●川勝良一監督（東京Ｖ）：

「前半はちょっとミスが多くてウチのサッカーじゃなく、全体的にリズムがあまり良くなかった。後半は中後が入ってリズムが戻ったので、全体的に落ち着きができて、広く小さく、それなりの柔軟性も回しもできた。もうちょっと決定機で決められれば一番良かったが、今季は１−０での勝っていないので、そういう中で集中を切らさず、こういう勝ちゲームを経験したのは１つ大きい。あとは杉本健勇が今日で最後なんですが、モッてるというか、こういうゲームで決める。本人も残りたがっていたが契約もある。最後良い仕事してくれたんで、本人のためにもチームのためにも良かったなというゲームですね」

Q：前半、相手のプレスがけっこう効いていたと思うのですが、あれが予定外という感じですか？
「いや。でも梶川あたりに言ったのが、背中が全然見れてないのでターンできるところでも全然できない、狭い中でのボール回しを一層狭くしてリターンするという悪循環が多かった。そのへんの単純なことを直せれば実際のプレスの距離感でプレスを感じるか感じないか、ウチの持ち味でもあるそれをかいくぐって単純に広い方とか、中盤ステーション作って動かしていくことができる。でも臆病じゃないけど、そんなにミスもしていないのに慎重になりすぎて、自分たちでパス回しを小さくして広く使えなかった。それがプレスが強くかかっているように見えたというか。そのぐらいは交わせるだろうというのが、この間の負けで少し、特に何人かの選手は慎重になりすぎて展開力を披露できなかった。そのへんが後半はだいぶ変えられたというか、変わったと思います」

Q：いま上位陣はだいぶ競っていますが、7月、8月を乗り切るキーワードは？
「ミスをやって、結局はその掃除に自分たちでスタミナを使う。今日の前半みたいなサッカーをやっていると、本当に暑さにやられて後半に集中や質を落とすことになる。まずはボールをしっかり動かす技術の高さというのをコンスタントに使うというのは大事。あと、選手交代をもう少し頻繁にやりたいけれども、今はけが人が増えている。中後も慎重に使いたいし、西（紀寛）とかチビ（飯尾一慶）とか、30歳以上が多いので、本当はもう少しうまく時間を分けたい。でもそこはギリギリのところなので、これからバックアップの人がもうワンランクというか、少しでも質を上げてくれればというところ。ミスと、次のグループというところが、夏・７〜8月の鍵を握っているところかなと。あと、もうちょっと決定機のところで決めてくれると、交代のカードを切りやすい。決定力というか、流れが悪くても決めきる力を何人かは持っているので、そのへんも少し回復したいところです」

Q：杉本くんのロンドンでの期待を。
「本当に素直で良いヤツで、こういうゲームで決めたり壮行試合（ニュージーランド戦）で決めたりするのは、偶然ではないと思う。偶然ではないけど、そこに最後いたとか、その場所を選んだ必然性みたいなところを、もっともっと自分でも強く意識してプレーしてくれれば。あの大きさであそこまで速く動いたり足元もうまい方だし、見ている人がものすごく期待心が高くなる。それにちょっとでも近づける準備をしてほしい。うちに来てから4〜5キロやせて、よくトレーニングして動けるようになったんだったら、それを維持してほしい。大きい体でも最後に隠れて出るとか、大きい体をフルに使っているのにプレーの質を落とさないとか、両面できる選手だと思うので、それを海外で勝負して、国際舞台で本当に結果を出して、もっと大きな選手になってほしい。ウチが大きいローンを組んで買えれば一番良いですけどね（笑）」

以上