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【J1:第20節 仙台 vs 横浜FM】レポート:フットボールの楽しみを引き継いだ者たちが示した心意気。仙台と横浜FMが、白熱の同点劇を演じる(12.08.05)

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試合開始に先立ち、ユアテックスタジアム仙台に集まった全員により黙祷がおこなわれた。8月4日は横浜マリノス、横浜F・マリノス、松本山雅で活躍した松田直樹氏の1周忌にあたる。静寂に包まれたスタジアムは、黙祷が終わると横浜FMサポーター席から松田氏の応援歌が起こった後、仙台サポーター席もそれに手拍子で合わせたことで、故人への敬意を示す空気で満たされた。
ちなみに松田氏が横浜FMで最後のゴールを決めたのは約2年前の2010年8月7日、J1第17節だった。カードは仙台vs横浜FM、場所はユアテックスタジアム仙台。この日と同じだった。

試合は横浜FMのドゥトラと仙台のウイルソンによる大胆なシュートで幕を開けたものの、それぞれ守備で強みを持つチーム同士らしく、やがてブロックをしっかり組んだ「固い」試合となった。
松田氏とともにプレーした横浜FMの選手は体を張った守りを見せ、中澤佑二は持ち前の空中戦の強さを存分に発揮し、対横浜FM戦で4試合連続得点中の赤嶺真吾にも満足な仕事をさせなかった。逆に仙台も、元チームメイトでその脅威を十分わかっているマルキーニョスに対して、渡辺広大や鎌田次郎が「裏を取らせず、前を向かせない」(鎌田)守備のもとで満足なボールキープの時間を与えず、裏もなかなか取らせなかった。

試合が動いたのは59分、仙台のCKからだった。松田氏最後のゴールが決まった側のゴールで、内山俊彦が先制点を奪取。しかし横浜FMも負けてはいない。65分、松田氏最後のゴールをCKからつないだ小野裕二と中村俊輔の2人が右サイドからチャンスを作り、中村が芸術的なシュートを決めて同点に。そしてわずか5分後には、中村からのパスを受けた小林祐三がダイナミックなクロスを上げると、逆サイドに走りこんでいた金井貢史がこれに合わせて横浜FMが逆転した。
逃げ切りをはかる横浜FMはマルキーニョスに代えて谷口博之を投入して、次々攻撃の選手を入れてくる仙台に対抗。しかしスペースが空いたところを梁勇基が見逃さず、走りこんでいたウイルソンに浮き球のパスを通したところで仙台にPKが生まれた。ウイルソンがこれを冷静に蹴りこんで、87分に試合は振り出しに戻った。

そしてその後は勝ち越しゴールは生まれず、両者は譲らないまま引き分けとなった。「望んだ勝点ではなかったが、力のあるチームから勝点1を取れたのはうれしい」とは、同点ゴールを決めたウイルソン。双方とも本当に「勝ちたい」試合であり、その気迫がピッチ上の随所から伝わってきた一戦だった。
横浜FMの樋口靖洋監督は「仙台のホームにもかかわらず、私達のチームに所属していました松田直樹の1周忌ということで黙祷の時間を取っていただいたことに、チーム関係者を代表して御礼申し上げます」としたうえで、タフに戦い抜いた両チームを称えた。仙台の手倉森監督は「客観的に見てもタフでおもしろい試合だったのでは」と述べた後に、「松田選手が望んでいるサッカーの楽しさを伝えられたのでは」と試合を振り返った。
この試合は運悪くロンドン五輪での男子フットボールと一部試合時間が重なっていたのだが、ユアテックスタジアム仙台には17,935人が集まって、熱い声援を送り続けた。生き続けている者が、故人の愛したフットボールの楽しさを伝えるために努力し続けていた。
この試合で「2012いずみ絆いち」を開催した仙台は、宮城県内市町村の特産品販売などで、フットボールクラブと地域との結びつきを深めた。横浜FMは試合翌日の5日に、昨年の東日本大震災で津波により大きな被害を受けた東松島市で小学生とふれあい活動をするという。フットボールの楽しさを伝えていくことは、ピッチの内外で、続いていく。

以上

2012.08.05 Reported by 板垣晴朗
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