試合の流れが、2度変わった。序盤はザスパ草津のペースだった。町田の選手は「相手がパワーを持って入ってきた部分の対応に、時間が掛かった」(太田康介選手)、「相手が蹴ってくるサッカーをしてきて、相手と同じようなサッカーをしてしまった」(田代真一選手)と展開を振り返る。草津は長いボールで相手の背後を突き、旺盛なチェイシングからセカンドボールを握る。町田は草津の勢いを受けてしまい、落ち着いてボールを動かせない。
草津は6分に遠藤敬佑が右足ミドル、12分には松下裕樹のFKが枠を捉える。19分のプレーは、得意のセットプレーから攻め直しだった。小林竜樹が左サイドから後ろに下げ、永田拓也は左足で折り返す。DF御厨貴文がニアからバックヘッド気味に擦らして、GKの頭上を破った。御厨の2試合連続ゴールで、草津が先制する。
しかしこの後は町田ペースだった。草津の副島博志監督が「押し込まれる時間が続いた」「サイドを上手く使われ、危ない形を作られていた」と振り返るように、町田はボールを握って草津を振り回す。後半開始からFWディミッチが投入されると、町田の前線が更に活性化。決定機が次々に生まれる。
右サイドMFとして起用された北井佑季が、得意のドリブルからエリア内に切れ込む。後半は53分、65分、66分、74分と決定的なシュートを連発。特に66分のシュートは「ゴール寸前」だった。北井は三鬼海のスローインから相手MFを抜き去り、右サイドからエリア内に切れ込む。「ゴールに向かったボールのほうが可能性あるんじゃないかなと思って、脇の下に打った」(北井)というシュートを、GK北一真は跳ね返しきれない。しかし中へこぼれたボールに、町田の選手は詰め切れなかった。
草津はボールの支配を許しつつ、落ち着いていた。「最後の部分で跳ね返せばいい」「回されようが、ゴールを決められなかったらいい」(御厨)と割り切り、センターバックの2人が一番危険なゴール前を封鎖する。もちろん1点のリードがあり、リスクを冒す必要もなかった。「試合内容は酷かったと思います」と悔いるMF松下も、「今日はセンターバックの2人が、本当に頑張って跳ね返してくれた」と彼らの健闘に感謝の言葉を寄せる。
試合を“終わらせた”のは、76分の草津のカウンターだった。中村英之が自陣からヘディングで弾き返し、遠藤もヘディングで裏に落とす。FW金成勇はゴールの右に抜け出し、「角度はなかったけど、逆サイドに思い切り打とうと思って」放ったシュートを決める。楽になった草津は、主導権を取り戻し2連勝。零封は3試合連続で、第15節までの7連敗から復調しつつある。
岐阜が愛媛と引き分けたため21位に浮上し、町田はJ2の最下位に転落した。草津は相手の流れで得点し、町田は自らの流れで得点できなかった。町田の問題は“いい内容で勝てない”ことに尽きる。ただしホームのサポーターからブーイングはなく、アルディレス監督も試合後に「選手が全てを出し切った結果なので、これ以上のモノを要求するつもりはありません」と言い切った。キャプテン勝又慶典を筆頭として、主力に負傷者も相次ぐ中、今は我慢の時なのだろう。
以上
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