本日、Vファーレン長崎事務所にてV・ファーレン長崎のJリーグ入会審査結果連絡と記者会見が行われました。記者会見での出席者のコメントは以下の通りです。
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●宮田伴之 代表取締役
「ただいま、Jリーグの大東チェアマンから『満場一致でJ2入会が承認になった』という報告を受けました。ありがとうございました。いま、非常に緊張しております。長崎といたしましては、2005年に立ちあがって以来8年間、サポーターの皆様、スポンサーの皆様、昨年からは株主の皆様、そして、いろいろなところから多大なご支援をいただいています。JFLに上がってから2年連続昇格断念という厳しい状況にも拘わらず、いろんなご支援をいただきました。そして、いま、ここにいるメンバーが日の目を見るような形でフラッシュを浴びているわけですけれども、過去に、チームを去った選手、スタッフ、そういった人たちの思いも背負ってJリーグに上がるということが、今日、正式に決まりました。あと1試合を残してJFLのシーズンが終わるわけですけれども、あと1試合も全力を挙げて戦うことを誓います。そして、チェアマンからは、来年度に完成する新しいスタジアムを、常に満員にするような状況を作り出してくださいと言われました。同時に、財務に関しましては、1月の決算を黒字に持って行くように、そして、もっともっと純資産をあげるようにという二つの指示を受けました。その部分につきましては、今後、Jリーグ事務局と打ち合わせをしながら、健全経営でJ2で戦って行けるように頑張ってくれと励ましの言葉をいただきました。昨年、今年と、資金がない中で、いろんな方たちにご迷惑をおかけしました。しかし、V.ファーレン長崎は、その名前の通り、来シーズン、いよいよ、世界に羽ばたけるステージに上がれると認識しております。その一つの過程として、去年、今年については、我が儘を言って助けていただきましたが、来シーズン、いよいよ、世界に向けての大きな旅立ちをすることで、皆様に恩返しができるのではないかと考えています。また1から頑張ってまいりたいと思っております。皆様、ありがとうございました」
●佐野達監督
「現場サイドとしましては、まずホッとしている状況です。まさか、昨日、優勝が決まるとは思っていなかったので、あまり実感はわかないんですけれども、まずはホッとしています」
●佐藤由紀彦選手
「自分が長崎に来てから、この状況になるまでが本当に夢のようです。最高のチームメイトと、最高のスタッフと、今年サッカーが出来たことを誇りに思います。感無量です」
●有光亮太選手
「本当に長かったですし、監督が言われたようにまだ実感はありません。佐野監督の下で3年間やってきたことが、こうして結果につながって嬉しいです。最後の試合がまだ残っているので、勝って、そこで盛り上がれればと思っています。最後まで戦います」
●菊次勉専務取締役
「まずは、この我々のクラブに、これまで関わっていただいた方々、現在、支持していただいている方々に感謝申し上げたいと思います。これからは、県民の皆様に愛される魅力のあるチームを作るように、同時に、県民の共有財産となるクラブになるように、懸命に努力していきたいと思います。今後ともよろしくお願いします」
●岩本文昭常務取締役
「弊社の宮田、菊次、佐野監督、そして選手両名から話がありましたので、私からは一言だけです。ありがとうございました。皆様のおかげで、まず一つ目の目標を達成することが出来ました。本当にありがとうございました」
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●質疑応答
Q:佐野監督にお聞きします。改めて優勝という結果を残した選手たちに対して、どのような想いを抱いていらっしゃいますか?
佐野監督「今年は非常に厳しいプレッシャーだったと思うんですけれども、それを跳ね除けてくれて、本当に誇りに思います。今、1人、1人に抱きつきたい気持ちですが、今日はオフなので、明日、みんなと喜びを分かち合いたいと思います」
Q:昇格の原動力は何だっとお考えですか?
佐野監督「やはり、Jリーグで戦いたいという気持ちが強かったという風に思います。Jリーグに上がりたい気持ちが、どこのチームよりも強かった。そこが一番だったと思います。それを毎日、選手たちに言い聞かせてきましたし、私自身も、ずっと口にしていましたし、その目標があったからこそ、ここまでやってこれたと思っています」
Q:佐藤選手にお伺いします。JFLの1年目、2年目とシーズン途中で昇格を断念するという時期があり、その後もいろんなことがある中で、ここまでやっときたわけですが、振り返ってみて、ここまでの長崎の4年間は、どんな時期だったのでしょうか?
