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【AFCチャンピオンズリーグ2013 ブリーラム vs 仙台】レポート:サンダーキャッスルに響いた絶叫と悲鳴。仙台が土壇場で勝点1をもぎ取り、最終節にグループステージ突破をかける(13.04.25)

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4月24日のブリーラムは雨が降ったり止んだりの天気だった。そしてときどき雷が鳴る。「サンダーキャッスル」の異名を持つブリーラム・スタジアムは、雷の音を聞きながら試合開始を待っていた。

試合開始前から、雷のようなブリーラムサポーターの大声援がスタジアムに鳴り響く。日本から駆けつけた仙台サポーターたちもそのなかで懸命に声援を送り続けていたが、試合が始まると独特のリズムを持つブリーラムの応援歌がボリュームを増す。
この日、仙台のキャプテンを務めた角田誠は「雰囲気に飲まれてしまったのが悔やまれます」と試合後に振り返った。仙台はACLとJ1の試合を短い間隔で戦う中で、直近のJ1第7節・川崎F戦からメンバーを入れ替えていたが、その中でもアウェイで守備重視のプランを遂行。川崎F戦では敵地でボールを持つことにとらわれすぎたが、その反省点を生かして「アウェイで戦うのにはそれなりの謙虚さ、アウェイの戦い方が必要だという話をして、チームはそれを共通理解して、まずは守備から入った」(手倉森誠監督)。そのために0-0で折り返すことには成功したものの、攻撃では雰囲気に飲まれたか、なかなかチャンスを作ることはできていなかった。

そして後半立ち上がりに、仙台は失点を許してしまう。2月26日のホームゲームで失点し、警戒していたセットプレーの場面で、再びオスマル バルバ イバネスに点を決められた。スタジアムはさらに熱を帯び、ブリーラムサポーターの作る空気が、ホームチームに追加点を要求する。

仙台はここでリスクを負って1点を取りに出なければいけなかった。石川直樹が負傷退場するも、左サイドバックだった蜂須賀孝治がセンターに回って和田拓也が左サイドに送りこまれる。これでサイド攻撃を食い止めた仙台は、80分に中原貴之を投入。右サイドバックだった田村直也が彼に交代したことで、3バックでのパワープレーを敢行した。さらに「カクさん(角田)と話して『行ってきます』と言って前に出ました」という渡辺広大が、残り5分で最前線に進出。パワープレーのターゲットがどんどん増えていった。
この総攻撃の間にブリーラムもカウンターからカルメロ ゴンサレスらがチャンスを作るが、シュートミスなどで点差は開かず。また、気候も「ラッキーだった」と手倉森監督が振り返ったように、雨を経たスタジアムは仙台側の想定よりは気温が低く(※公式発表では29度)、最後まで足を止めずに仙台の選手たちは走り抜き、とにかく1点のチャンスを待った。

そしてアディショナルタイムも終わろうかとしていた90+3分に信じられないことが起きる。立役者はチーム全員だが、特にこの試合でチャンスを得た選手たちがゴールをこじ開けた。最終ラインにいたはずの蜂須賀がなんと右サイド高めに進出、クロスを送る。すると蜂須賀の体勢までよく見ていた渡辺が「GKが出てくるところが見えたので、なんとか後ろにこぼそうと思って前に入りました」とボールに触り、最後はこの落とした先のボールを「とにかく結果を残したかったし、チームに貢献したかった」という中原が渾身のボレーシュートでゴールに突き刺した。
サンダーキャッスルはその主と違う者たちの手によって、城内に雷鳴を超えるボリュームの絶叫と悲鳴を響かせることとなった。

ホームゲームに続いて、仙台はまたしてもブリーラムと引き分けた。試合展開も苦しかった。最後はシステム云々の話ではなかった。泥臭かった。しかし欲しかった勝点を、チームの総力で1つもぎとった。
これにより、仙台は最終節の江蘇戦に、グループステージ突破をかけることとなった。「自分も今度はあのようなゴールを決めたいし、勝って新しくベガルタ仙台の歴史を作りたい」と武藤雄樹。残念ながら江蘇戦は出場停止となる角田も「自分は出られないけれど、チームを高めるために練習の意識を高めるなどできることをします」と意気込む。
ホームで迎える江蘇戦(5/1・19:00)で、仙台は雷鳴を超える歓喜の声をあげる、その瞬間を目指す。

以上

2013.04.25 Reported by 板垣晴朗
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