J2第8節、京都はホーム・西京極に横浜FCを迎え撃つ。
京都は前節、岐阜に3-0で勝利し、連敗を止めた。フォーメーションを変えて臨んだ試合。その意図について、企業秘密の部分もあるのでこちらも詳しくは聞かなかったが、大木武監督は「（こちらの狙いが）出やすい形にしたということ」と言葉を選びつつ、明かした。得点の形にもそれらが表れていたのだろう。
ただ、横谷繁にコメントを求めると「（得点の形については）あまり監督から（細かく）指示されていない」とのことで、前半に三平和司が裏に抜けたシーンの方が「練習の形でしたね」と明かした。このあたりを推察しても、京都の攻撃のパターンはまだありそうな予感を持たせてくれる。
工藤浩平は「得点を取れるという気はするんですけどね」と口にしていた。岐阜戦の終了近くで京都らしいサッカーが表現できたが、「押し込む形ができれば、裏に抜け出す形も出てくると思う」（工藤）と話してくれた。
正直に言えば、観ているこちらも京都の攻撃の形、パターン（守備から入るショートカウンターも含め）は多くあるだろうと思っていて、一昨年、昨年より、それらがもっと出て来そうな気はしている。それが出始める時は多分、「こうやろう」というよりは、心の内から、どんどん攻撃意欲が湧き出る様な状況がいいのだろうという気はする。横浜FCを相手に、闘争意欲が湧き出てくる、そんなプレーに期待したい。

対戦相手の横浜FC。前節はホームで熊本と引き分けた。ここまで1勝3分3敗で20位。フォーメーションは4-1-4-1がベースだが、前節は3バックも見せている。大木監督は「（勝てていないこともあり）メンバーが固定されていないが、力のある選手が揃っている」とした。「大久保、田原、黒津、カイオもいるよね」と、その誰もが力のある選手で警戒すべきだとし、「中盤も寺田、武岡。松下もいる」と警戒すべき選手がすらすらと挙がる。要は、順位ではなくて、どこが相手でも絶対に隙を見せてはならないということ。そこはどこが相手でも変わらない。

横浜FCには、森下俊がセンターバックに入っている。一昨年の天皇杯を共に戦った仲間がいるというのは、ひとつの見所となるだろう。個人的には、あの時の京都以上に、全体の戦術、守備の落ち着き、精神的な粘り強さ、そして自信と、レベルが一段も二段も上がっているとは思っている。森下がそれを見切って止めるか、それとも京都が横浜FCの守備陣を切り裂くか、それが注目点となるのではないか。
もうひとつ、寺田伸一と横谷繁は同じG大阪出身。横谷は「チン（寺田）さんは2コ上で、ずっと一緒にやってきました。まあ、ポジションはかぶらないと思いますけど」としながらも「相手を抑えて、点に絡みたいですね」と意欲をのぞかせた。
そして、横浜FCといえばキング・カズ。横谷は「愛媛にいたときに対戦しています。そのときに僕がゴールしたんですけど、カズさんもゴールして……全部持っていかれました（笑）」と思い出を語ってくれた。

様々な個々の思いも交錯しながらの一戦。そして、京都はホームで連勝を狙う。

以上

2013.04.13 Reported by 武田賢宗