本文へ移動

今日の試合速報

ルヴァン 準々決勝 第1戦
ルヴァン 準々決勝 第1戦

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第17節 徳島 vs 町田】レポート:徳島、6月初戦をまずは制す。ただ次に向けての反省点もクッキリ。(12.06.01)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
非常に評価の難しい戦い─。それが徳島における正直なところだ。目指す6月の巻き返しに最も不可欠な勝点3を手にしたことは何より素晴らしかったし、パスコースを限定する組織的守備とワイドにボールを動かす展開には確かに進歩が感じられた。しかし、最後の崩しの場面やボールを奪った後のファーストパスに精度不足を露呈していたのもこの一戦での事実である。小林伸二監督は「本来のサッカーの楽しいところがもう少し表現できればいいなと思います」と表現していたが、やはり徳島はそれらの部分を見過ごせないほど欠いてしまっていたと言わざるを得ないだろう。

改めてゲームを追うと、まず前半は徳島が圧倒的と言っても過言でないくらいピッチ上の優位を握る。冒頭で述べたコース限定の守備によるインターセプトとパスの出先に対する厳しいプレスでチームは繰り返しボールを奪取。それをボランチの花井聖と上里一将がコンダクターとなって左右に広く散らし、サイドを活かそうとする形で再三展開していった。徳島はおそらく7割以上のポゼッションを取って最初の45分を戦ったと言えるのではないだろうか。
だが、中盤でこそいいボールの動かしを見せながら、アタッキングサードではなかなかプレーの精度を上げられない。勝負どころのパスは微妙にずれ、また出し手と受け手の狙いも噛み合わず、効果的な崩しにまでは至らなかったのである。さらにプレビューでその重要性を挙げたラストボールも十分なまでの正確性を持たせられなかったと言えよう。西嶋弘之と那須川将大の両サイドバックも頻度高く前線へ進出し少なくないクロスや折り返しを見せたものの、それらが中央へ入り込むドウグラスや津田知宏を捉えることはほとんどなかった。そのため、それだけのポゼッション率でゲームを進めながら前半の徳島の決定機と呼べるシーンは39分の僅か一度だけ…。

そして迎えた後半には徐々に中盤の繋ぎにも精度を欠いてくる。ボールを奪った後の1本目にパスミスが目立ち始め、その上にじみ出てきた疲労で前線の引き出す動きも消えて、前半のようなポゼッションもし切れなくなっていった。
ただ、そんな中セットプレーからゴールをもぎ取れたのは徳島にとって収穫だ。81分に得た長い後方からのFKをドウグラス、福元洋平が続けて頭に当て、衛藤裕がこれもヘディングで押し込んだのだが、そうした嫌な流れになると得点なく終わってしまっていたこれまでとは違う姿を見せられたのは今後への明るい材料となろう。欲を言えば、その後に訪れた2度のビッグチャンスはしっかりモノにしてもらいたかったところであるが。

いずれにしても今節の徳島には進歩を感じるいい部分と猛省が必要なマズい部分が混在。それぞれがハッキリ見受けられた。それだけに、6月の浮上を本当に占うのは次節(6/9・vs横浜FC @鳴門)のゲームのように思われる。そこで今節のいい部分をより大きく増やせるのか、マズい部分を消せずに引きずるのか、だろう。その点に注目して8日後を待ちたい。

さて、敗れた町田についてだが、この一戦に関しては自分たちで状況を悪くしてしまったと言う他ないはず。特にオズワルドアルディレス監督も「自滅していたのかなという印象」と語った前半は至る所で信じ難いほどイージーなパスミスを発生させ、みすみす主導権を徳島へ譲ってしまった格好であった。しかも中盤の構成の中心にならなければならないコリン マーシャルが展開のスタート時点でそうしたミスを起こしていたことは非常に痛かっただろう。もちろん徳島のコースを切る厳しい追い込みがあったのだが、それでも展開のキーマンが低い位置であれだけ簡単にボールを相手にわたしてしまうとやはり苦し過ぎる。加えてトップ鈴木孝司の不調も町田には響いたように思われてならない。チーム最大の武器である平本一樹の決定力を活かすためには彼の受けるプレーや流れる動きが絶対必要なことから、背番号20にはもう一段のステップアップが求められよう。
とは言え、町田もまだ成長の途中。それゆえ次節での変化も十分に期待できる。こちらも次の戦いが注目である。

以上

2012.06.02 Reported by 松下英樹
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/09/05(木) 14:00 Jリーグ審判レポート(シンレポ!)審判の舞台裏 #6 「元Jリーガー 御厨貴文が審判への道を選んだワケとは?」