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【J1:第21節 大宮 vs 広島】プレビュー:得失点差−18対+18。降格圏に転落した大宮、首位争いの広島を相手に残留への回答を出せるか?(12.08.10)

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Jリーグスペシャルマッチでの中断期間とアウェイ2連戦を経て、約1か月ぶりにホームNACK5スタジアムに大宮アルディージャが帰ってくる。この間、チームを取り巻く状況は大きく変化した。今やチームの顔となった東 慶悟はロンドンオリンピックを戦っており、前線にはズラタン、ノヴァコヴィッチと2枚の現役スロベニア代表FWが加わった。一方で2010年の残留の立役者であり、SBとCBをこなせる貴重なディフェンダー坪内秀介が新潟に移籍し、ただでさえケガ人もあって手薄なDFラインの構成には不安を残したままだ。

何より、順位がついに降格圏に転落してしまった。18節の神戸戦を終えた時点では14位をキープしていたが、19節・川崎F、20節・G大阪と連敗したことで新潟、C大阪に抜かれて16位。17位のG大阪にも勝点3差に迫られている。G大阪戦終了後、ベルデニック監督は、就任時のチーム目標であった勝点50への可能性について聞かれ、「それは忘れる。残留することが目標だ」と認めた。まずは一刻も早く、降格圏から足を引っこ抜かなければならない。今年のアウェイでの勝率の悪さを考えると、どこが相手であろうとホームでは勝点3が必要だ。

最大の問題は、失点の多さだろう。川崎F戦、G大阪戦はいずれも先制しながら、同点に追いつかれるとたちまち浮き足立って連続失点。総失点数36ということは、1試合すればほぼ2失点するということで、これで勝っていくのは難しい。得失点差はリーグワースト2位の−18まで落ち込み、今後の残留争いを考えると気が重くなる数字だ。ベルデニック監督就任以来、「まずは守備を安定させる」と、組織的な4−4−2のゾーンディフェンスを叩き込んできた。結果、引いて守りに専念すれば失点を最小限に抑えることができることは証明してみせたのだが、次の段階として攻撃に着手したところで壁にぶち当たった。ここ3試合で毎試合の4得点と、確かに点は奪えているが、その代償として9失点。「リスクをかけて攻撃に出て行く回数をどれだけ増やせるか、同時に、ボールを失ったときにDFラインの背後にスペースのある状況をいかに減らしていくか」(ベルデニック監督)と、最適な攻守のバランスへの模索は続く。

その意味でも今節の広島戦は、今後を占う重要な試合になりそうだ。前回、15節のアウェイでの対戦では、徹底的に自陣に引き、高萩 洋次郎と石原直樹の2シャドーにはボランチがマンマークし、青山敏弘にはトップ下の東を張り付かせた。20本のシュートと13本のコーナーキックを浴びながらスコアレスドローに持ち込み、敵地で勝点1を得ると同時に、ベルデニック大宮はこの広島戦で初めて『守れる』ことを証明した。あれから5節を経過し、ホームで迎えるこの一戦では、『守れるし、攻められる』ことを証明する必要がある。「前回のように引いたプレーはしない。前回は攻撃に4人しかかけられなかったが、今回はより人数を増やしていく。ボールを失っても、可能性があればそのまま敵陣で守備を始める」と、攻撃的な姿勢を指揮官は明言した。

ただし姿勢は攻撃的ながらも、選手起用は慎重だ。累積警告によりカルリーニョス不在で臨むことになるが、代役には展開力が売りの上田康太ではなく、守備力に定評のある金澤 慎が青木拓矢とダブルボランチを組みそうだ。感覚的にボールを追って陣形を崩しがちなカルリーニョスよりも(もちろんそれが良い方向に作用することもあるが)、戦術への忠実性と素早いアプローチが特徴の金澤のほうが守備は安定するはず。ただしボールを奪ってからの展開に、今までカルリーニョスに依存してきた弊害が出ることも覚悟しなければならないが、この1週間は最終ラインから早くボールを動かし、サイドからの攻撃を徹底してきた。「カウンターから広島の両WBの裏、3バックの横のスペースをうまく突いていきたい」(チョ ヨンチョル)というねらいだ。また、期待の背番号11・ズラタンがスタメン出場の見込み。ノヴァコヴィッチはまだベンチ入りも微妙だが、ここ2試合連続得点中の長谷川 悠との2トップに期待は高まる。「二人とも大きいから早めにクロスを入れてくれてもいいし、縦パスをズラタンが背負って受けて、そこからワンツーみたいな形も作れれば。ズラタンは守備でも味方に合わせられるので、上手くやれると思う」(長谷川)と、後方の守備の安定に加えてこのツインタワーが機能すれば、残留のために必要な『攻守のバランス』の、一つの答となるだろう。

一方の広島はここまで総得点40で、得失点差は大宮と逆の+18。1試合で平均2得点して失点は1.1と、さすが首位を争うチームである。前節、退場者を出して10人になった清水を相手に、終盤にカウンターから2失点して苦杯を舐めているが、酷暑による運動量の低下と、それまで8戦無敗を続けてきたことによる慢心があったのかもしれない。この大宮戦で、そこはもう一度しっかり締め直してくるだろう。17節の磐田戦で負傷して戦列を離れていたミキッチもベンチ入りしてくる見通しで、首位奪回のために全力で勝点3を奪いにくるはず。広島としては、15節の対戦と同じように大宮陣内でゲームを進め、カウンターをねらう大宮が前に出てきたところで、良い形でボールを奪ってカウンター返しをねらうのが得策だ。押し込まれて跳ね返すぶんには、大宮の守備は強い。それは前回の対戦で分かっているはずだ。

首位争いと残留争いに生き残るために、ともにどうしても勝点3が欲しい。ここ3試合で9失点のチームが、それでも「攻撃的に行く」とする以上、激しいゲームになることは容易に想像できる。大宮にとって厳しい戦いには違いないが、降格圏に足を突っ込んでさらに17位の足音まで迫っている以上、攻守のバランスへの回答は待ったなしだ。

以上

2012.08.10 Reported by 芥川和久
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