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【J2日記】甲府:茶化しすぎてスイマセン(12.06.20)

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(C)松尾潤

リハビリ中の石原克哉を、治療中の谷真一郎コーチが指導。なんか不思議な光景

(C)松尾潤

移動するビッグスター・谷コーチの後ろから加藤喜一郎トレーナーがパイプ椅子を2脚持って付いていく

(C)松尾潤

紅白戦をピッチからギリギリの場所で観ている谷コーチを上空1.5メートルから空撮。最初はタッチラインのすぐそばで見ようとしたが、「危ないな…」と呟いて後退

大宮の新監督にズデンコ・ベルデニック氏が就任(6月5日会見)したが、ベルデニック氏は3月上旬に来日して以来、甲府のアカデミー・スタッフや県内外の指導者に対する講習会などを行ってきた。甲府のアカデミー・スタッフはずいぶん勉強させてもらったようだ。なので山梨ではずっと前から何度も見かけていたのだった。政治的なことはわからないが、ベルデニック氏が大宮の監督に就任するということが決まり、5月28日に甲府で最後の講習会が行われた(最後の予定だったが、後にもう1回追加された)。講師の一員として参加していた谷真一郎フィジカルコーチは、ベルデニック氏の意図をアカデミー・スタッフにわかりやすく伝えるために、現役みたいな動きでデモンストレーションを行った。その時にジャンプ系の動きをやって左足のアキレス腱が切れた。目撃者によると、結構な音がしたそうだ。

「YouTube」にはアップされていないと思うが、切れた瞬間の動画も残っているそうだ。その瞬間、甲府のコーチングスタッフはみんなフリーズしてしまった。当日は城福浩監督も参加するベルデニック氏のお別れ会も予定されていた。スクール、アカデミーからトップまでのコーチが揃ったのだが、結局は谷コーチだけ参加できずに即手術、そのまま入院となった。ベルデニック氏も心配してくれたそうだが、谷コーチはお別れができずに心残りのまま。谷コーチの契約は日当ではないのだが、その後すぐに退院して松葉杖を使ってピッチに復帰。そう、責任感です。

でも、練習ではずっと立ってはいられないので、パイプ椅子に座る。そしてアキレス腱を切った左足を、向かい合わせに置いたもう1脚のパイプ椅子の上に置く。遠くからの見た目は、その気はなくても横柄な感じになってしまうから、気の毒だと思いながらも、どうしても茶化したくなる。
「なんか監督より偉い、オーナー気分ですね(笑)」
「(浦和の)ペトロヴッチ監督も膝かどこかの故障でパイプ椅子をテクニカルエリアに置いて指揮していた試合があったけど、練習場でもパイプ椅子に座っていると目立つよね」と自覚している。

谷コーチが練習メニューに合わせて松葉杖で移動する時は、必ず誰かが2脚のパイプ椅子を持って後ろを付いていき、谷コーチが次の落ち着き所を決めると、そこでパイプ椅子をセッティング。若手の堀米勇輝ら気が付いた選手だったり、メディカルスタッフだったりするのだが、その姿がビッグスターと御付きみたいに見える。で、またまた茶化したくなる。
「どこに行っても椅子を持った人が付いてくるなんて、マイケル・ジャクソンみたいですね」
「俺はまだ生きているけどね」
「今年はケガ人が少なくてよかったですね」
「監督に言われたよ。『(谷コーチの切れたアキレス腱が)不運を全部持って行ってくれた』ってね(笑)」

ケガ人が少ないということはフィジカルコーチにとって当然うれしいこと。谷コーチも、ちょっとうれしそうだった。その証拠に鼻の穴が膨らんでいた。
「終盤戦は右足のアキレス腱を生贄にして選手をケガから守りましょう」
「アキレス腱を切るのはもう嫌だ!」

城福監督は練習後、スタッフと鳥かご(ボール回し)をやることがU−17日本代表の監督時代から習慣で、谷コーチはそのお陰でコンディションがよくなっていた。
「毎日やるから身体のキレが良くなっていたんだよ。で、無理ができると思って動いたらブチ〜ン。30代なら無理がきくこともあるし、50代になるとさすがに無理をしなくなる。でも、40代って中途半端に無理しちゃうのかなあ。気をつけたほうがいいよ。コンディションがいいと思っている時に落とし穴がある。切ったら大変だよ」

後半戦に向けて谷コーチが完全復活する日も近いが、左足はお風呂で転ぶと大変だということで洗っていない。足の指はスモークしたソーセージを5本並べたみたいだし、爪も伸び放題でそのうちカールしてきそうな長さ。お風呂に入らないで修行するインドのお坊さんの足みたい。
「ミニゲームの負けチームは、ジャンプ10回でなく谷コーチの左足の指を舐めることにしたら、みんなすごく頑張りそう」って茶化した。何日か後に会うと「あんなこと言うから洗ってきたよ〜」と言うので、ちょっと茶化し過ぎたことを反省。

谷コーチ、あなたがチームに迷惑をかけたと思って、いつも通りにやろうとして無理をしていることは充分に感じています。右足のアキレス腱を犠牲にすることなく、後半もケガが少ないチームでいきましょう。特にダヴィ魔人がケガしないようにお願いします。

以上

2012.06.20 Reported by 松尾潤
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