佐藤由紀彦選手「長崎に来た当時は信じられないことの連続で、ものすごく戸惑った自分がいたんですけれども、いつもチームメイトが一緒に戦ってくれたことが、ここまでこれた一つの要因だと思っています」
Q:同じ質問を有光選手にもお願いします。長崎に来てからこれまでを、どのように振り返っていますか?
有光亮太選手「長すぎたので、あまり思い出せないですね。いろんなことがありすぎて、今は優勝したことが嬉しいという感情、それしかありません」
Q:選手同士で昇格の喜びを共有するような場所はあったのですか?
有光亮太選手「昨日、選手で集まって配信されている試合を見てて、決まった瞬間、ドカンと来ましたね。それで、選手が続々と集まってきて、抱き合って喜びを、みんなで共有しました」
Q:宮田社長にお伺いします。来年、どういったチーム作りをして、どのくらいの順位を目標に戦いたいのか、そして、いつJ1に昇格したいのかという目標を改めて教えてください。
宮田代表取締役「チーム作りは佐野監督にお願いすることになると思います。経営面については、とりあえず、来年度以降の3年間の予算をJリーグに提出しているんですけれども、それについて、チェアマンからは、まだまだ甘いところがあるのではないかとのご指摘を受けています。それをJリーグ事務局と打ち合わせをしながら、再度、詰めていくということになると思います。ただ、我々にとっての大きな強みは新しいスタジアム。二層式の二万人のスタジアムになって、その可能性は計り知れないものがあると思います。今まで2年間、経営的に厳しかった部分を、そのスタジアムを活かして、安定して経営が出来るように持って行くのが私の仕事ではないかと思っています。その結果、出来るだけ早くJ1のライセンスを取得して、それに見合う選手を補強して、5年位を目途にJ1に昇格出来ればなと思っています。ただ、今は新しいスタジアムで、どのような運営をすれば、県民の皆様に安心して応援に来て頂けるようになるかということを優先して考えなければならないと思っています」
Q:審査の段階で経営面の改善が条件になっていたと思いますが
宮田代表取締役「23日のチェアマンヒアリングの中で、Jリーグで運営するということになると、いろんな面で資金がかかるので、出来るだけ、今シーズン中に資金を固めるようにとの指摘があったわけです。そういった中で、一つは黒字になってくださいということでした。もともとは3000万の赤字で着地するところでしたが、それを修正して半分の赤字にした計画を策定したんですけれども、それを2カ月(1月決算までに)頑張って黒字にまで持って行ってほしいとのことでした。JFLで優勝してJリーグに上がるということは、県民の皆様にアピールできる強みだと思いますので、今考えている資金集めの方法でやっていきたいと思っています。合わせて指摘されたのが、純資産を増やしてくださいということでしたが、それは黒字にするということとイコールになるところだと思いますので、明日から着手して、来シーズン、しっかりと運営できる組織作り、体制作りをしていきたいと思っています」
Q:今シーズンの予算は3億から4億だと聞いていますが、来シーズンの予算をどのくらいに持って行きたいのか、その中でチーム人件費を、どのくらいにしたいと考えていらっしゃるのかを教えてください。
宮田代表取締役「今シーズンの予算は35500万で、基本的に増額を考えています。ただ、そこのところにつきましては指導を要するということで、チェアマンからJリーグ事務局と打ち合わせをしてくれと言われています。一番大切なところは、入場料収入をどこまで持っていけるかだと思っています。今決まっているのは、分配金が9000万程度、それプラス入場料収入、物販のところをどこまで詰められるかということになると思います。正直に言えば、この2年間は、従業員、選手の賃金を遅延なく支給することに相当苦労していました。そういったことから、来シーズンは、そこを踏まえたところで、入るものと、出るものを、しっかりと区分けしないといけないと思っています。ただ、私たちが提出した予算では厳しいのではないかという見方をJリーグからされていると認識いたしましたので、具体的な数字については控えさせていただければと思います」
