「久々に人数が多かった(苦笑)」(森下仁志監督)。試合2日前の14日は通常通り完全非公開での調整。練習後、取材に応じた同監督によれば2014FIFAワールドカップブラジル・アジア最終予選でチームを離れていた前田遼一、駒野友一、チョ ビョングクはそれぞれチームに合流し、フルメニューを消化したという。翌日の15日のトレーニングも通常通り冒頭のウォーミングアップまでの公開となったが、時折リラックスした表情を見せるなど3選手はコンディション面に不安を感じさせなかった。15日の練習後に「(コンディションは)大丈夫」と話していたのは前田遼一。帰国後間髪入れずやってくる今週末のホームゲームへ向けて「勝ちたい」と力強く意気込みを語った。また、韓国代表として同予選に臨みながら出場機会はなかったチョ ビョングクは「チームで頑張ればまた代表に呼ばれると思う。球際の部分でさらに戦い、さらに積極的にプレーしたい」と前向きに話していた。
この中断期間は代表組のみならず金園英学が右足第5中足骨再骨折(※全治3カ月)で離脱となり、ペク ソンドンも軽度の負傷でしばらく戦列を離れるなど(※すでに復帰)けが人も重なりフィールドプレーヤーが20名を下回ったが、それでもトレーニングの質は落とさなかった。むしろ限られた人数で練習を行う分、選手個々に求められる運動量は増え、気温も徐々に上昇し始めたことでいつにも増してハードトレーニングとなった。今節よりナイトゲームがしばらく続き今季もいよいよ夏場の戦いが始まることになるが、「気温が上がってきたからこそさらに突き詰めてコンパクトにやらないと難しくなる。チームの目指すところをより進化させることが夏場対策」と森下監督。チームのクオリティーを継続的に上げていくというスタンスはこの時期も不変だ。この試合は雨天が予想されるが、シチュエーションや相手に左右されることなく攻守で主導権を握ることがポイントの一つとなる。代表組を欠いたヤマザキナビスコカップ・川崎F戦(6月9日)ではアウェイで1-0と勝利しているが、3選手がチームに戻った中でいかなる戦いを見せるか。
また、磐田の“代表組”は先の3選手のみではない。日本サッカー協会は14日、第30回オリンピック競技大会・サッカー競技(男子)U-23日本代表の予備登録メンバー35名を発表。磐田より山崎亮平と山本康裕が選出されている。「まだ最終的なメンバー発表ではないので何とも言えないけど、まだチャンスがあるということなのでアピールしていければと思う」(山崎亮平)。最終選考へ向けたタイムリミットが目前に迫るが、かといってアピールの場は限られている。彼らにできることはJリーグの舞台でよりよいパフォーマンスを見せることのみだ。
対する神戸はアウェイで西野朗監督就任後初勝利を目指す。しばらく公式戦の白星から遠ざかっているものの、大久保嘉人ら前線に破壊力を持ったアタッカーを揃えており、スピード面では磐田・最終ラインを凌駕していると言えるだろう。ハイラインを敷く磐田ディフェンスラインの背後を上手く突くことができればチャンスは十分にあるはずだ。ヤマハスタジアムでは08年以来勝利がないが、ホームでは10年、11年とそれぞれ3得点を奪って勝利しており磐田に対する相性も決して悪くはない。日本代表の伊野波雅彦がチームに合流したことでセンターラインも充実。直近の公式戦となったヤマザキナビスコカップではコンサドーレ札幌にホームで勝利できなかったが、リーグ再開戦を制し、夏場の巻き返しを狙う。
以上
2012.06.15 Reported by 南間健治
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