開幕まで2週間を切り、春の足音が近づいてもおかしく無かったはずだった。だが、Kリーグ所属の仁川ユナイテッドとの親善試合は、悪天候とまでは言わないものの、風が強く、少し肌寒さを感じずにはいられなかった。
それでも、ファンやサポーター達は、新生ギラヴァンツ北九州の選手達を一目見ようと、ホーム本城に集結した。開幕を待ちきれないファンやサポーター達は、新しいユニフォームに身を包み、新しいチャント、新しい横断幕やゲーフラで、選手達の登場を、押さえきれない表情で心待ちしていた。
北九州のスタメンは、2トップに大島秀夫と池元友樹、両ワイドには渡大生と内藤洋平。ダブルボランチには、Kリーグから新加入のアン ヨンギュと、攻撃のスイッチを託された鈴木修人が入った。4バックには、右から田中優毅、前田和哉、市川恵多、松本陽介と、キャプテンの前田以外は新加入の選手が揃い、柱谷監督の経験を積ませたい意図が伝わる構成。守護神には、松本拓也がスタメンを飾った。
対する仁川ユナイテッドのフォーメーションは、4−2−3−1。元韓国代表の、FWソル ギヒョンはメンバー外だったものの、堅い最終ライン、アンカーの位置から長短のパスで攻撃を演出するキム ナミル。両ワイドのスピードに乗った攻撃、1トップのディオゴの強さ。今まで対戦した事が無かった、海外の強豪クラブだという事を、試合開始から感じさせてくれた。
柱谷幸一監督は試合前に「キャンプでやって来た事をトライしよう。チャレンジしよう」と、選手達には話していた通り、若い両サイドバックの田中、松本(陽)は序盤は果敢に攻め上がり、攻撃力の高さを証明した。
しかし、その攻撃に仁川が慣れてくると、裏を取られる場面や、1対1の局面で競り負ける機会が増えた。自らの課題を見せつけられたのは、良い教訓になったに違いない。
2失点は喫したが、守備面で完全に崩された場面は少なかった。キャプテンの前田が言う様に、ボールの取られ方が悪く、守から攻への切り替えがスムーズにいかなかった。それが攻撃面に伝染してしまい、選手の距離感が悪く、厚みのある攻撃を披露するまでには至らなかった。
ただ、選手の距離感が良かった場面では、屈強な相手に対して、狭いスペースでパスを繋ぎ、良いリズムの攻撃を見せていた。
これからの2週間で、急激にチームが変貌する事は無いと思うが、開幕前に悪い部分が出た事は、決してネガティブな面ばかりじゃない。
試合後に池元が「今日の試合で出てきた課題を、しっかり修正できるようにミーティングだったり、個別に話をして、しっかりいい準備をしたい」と話す表情に、エースという称号だけではなく、この若いチームを引っ張て行く覚悟を感じた。
最後に、仁川ユナイテッドの皆様。
試合後、北九州の応援席まで挨拶や、プレゼントを渡してくれたりと、サポーターとの交流もして下さり、ありがとうございました。また近いうちに、北九州に来て下さい。カムサハムニダ(韓国語でありがとうの意味)!
以上
2013.02.18 Reported by 坂本真
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