ち、首位が猫の目のように変わるデッドヒートのなか、前半のトップ集団を形成する一角として存在した。今回は京都が勝点25、山形が22でともにプレーオフ圏外のチーム同士の対戦となる。3分の2近くを残すリーグ戦で、挽回の機会はまだ十分に残されているが、そのためにも内に抱えるしジレンマを解決していかなければならない。

山形の前節は6-0と大量得点、無失点で鳥取に大勝した。コーナーキックから4得点、さらにスローインの流れからとリスタート絡みで5得点。流れのなかからは萬代宏樹の5点目のみだが、試合全体をとおして主導権を握りつづけ、アウェイでの今シーズン2勝目をようやく飾った。

第6節・横浜FC戦の5-1を越える6得点。こうした派手な勝ち方ができるのは今シーズンの特徴だ。総得点数はG大阪、神戸に続くリーグ3位。にもかかわらず9位にとどまっているのは、勝利数では上位と遜色ないものの引き分け数の少なさで差をつけられているためだ。特に、相手に先制を許した6試合で勝点につなげた試合はまだない。2度追いつく粘りを見せ、逆転を狙った終盤に逆に突き放された第13節・岡山戦のような試合もあるが、その翌節、札幌には0-1での敗戦。どの試合も相手を上回ることをめざしながら、実際はふたを開けてみるまでわからず、試合ごとの波が大きいのが現実だ。

戦術的な課題もある。鳥取戦の天候は雨で、ピッチがスリッピーだったことから、前線にボールを入れるシンプルな戦術を選択したことも奏功した。センターバックの西河翔吾、イ ジュヨンもシンプルかつセーフティーなプレーに徹した。「そっちに今年は慣れてるんですね、開幕から含めて」と奥野僚右監督。雨や雪、ピッチコンディションなどでシンプルなプレーに徹したときの攻撃は、つなぐ際のリスクを軽減するばかりでなく、迫力もある。ただし、そこはめざしている「攻撃サッカー」の目的地ではない。「将来的に安定して勝つには、つなげて自分たちの時間が長いほうがかつ確率は高いと思うので、その精度を上げていかなければいけないかなと思う」と話すのはF東京にも在籍した常澤聡。引かれた場合や相手が間延びした場合だけでなく、ハイプレッシャーのなかでもつなげる技術を持たなければ、J1への昇格、ましてや定着は難しい。

では今節、積極的にそのチャレンジをするのか。「相手の土俵で戦って、何かこっちが大きく上回れるかというと、ちょっと難しい」(奥野監督)という技術的な問題も、プレーオフ圏外に置かれているという状況もある。勝点3という実を取るには、自分たちの長所をより出せる現実的な対応を選択する可能性は高い。4月には神戸、G大阪、東京Vと実力を備えたチームとの3連戦をすべて無得点で敗れている。上位追撃のためには、今節の京都戦、次節の千葉戦と昇格の有力候補との対戦をクリアする必要がある。「この連戦で勝ってチャンスを広げたいと思うし、ここがヤマ場となる。積極的に自分たちのサッカーが表現できるように、意識して試合に入りたい」。山崎雅人は結果にこだわる意志を強調している。

「どちらかというといいゲームの時に勝点を拾えない。案外しんどいな、というゲームのときに勝点3を獲るという状況があるように思う」。2節前の群馬戦に2-1と勝利したあとの京都・大木武監督の言葉は、前節・長崎戦でも見事に当てはまった。得点は17分、福村貴幸のフリーキックが相手に当たったラッキーなオウンゴールが決勝点となった。シュート0本の前半を折り返し、後半を合わせてもシュート数はわずか2本。それでも勝点3を手中にし、今シーズン2度目の連勝を飾った。

多くのチームが京都対策として取り入れるように、長崎も高い位置からプレッシャーをかけてきた。そのなかで、最近の試合では中盤とのパスのやり取りの場面で、ボールの出し手と受け手とのポジショニングやタイミングのズレによるボールロストが頻発。狭いゾーンでもしつこくつなぎまくる京都らしいポゼッションは影を潜めている。前線では山形キラーとも言える宮吉拓実が長期離脱中で、原一樹も戦列を離れていて前節復帰したばかり。9試合先発を続ける横谷繁も、横谷とこの3試合で2トップを組む三平和司も、足元の細やかさよりもスペースへのダイナミックな動き出しを得意とするタイプ。中盤とこの2トップとのパスのやり取りで失い、守備への切り換えを強いられる回数も多い。相手にとって怖いのは決定的な仕事ができる工藤浩平が攻撃に絡んでくることだが、収まりどころがなく、時間がつくれないためにボランチの位置から前に飛び出すシーンは多くはない。

得点パターンにもその影響が出ている。前節のオウンゴールを含め、リスタートからの得点は多い。第11節には千葉と3-3の打ち合いを演じたが、それ以降の4試合のうち、勝利した3試合で4得点を挙げているが、前節のオウンゴールも含めて3得点がリスタート絡み。群馬戦の山瀬功治のゴールは流れのなかからだったが、これは三平らのシュートコースを開けるサポートはあったものの、山瀬の個人技が光るゴールだった。京都のパスワークがゴールに直結したシーンが見られていないのが最近の現状だ。「どうやってセットプレー以外でチャンス作っていくかは問題です」と前節を終えた山瀬も指摘している。

「いままで一番長いことお世話になったチームなので、しっかり成長した姿を見せれたらなと思います」。山形の左サイドバック・中村太亮にとっては古巣との対戦となる。山瀬が中に入ってプレーする分、ボールを持てば前方に広いスペースが得られる可能性は高いが、そこで安藤淳が深い位置から猛然とアプローチしてマッチアップするシーンも見られそうだ。サイドバックを上げて攻撃的に戦う両チーム同士の対戦には13時キックオフ。30度に迫る気温の中で行われることが予想されている。

以上


2013.05.25 Reported by 佐藤円
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