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【J2:第14節 鳥取 vs 岡山】レポート:ライバル対決は、ともに譲らず。5回目の『陰陽ダービー』鳥取と岡山の激突は、初めてのスコアレスドローに(13.05.13)

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鳥取がJ2に昇格した2011年から始まり、通算5回目となった鳥取と岡山の『陰陽ダービー』。鳥取は3節以来11試合ぶり、岡山は前節に続く勝利を狙ったが、最後までゴールは生まれず、0―0の引き分けに終わった。

試合序盤は、鳥取が岡山のビルドアップを的確に追い込み、良いリズムでボールを奪っていたが、サイドのスペースへのロングパスを第一選択肢とする攻撃で、ターゲットになる久保裕一へのフォローが少なく、フィニッシュに持ち込むことができない。21分には尾崎瑛一郎のFKを久保がヘッドで合わせたが、岡山GK中林洋次の正面を突く。33分にはCKからゴール前で混戦となり、久保が巧みなコントロールで処理して、至近距離から右足で狙ったが、クロスバーに当たって決まらなかった。
一方の岡山は、思うように前にボールを運べないシーンが目立ったものの、影山雅永監督が「われわれはショートパスだけで崩すわけではないですし、相手のディフェンスラインが高いと思ったら、今日のように一気に相手の裏を狙っても(いい)」と振り返ったように、縦パスを効果的に使ってチャンスを作る。鳥取はこの日、甲府からの期限付き移籍で加入直後の林堂眞が3バックの右サイドで先発したが、事前の練習が3日間しかなかった影響もあり、残る2人の柳楽智和、森英次郎との連係が合わず、最終ラインでいずれかが後方に残るシーンが目立っていた。そこを突いて31分、仙石廉からのパスで抜け出した荒田智之が、GKと1対1になる決定機を迎えたが、最後のコントロールが乱れ、鳥取GK杉本拓也が間合いを詰めてブロック。38分には押谷祐樹が右サイドを同様に抜け出してフリーでシュートを放ったが、これも杉本がブロックした。

後半は、岡山のボール奪取後に攻め込む展開がスムーズになった一方、鳥取も全体が押し上げて敵陣に侵入する回数が増え、左サイドを中心にチャンスを作る。49分には久保のセンタリングに廣田隆治が飛び込んで右足で合わせたが、左に外れる。60分過ぎには立て続けに決定機をつかんだが、64分、左からのセンタリングに永里源気がヘッドで合わせたシュートは、中林がファインセーブ。66分にも永里が右足で狙ったが、中林が正面でがっちりつかみ、69分には左からのセンタリングを、ファーサイドに飛び込んだ尾崎がヘッドで捉えたが、合わせ切れずに右に外れた。

残り15分を切ってからは、最高気温が28.6度まで上がった暑さの影響もあり、双方の運動量が落ちたが、より顕著だったのは鳥取で、岡山はそれに乗じて押し気味に進めた。しかし、77分の押谷のシュートは杉本が防ぎ、80分には右CKを後藤圭太が打点の高いヘッドで合わせ、ボールは右下スミを突いたが、これも杉本が素晴らしい反応でセーブ。岡山の影山監督が「鳥取のディフェンスが本当に粘り強かった」と振り返ったように、あと一歩でゴールを奪うことはできず、陰陽ダービーでは2011年の第1戦(△1―1)以来となる引き分けで、初めてのスコアレスドローとなった。

岡山は、ホームで山形に競り勝った前節に続く連勝はならず。押谷が「相手がああいう(ロングボールを蹴ってくる)サッカーをしてきたので、難しいところもあったんですけど、そういう相手だからこそ、やっつけたかった。前から守備をしていっても蹴られて、セカンドボールを拾われることが多かったので、そういう相手にも自分たちのサッカーをして勝ちたかった」と振り返った通り、攻撃のリズムが出るまでに時間がかかり、最後までゴールを割れなかった。これで引き分けがリーグ最多の8。依然として上位につけてはいるものの、今後の昇格争いで生き残っていくためには、この日のような試合で、勝点を3まで伸ばせるかどうかがポイントになりそうなことを、あらためて感じさせる試合となった。

鳥取は粘り強くピンチをしのいだ一方で、先制するチャンスもあっただけに、3節以来の勝利が欲しかったが、またも実らなかった。前々節から導入している3―4―2―1(3―4―3)は、前節の富山戦(△1―1)は疲労の影響もあって低調だったものの、そのほかの2試合は内容もまずまず。ただ、小村徳男監督が同様の布陣で戦う岡山について「ディフェンスラインからのビルドアップで、くさびのボールが入った後のスピードアップは、われわれより数段上」と評したのとは対照的に、鳥取はビルドアップを狙いながらも、早い段階でロングパスに頼ることが多く、まだまだバリエーションは少ない。

「ボールが縦に入ったときに、いかに数的優位を作るか、推進力を持って前にいけるか。今はラフなボールが多いですけど、しっかりビルドアップしながら縦にボールを入れられるように、質を高めていけば、もっと攻撃の幅は広がるんじゃないかと思う」と小村監督は続けた。チームとして、より成熟した岡山との対戦で得た手応えとヒントを、どのように今後につなげていけるかが、下位を脱出するためのポイントの一つになりそうだ。

以上

2013.05.13 Reported by 石倉利英
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