Q:佐野監督に3年間を振り返っていただいて、就任当時、このチームに何が足りないと認識されて、どのような形で強化されてきたのか。それを教えてください。
佐野監督「本当のプロの選手じゃなかった、プロフェッショナルな選手が少なかったということですね。やはり、全員がプロの選手にならなかったら戦えないというところがありました。まずは、そこから入りました。シーズン途中で昇格を断念しなければならない時があったんですけれども、2013年の昇格のため、それを去年はずっと考えていました。凄く長かったんですけれども、それしかなかったので、それだけをずっと考えながらやっていました。選手もモチベーションを切らさずに、良くやってくれたなと思っています。昇格の可能性のない中での練習や試合は、今考えたら本当にきついものでしたし、その中で、今年、良く爆発してくれたなと思っています」
Q:その中で佐藤由紀彦キャプテンが果たした役割も大きかったのではと思います。
佐野監督「佐藤由紀彦には全てを任せてあるので、選手のことは、全部由紀彦がやってくれると信じていましたし、その通りにやってくれて本当に感謝しています」
Q:佐藤選手にお聞きします。シーズン始めに、このチームで昇格出来れば、自分自身のサッカー人生の中の大きな1ページになると話されていましたが、今、それを成し遂げて、どのような感想を持っていらっしゃいますか?
佐藤由紀彦選手「正直に言って、実感がないのが本当のところですが、今までのサッカー人生の中で、今回の昇格が一番嬉しいですね。苦しんだ時間がすごく長かったということと、物事が動くことの難しさを凄く体感しながらプレーしてきたからです。今までの優勝や、昇格は、ほとんどのことは周りがやってくれて、選手はピッチの上だけという状況だったんですけれども、長崎に来てからは、そういうことは許されない状況だったので、本当にいろんなことをやってきました。ただ、それも近くに選手とスタッフがいたからのことで、だからこそ喜びも大きいですね」
Q:佐野監督にお聞きします。有光選手の活躍については、どのように感じていらっしゃいますか?
佐野監督「彼は昨年も、一昨年も、我々の得点源で、一番のスコアラーで、今年も30点くらい期待していました。そういう意味では残念な結果ですけれども、終盤に来て本当に大事なところで力を発揮してくれて、非常に頼りがいのある存在だったと思います」
Q:有光選手の活躍で印象深いのは、カマタマーレ讃岐戦で、彼の活躍で逆転勝ちした試合です。あれが、今シーズン優勝の大きなきっかけになったのではないかと思っています。監督はどのように捉えていらっしゃいますか?
佐野監督「あのプレーは本当に素晴らしいものでした。ただ、我々は全員で守って、全員で攻めていて、あの試合も全員が戦って勝ち取ったものだと思っています」
Q:有光選手自身は、あの試合をどのように捉えていらっしゃいますか?
有光亮太選手「みんなで勝ち取った勝利だったと思っています。あの試合は出場時間が短かったんですけれども、途中出場選手としての役割を全うしようという気持ちでピッチに入りましたし、チームが勝つために全力でプレーしました。得点を重ねてきたのは自分だけではないですし、1人、1人が挙げた全てのゴールが大事だったと思います。時間帯的に印象に残るゴールではありましたが、みんなの1点が積み重なっての昇格だと思いますし、自分のゴールは、その中の1点にしか過ぎないと思っています」
Q:岩本常務にお聞きします。電話がかかってきた時に目をつぶってらっしゃいました。いろんなことを考えていらっしゃったのだろうと思いますが、長い期間クラブにいらっしゃる中で、一番つらかったことはどんなことだったのでしょうか?
