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【 2013Jリーグプレシーズンマッチ 清水 vs 新潟】レポート:開幕前の最終チェックで、新潟は最高のパターン、清水は最悪のパターンを経験。どちらにとっても貴重な収穫に(13.02.25)

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4-1という大差はかなり予想外だったが、どちらにとっても貴重な収穫があった試合。新潟は非常に良い手応えという意味で、清水は対処すべき要素が開幕前に明確になったという意味で、プレシーズンマッチとしての意義は非常に大きな一戦だった。

富士山がくっきりと見える美しい快晴には恵まれたが、近年では記憶にないほどの強風に見舞われたアウトソーシングスタジアム日本平(この名前では最後の試合)。前半は、清水が風上に立ったが、主導権を握ったのは風下の新潟だった。その理由は、まず新潟の守備がしっかりとはまったこと。そして攻撃でも、風の影響を受けにくいグラウンダーのパスをしっかりとつないでワイドに組み立てていったことが大きい。さらに開始4分の左CKで、強風が清水守備陣のミスを誘って先制点(オウンゴール)を得たことも、良い流れを後押しした。
新潟の守備は、2トップのブルーノ ロペスと田中達也からしっかりとDFラインにプレッシャーをかけてパスコースを読みやすくし、狙っていたポイントに清水がパスを入れたところで一気にプレスをかけてボールを奪うという形。それが見事にはまって、清水はなかなか前にボールを運べない状況が続き、新潟は自分たちのミスやカウンター以外ではほとんどチャンスを作られない展開となった。柳下正明監督も、「(守備で)人にしっかりとつくということは徹底している。キャンプ中にやってきたことを、選手たちは非常に集中してやってくれた」と満足げだった。
新潟の攻撃では、「ボールが落ち着く場所が増えたのは大きい」と柳下監督が言うように、新戦力のレオ シルバ、田中達、成岡翔のところでしっかりとボールが収まり、タメを作れる場所が増えたのは大きなプラス。レオ シルバは身体の強さもあって、プレッシャーをかけられても慌てることなくボールをキープし、良い状況の味方に確実につないでいく。田中達は、裏にも中盤にもサイドにも縦横無尽に動いてパスを引き出し、そこで簡単に失わないことでしっかりと起点を作る。この2人の働きは、この試合でとくに光っていた。
新潟で課題になったのは、前半で自陣内でのミスからボールを奪われ、決定機を与えてしまった場面が何度かあったこと。大きく蹴らずに後ろからしっかりつないでいく意識が高くなったことで生じているミスだが、これは時間とともに改善していける部分だろう。

一方、清水のほうは、今季のこれまでの試合と同様に3ボランチで臨んだが、開始早々にその形で始めて失点を喫し、初めてビハインドの状況で戦うことになった。ここまでの戦いの中でも、守備は良いが攻撃に課題を残していると言われていただけに、先制されたときにどうなるかというのは懸念されていた部分。その意味では恰好のテストケースとなったが、新潟のハイレベルな守備の前に攻めあぐねる展開が続いた。
後ろでボールをキープしても、そこからなかなか前線にボールを入れられないパターンは、昨年にもよく見られたため、一概に3ボランチだからとも言いきれない。時期的にも攻撃ではまだ本調子が出ていない時期なので、今後メンバーも含めてチーム全体で対応していく課題と言えそうだ。
前半終了間際(45分)には、またも左CKから同じようなミスが出て2点目を奪われたが、GKの林彰洋が「僕が出る場面と出ない場面をはっきりさせないとああいう結果になるので、そこはもっとうまくやっていきたい」と語るように、セットプレーの守備は個人レベルでの修正で対応可能だろう。

後半は、清水が事前の予定通りシステムを変更。ケガから復帰した新10番・河井陽介を右MFに入れ、新人の瀬沼優司をトップに、藤田息吹を右サイドバックに投入して、中盤をダイヤ型にした4-4-2(守備のときには4-3-1-2)に変えて反撃に出た。これで中盤が攻撃的になり、リスクを冒して攻めに出た分、清水が新潟ゴールに迫る場面が増えたが、なかなかバレーに決定的なラストパスを通すことができず、最後の壁は破れない。
逆に新潟がカウンターで清水ゴールに迫る場面も増え、その中から清水のミスやスキを生かして、後半27分(ブルーノ ロペス)と38分(岡本英也)に追加点を奪い、4-0という一方的な展開に。後半43分にはセットプレーの2次攻撃から交代出場のセンターバック犬飼智也がヘディングシュートを決めて清水はようやく一矢報いたが、反撃はそこまで。今年の開幕直前オレンジダービーは、新潟の大勝という結果で終わった。

試合後に「今年初めてこういう(ビハインドの)状況が出たから、みんなが少し慌てたかもしれない」と語ったのは清水のキャプテン杉山浩太。たしかに後半の2失点も、精神的な冷静さや余裕があれば防げたかもしれなかった。そう考えると、開幕後ではなくこの時期に最悪のパターンが出たのは、プラス要素と考えても良いだろう。もちろん、1週間で攻撃が劇的に改善されるということはないだろうが、しぶとく勝点を拾っていくために何が必要なのか、選手たち自身があらためて深く考え、行動に移す大きなきっかけにはなるはずだ。
新潟のほうも、ここで4点取れたからといって、開幕後も同じように点が取れるとはかぎらない。だからこそ、自分たちの戦い方がはっきりして守備に目途が立ったのは非常に大きい。長かったキャンプ生活の成果は、十分に表われたゲームだった。

以上

2013.02.25 Reported by 前島芳雄
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