FC町田ゼルビアは、立ち上がりから思い切りがあった。まず開始直後の“30秒”に中盤が連動したプレッシングで、相手のミスを誘い、平本一樹がこぼれ球から30mを超すシュートを放つ。GKに弾かれたが、チームを活気付けるアクションだった。その後も2分に鈴木崇文、10分にはディミッチがミドルを狙い、モンテディオ山形の出足を止める。
山形は19分、秋葉勝がチーム初シュートとなるミドルを放ち、直後の20分には美しいパスワークから決定機。山崎雅人が右サイドにスルーパスを送り、萬代宏樹、船山祐二が1タッチでつなぐ。中島裕希のミドルは決定的だったが、わずかに枠外だった。
その後の展開は一進一退。3位と22位の違いはなかった。町田は前節から取り入れている〔4−1−4−1〕の布陣が機能。「今まで20試合やりましたけれど、(今日が)一番良かった」という庄司悦大ら、攻撃的な選手が守備でも激しさを見せる。山形は「守備の強固なチーム」(奥野僚右監督)と、警戒する町田に対して、MF宮阪政樹の出場停止による影響もあり、ボールの動きが停滞。それでもプレスの薄い外から左SB石川竜也のクロスでお膳立てを図るが、ゴールには至らない。前半45分はスコアレスながら、町田のアルディレス監督が「すばらしい前半だった」と自賛した内容で終了する。
後半も一進一退だったが、強いて濃淡をつければ、山形の攻勢は強まっていた。山形は47分、石井秀典がクサビを入れ、山崎雅人はエリア左に決定的なスルーパス。しかし萬代宏樹のシュートは大きく枠を外れる。山形はいい形でゴール近くまで侵入しても、フィニッシュの精度を欠いていた。この場面が太田康介のスライディングが、相手への圧力になっている。そんな粘りをGKの修行智仁は「CBがちょっと身体を寄せてるとか、ぶつけてるとか、そういうので相手のシュートが枠を外れた」と振り返る。
町田最大のチャンスは63分。鈴木崇文が左サイドからドリブルで仕掛け、DF2枚を剥がしてラストパスを送る。平本一樹はDFの裏へ抜け出し、GKと1対1だったが、シュートはGK清水健太の好守に阻まれた。
“いい内容”を結果につなげられないのが、町田の悩みだった。今日も“またか”という場面を、67分に迎える。山形は石川竜也が左サイドから折り返し、萬代宏樹がファーサイドからヘディングを落とす。最終ラインの高さを欠く町田にとって、対応の難しい場面だった。ここも山形は秋葉勝がセカンドボールに反応し、ゴールの左から仕掛ける。CB太田康介の足がわずかに出て、主審の判定はペナルティキック。町田にとっては痛恨の場面になる…と思われた。
チームを失望から救ったのがGK修行智仁。山形は前節もPKを外していて、それを引きずった部分があったのだろう。そんな山形の様子を、修行は「(PKを)譲り合っていたので、チャンスかな?と思っていました」と冷静に見ていた。修行は右に飛んで石川竜也のシュートをブロックしたが、すぐにピンチ脱出とは行かず、山形は中島裕希がこぼれ球を右に落とす。小林亮が押し込んで勝ち越し…たかに見えたが、線審の判定はオフサイド。町田が絶体絶命のピンチを逃れた。
山形は72分に比嘉厚平が惜しいシュートを放つなど、その後も好機を迎える。しかし主力3人を負傷で欠く町田のDFが粘りを見せ、山形にゴールを許さない。攻撃面も得点こそ奪えなかったが、山形の堅守に対して「(ボールを)失うことなくプレーできていました」と、アルディレス監督が認めるポゼションを見せた。町田は最下位脱出こそならなかったが、前節まで3位のチームと引き分け、富山、FC岐阜、鳥取との勝点差はわずかに1。夏場の浮上に向けて、貴重な勝点の“上積み”を得た。
以上
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