岩本常務「毎日が辛いことの毎日で、けれど、その辛いことが喜びに変わる。先ほど監督の佐野が言ったように、Jリーグに上がりたい、上がるんだという強い気持ちがあったのは自分自身も同じでしたし、パワーになりました。この3年間というのは、ピッチの問題ではなく、クラブ側の努力が足りなくて、選手に目標がないまま、スタッフにも目標がないまま、活動をしてきましたが、これは本当に厳しかったと思うんですね。そんな中で時間はかかりましたけれど、本日、お集まりの皆様、行政の皆様、サポーターの皆様、スポンサーの皆様、県民の皆様の、ご尽力があって達成できました。本当に、この3年間は辛かったです」
Q:佐野監督にお聞きします。全員攻撃、全員守備を掲げて戦ってきましたが、前回のY.S.C.C.戦は、それを体現した象徴的な試合だと思いますが、佐野監督はどのようにお考えかということと、全員守備を徹底させるために、どのように取り組んでこられたのかを教えてください。
佐野監督「まず、全員攻撃・全員守備で大事なことはSBにあると思います。両SBがいかに攻撃に参加するか、守備をするか、そこに尽きると思うんですけれども、Y.S.C.C.戦は、SBが得点に絡んだというところが今シーズンの象徴だったと思っています。トレーニングに関しては、ゲームを中心に、組織的にプレッシングのトレーニングと、切り替えのトレーニングをずっとやってきました。後は、私はフットボールは楽しくやらなければいけないと思っていますので、楽しいトレーニングの中で、選手たちが自然と習慣化されて、それがゲームにつながっていったと思います」
Q:佐野監督にお聞きします。佐野監督がやってきたサッカーが、3年間経って、どの程度成熟していると感じていらっしゃいますか?
佐野監督「方向性は凄く浸透してきたと思いますけれど、完成には程遠いと思いますし、与えられた選手の中で、いかに我々が選手の良さを引き出すかということが求められていると思いますが、そういう面では、まだまだ選手の良さを引き出せるのではないかと思っています。また、プロ意識という点では、今年はやることがハッキリしていましたので、ある程度、方向性はハッキリしていたと思いますが、選手個々のプロ意識という点では、まだまだだと思っています。それは環境も含めて、我々がバックアップしていかなければいけないとも思っています。ただ、Jリーグ出身の選手や、経験のあ由紀彦とか有光とかがいるので、そういう選手たちが、若い選手たちに、いい風を吹かせてくれてと思っています」
Q:長崎に来られてから3年間、長崎に対する想いに変化などはありましたか?
佐野監督「2010年に来まして、その年に必ずJリーグへということを小嶺前監督に言われて、それがシーズン途中で断念ということになって、本当に悔しい限りでした。けれど、引き受けた以上、必ず長崎をJリーグに上げるのが私の使命だと思ってきました。そういう意味では、今Jリーグに昇格できて嬉しく思いますし、本当にホッとしているというのが実感です」
Q:今シーズンはホームで無敗。いつも一緒に戦いましょうとおっしゃっていましたが、県民の思いも伝わったシーズンだったのではないでしょうか?
佐野監督「長崎県民の多くの皆様の方にスタジアムに足を運んで頂いて、我々と共に戦ってくださったことが、Jリーグ昇格に繋がっていると思いますし、本当に感謝しています」
Q:併せて、お二人の選手にもお聞きしたいんですが、実感は、いつ頃沸いてきそうですか?
佐藤由紀彦選手「最終戦が終わらない限り、緊張は続くと思うので、最終戦が終わってからだと思います。自分もこういう経験は初めてなので、自分でも分からないものがあります。また、ピッを離れても、自分の家族が長崎の方に支えられていた部分もありますし、子どもも長崎に凄くフィットしています。そういう部分でも長崎が凄く好きですし、一緒に戦えることを誇りに思っています。今週末も楽しみにしています」
Q:有光選手は、とにかく長かったとおっしゃっていますが、改めて、どんな想いを抱いて、この瞬間に臨んでいらっしゃいますか?
有光亮太選手「自分が長崎にいる限り、自分は長崎人だと思っていますし、みんなに支えてもらっているというのも実感していますので、最終戦は、みんなの思いを表現できるように、活き活きと試合が出来ればいいなと思っています。これまでを振り返ると、途中からは、もう意地だったし、昇格するまでに長崎から去るというのは自分にとっては敗北に近かったので、これでやっと胸をはれるという気持ちです」
Q:佐野監督、最終戦を前に長崎県民に一言お願いできますでしょうか?
「我々がここまで来れたのも、県民の皆さんの支えがあったからだと思っていますし、その感謝の気持ちも込めて、最終戦は何としても勝利して、皆さんと優勝の喜びを分かち合いたいと思っています」
以上
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