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【AFCチャンピオンズリーグ2012 アデU vs 名古屋】プレビュー:迷いを断ち切り、勇気を持って前へ出られるか。手負いの名古屋が4年ぶりのベスト8進出へ向け、難敵アデレード・ユナイテッドに挑む。(12.05.28)

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今季序盤戦の正念場だ。AFCチャンピオンズリーグのベスト8を賭けた一発勝負、だけが理由ではない。国内リーグの直近5試合で、2度の連敗を含む1勝4敗と散々な成績で13位にまで後退した。結果もさることながら、試合内容についても「今は難しい局面にある」とストイコビッチ監督が認めるほどに混迷しており、相手のことを考えている余裕はないというのが現状だ。ダニルソン、中村直志を始め、全員が負傷離脱したボランチ勢はもちろん一人も戻ってきていない。心身両面で手負いの状態のまま、名古屋は敵地アデレードへと乗り込んでいったのである。

この試合、まず注目なのは選手起用、布陣選択を含めたストイコビッチ監督の采配だ。今季ここまで、調子の上がらないチームに様々な形で刺激を与え、立て直しを図ってきた指揮官が、この危機的状況でどのような判断を下すのか。4月には2種類の3バックを使用し、選手の配置にも手を加えてきたが、5月は原点回帰とも呼べる4-4-2または4-3-3への布陣変更で選手の自信を取り戻させることを企図していた。しかし今、その4-3-3でも結果が出なかったことで、次なる決断が迫られた。C大阪戦で及第点以上の働きを見せた田口泰士をアンカーに置く4-3-3を継続するのか、それとも他の布陣に再び変更するのか。長身選手が揃うアデレードが相手ということを考えれば、田中マルクス闘莉王と増川隆洋、ダニエルを同時起用する3バックも有効だろう。あるいは奥の手である闘莉王のアンカー起用、純粋に守備力重視でダブルボランチを敷く可能性もある。「勝っているチームはいじるな」という金言があるが、今の名古屋はその対極で、「勝つ可能性がある布陣は何か」といった状態なのだ。

そして軸の定まらない名古屋にとって、アデレードは非常に厄介な相手といえる。グループマッチ6試合で勝点13ポイントを稼ぐ安定した強さを見せる一方で、得点は7と多くはない。代わりに失点2と強固な守備を誇り、手堅く試合を運べるチームである。オーストラリア国内リーグでは10チーム中9位と低迷したが、それもACLの影響とすればあてにはならない。G大阪をホーム&アウェイともに2-0と圧倒していることも、同じ日本勢としては気になるところ。オーストラリアのチームらしくフィジカルに優れ、DFラインの高さも十分。ケネディや闘莉王を擁する名古屋とてそう簡単には制空権を握れないだろう。1トップを務めるFWブルース・ジテはキープ力があり、攻撃の時間を作る仕事人。そしてスーパーサブのセルジオ・ファンダイクにも要注意だ。そしてこれもオーストラリアのチームの特徴だが、縦への展開に迫力がある。馬力がある、といった印象のサイド攻撃やカウンターは、ファウルでしか止められないような勢いがある。

名古屋がどのように戦うかは試合が始まってみないことにはわからないが、ひとつのモデルケースとなるのはホームで戦ったセントラルコースト戦だ。同じオーストラリア勢で、国内リーグのレギュラーシーズン覇者に対し、名古屋はパスワークで圧倒し3-0の勝利を収めている。当然メンバーは違うのだが、パスで試合を支配し、ソツなくゴールを奪ったという点が好材料になる。先述した田口は中盤でパスの起点として機能し、藤本淳吾や玉田圭司をより前線に近づける役割は果たしていた。いかんせん小柄なため標的にされる可能性もあるが、闘争心あふれるプレーメーカーに期待してみるのもひとつの手だ。いずれにせよ守備的な中盤の選手はいない。ならば開き直って“攻撃は最大の防御”を貫く方が、選手のプレーも明確になる。迷いは今の名古屋の最大の敵だ。退路を断つと言う意味でも、守りに入らない方が得策と言えるだろう。

昨季のACLでも名古屋は負傷者続出の中、アウェイで若いDFが出場し、そこで失点して16強敗退となった。状況は驚くほど似ているが、同じ結果は誰も求めていない。「アデレードにはもちろん勝ちに来た」。前日会見に出席したストイコビッチ監督と増川は口を揃えて強調した。4年ぶりの8強進出と、不振からの脱却を目指し、名古屋はただひたすらに戦う。

以上

2012.05.28 Reported by 今井雄一朗
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