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【J2:第18節 熊本 vs 水戸】プレビュー:状況は対照的な水戸を迎える熊本。ハードワークという土台に、勇気と冷静さをバランスよく織り交ぜることが、勝敗を分ける(12.06.07)

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暦は6月に入った。今月のJ2のファーストゲームは、熊本が水戸をホームKKウイングに迎えるウィークデーマッチ。九州南部は4日に梅雨入りしたと発表されたが、本稿を書いている時点では7日(木)の予報は晴れ時々曇り。どうやら雨に降られることはなさそうだ。

しかしながら熊本のチーム状況は、ひとたび見えた晴れ間がまた隠れ、まだ曇り空といった様相である。15節終了時点で首位となっていた山形を迎えた16節、武富孝介の2ゴールで10試合ぶりの勝利を挙げたが、今季初の連勝を目論んで三ツ沢に乗り込んだ17節・横浜FC戦は前後半の終了間際に2発を叩き込まれて、今シーズン8敗目を喫した。客観的に見れば、リーグ戦の半分弱を終えて3勝6分8敗という数字は確かに、昇格を目標に掲げたクラブにとっては厳しいものだ。

だが目算は自らの姿勢や取り組みで変えることができる。右大腿部内転筋の肉離れで復帰まで6週間と診断されながら、日頃の入念なケアも奏功して4週間を待たずに前節復帰したGK南雄太は言う。
「開幕から最後まで突っ走るようなチームって、そうそうないじゃないですか。去年上がったF東京だって鳥栖だって、札幌だって、夏場くらいから調子を上げて勢いづいた。確かに今はなかなか勝ててないけど、ケガ人がいる中で勝点を積み上げてきていることが、後々生きてくる。自分は夏が勝負だと思っているし、その意味でも6月が大事になる」

水戸は前節の栃木戦に勝って4試合勝ちなしという状況を抜け、プレーオフ進出圏の6位と勝点差2の8位に浮上。現在の順位を支えているのが、リーグ2番目の失点の少なさ(13失点は熊本の24の約半分)を誇る守備だ。経験豊富なGK本間幸司、落ち着いた対応を見せるセンターバックの塩谷司ら守備陣はもとより、前線からのプレッシングとそれに連動した中盤のポジショニングなど、「全員がハードワークする」(筑城和人)タイトなディフェンスは、現役時代から闘将と言われた柱谷哲二監督のスピリットを体現したもの。
そして顕著なのがボールを奪ってからの切り替えの早さ。ポゼッションしながら相手を崩すという意図はありながら、スペースがあればシンプルに背後を狙う意識も決して低いわけではない。中盤からチャンスメイクするロメロ フランクが出場停止なのは熊本にとってはありがたいが、36歳になったとはいえ鋭さに衰えはない鈴木隆行にも警戒が必要なのは言うまでもなく、また島田祐輝と小澤司の両サイド、そして橋本晃司ら、自由にさせないよう注意しなければならない選手が少なくない。

とは言え90分間常にマークし続けるのはやはり困難なため、高木琢也監督が選手たちに強調したのは、彼ら要注意な存在を「切り替わった瞬間でフリーにさせないこと」だという。そうしたリスクを避けるには、マイボールを簡単に失わないことも不可欠。ここ数試合、相手から奪ったボールをミスで奪い返される場面も目につくため、大事に運んで攻めきることもポイント。仮りに中途半端に奪われても、「できるだけ遅攻にさせる」(筑城)よう、素早く切り替えて遅らせながら、守備のバランスを再構築したい。

先に触れた「攻めきる」という部分にもつながるが、ゴール前での判断や意識の高さも、勝敗を左右するポイントとして挙げられよう。例えば前節を対比したとき、熊本は武富孝介のPKが弾かれた後に詰めきれなかったのに対して、水戸の先制点はコーナーキックからのシュートのリフレクションを塩谷が積極的にシュートに持ち込んで奪ったもの。さらに得点には至らなかったが、橋本が栃木GK柴崎邦博のミスを逃さず右のタッチライン際から狙うなど、得点が最終目的であることをしっかり意識したプレーが垣間見える。一方の熊本は、横浜FC戦ではサイドの深い位置まで運びながらもペナルティーボックス内に受けに入る人数は多くなく、決定的な場面はさほど作れていない。こうしたシーンは前節に限ったことではなく、それが得点の少なさの一因ともなっている。
「クロスの精度とかの問題もあるけど、1人より2人、3人と入ってゴール前に人数をかける方が確率は高まる。個人的にも、点が取れる位置にいたい」と養父雄仁は言う。加えて、「自分が決めるという気持ちも大事だけど、確率が高い方を選ぶ冷静さも大事」とも話した。要はバランスということになるが、それも冷静かつ的確な判断に基づいたものでなければならない。そうした意味で、ゴール前での勇気と判断の精度で勝った方が、勝点3に近づくことになる。

水戸との通算の戦績は3勝3分4敗で、どことなく苦手なイメージもあるが、2009年第3クール以降の5試合は3勝2分の無敗。状況は厳しいが、そうしたプレッシャーを燃料にして、夏場の加速につなげたい。

以上

2012.06.06 Reported by 井芹貴志
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