「勝って韓国に行くのと、負けて行くのとでは全然違う」(大谷秀和)。J1第13節新潟戦からわずかに中3日というハードスケジュールではあるが、柏は公式戦4連勝という形でAFCチャンピオンズリーグ・ラウンド16の行われる蔚山へ勢いを持って乗り込むことができた。それまでの3戦とは異なり、新潟戦は内容的に言えば「課題も多かった試合」(大谷)であった。ただ、内容が悪くともしっかり勝ち抜き、勝ちながら次の試合に向けて課題を修正していくというのは、昨年どおりの姿に戻ったとも言える。ようやく“柏のスタンダード”が今シーズンも姿を現した。
クラブ史上初のACLベスト8に向け、目の前に立ちはだかるのは蔚山だ。グループリーグではF東京と同居し、彼らを抑えてグループリーグを1位で通過した難敵であることは言うまでもない。ネルシーニョ監督は蔚山について「それぞれの個の能力が高く、守備が堅い。高さもあってセットプレーも危険なチーム」と分析している。確かに蔚山の典型的な戦い方といえば堅守速攻。キム シンウクとイ グノの強力2トップを生かし、時間をかけずに縦へ素早く仕掛けてくる印象がある。セットプレーでは、キム シンウク、センターバックのカク テヒなど高さを武器とする選手が威力を発揮する。
正直、蔚山への警戒ポイントは尽きないが、まずは2トップに対する守備が重要なポイントになるだろうか。彼らはおそらく、堅い守備から2トップの破壊力を生かした長いボールを多用してくる。となると2トップとマッチアップする近藤直也と増嶋竜也だけでなく、中央を絞った時の両サイドバックのカバーリングや、ボランチによるセカンドボールの対処など、あらゆる局面を含めて柏の守備が問われるところ。セカンドボールを拾えてさえいれば、自然とリズムは柏へ傾くはず。
また一方で、キム ホゴン監督は「柏はFC東京に似たサッカーをする」と分析している。だが、柏はポゼッションスタイルのチームというより、状況に応じてポゼッションとカウンターを使い分けるチームという方が適切である。蔚山の狙いとしては、柏のビルドアップ阻止と選手間の距離を分断させるため、長めのボールを多用すると前述したが、柏は相手のペースに合わせることなく、忙しない攻撃をバタバタと繰り出すのではなく、しっかりと遅攻と速攻を状況に応じて使い分けていきたい。
そこはネルシーニョ監督も自信を抱く。「我々は自分たちのゲームレベル、スタンダードを維持しながら、ゲームのボリュームを攻守に渡り、我々のやり方を考えて試合に臨む。それができれば我々が明日、勝ちを手にすることができる」。タフで拮抗した試合になるのは間違いない。ただ、ネルシーニョ監督の言う通り“柏のスタンダード”を発揮しさえすれば十分に勝機はある。相手がどう出るか、それにどう合わせるかではなく、柏のサッカーをいかんなく発揮できるかが、ベスト8へ進出するための最大の鍵だ。
以上
2012.05.29 Reported by 鈴木潤
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