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【J2日記】北九州:<連続企画>本城の雨。第2回「なぜ、雨が降るの?」(12.05.24)

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(C)上田真之介

日本海側気候の特徴を説明する垂水千佳さん。気象予報士の資格を持つ。九州リーグ時代の2007年からホームゲームに足を運んでいるが、「2010年までは雨に降られなかった」とこぼしていた。

前回のJ2日記で本城陸上競技場が雨に見舞われていることは数字の上からも明らかになった。しかし、まだまだ地理的に雨が降りやすいのではないかという疑念が晴れていない。そこで今回は気象の観点に着目し、気象予報士の方にお話を伺った。

説明をしていただいたのは、前回の終わりに「熱烈なサポーター」と書いたテレビキャスターの垂水千佳さん。北九州市では言わずとしれた夕方の顔だ。
垂水さんは北九州の九州リーグ時代からチームを取材するかたわら、2007年には気象予報士の資格を取得。チームにも、気象にも詳しい希有な存在と言えるだろう。その垂水さんも今回の企画に二つ返事で快諾いただき、取材の際には前回取材した北九州市立大・南准教授と同じように詳しい資料を用意していただいた。本当にありがたい。

まず、垂水さんには本城がある北九州市の気象の特徴を伺った。
それによると、北九州市一帯は日本海側気候、太平洋側気候、瀬戸内海式気候の「3つの気候のはざま」に当たる珍しい地域。中でも日本海側気候に近い特徴を示すことが多いという。
日本海側の気候と聞けばやはり冬場の雪を思い浮かべる。それは「シベリア高気圧からの冷たくて乾いた風が日本海を渡るとき、海水のほうが暖かいのでお風呂の湯気と同じ原理で雲が発生する」ためだという。この現象を「気団変質」と呼ぶらしいが、福岡県は朝鮮半島に近く気団変質して雪や雨に至ることはそれほど多くはないのだそう。ただ、「北九州市のほうが福岡市よりも日本海に近いので、風向きによっては降りやすくなることもある」と垂水さん。「冬から春にかけてどんよりしているのは仕方ないかも」。

なるほど。
北九州は今季も、昨季も、3月のホーム開幕戦は雨だった。春先の荒天は日本海側気候の特徴を示しやすい地理的な条件が災いしているといえなくもない。

しかし開幕節こそ雨がやむを得ないとしても、昨季は1年を通じて雨が多かった。今季も雨は多い。垂水さんも「夏場、太平洋側に雨が多いのはわかるが、北九州市で多いのは納得できない」と話して合点がいかない表情を浮かべる。
垂水さんが調べたところによると、昨年の九州北部地方は6月、8月、11月の3カ月は対前年比で170%もの雨が降った。「平均的に雨が多かった」という1年間だったのは間違いはなさそう。だが、南准教授の調査からもわかるように、同じ九州北部の佐賀県鳥栖市をホームとする鳥栖の降雨試合は年間1試合にとどまっている。
また、本城では昨季、台風が3試合続けて接近するということもあった。「台風は阿蘇山が邪魔するからそんなに近づかない。運が悪いというか…、ありえない」と垂水さんもお手上げだ。

というわけで、なんとも歯切れが悪いが、南准教授、垂水さんとお二方にお話を伺った結果、雨が多くなっていることと、その理由が判然としないということがわかった。つまるところ、どこかに雨男、雨女がいるという可能性こそ高くなったと言えるかもしれない…。
余談ではあるが、垂水さんが詳しい資料を用意したのは「雨女ではないと証明するためでもある」と説明。南准教授もアウェイ戦で雨に遭ったことが少ないことなどを示して「私は雨男ではないと思う」と話していた。残念ながら(?)、私もJFL時代に雨に降られた記憶はないということを付け加えておこう。

垂水さんはクラブの雨対策について「てるてる坊主を作るキットを売ってみては」と冗談交じりに話しながらも、来場する女性に向けては「ウォータープルーフのマスカラがいる」と女性目線でアドバイス。さらには「雨にも負けない熱いハートも持って行かないと」と話していた。
雨の謎は深まるばかりだが、次回からは雨と北九州のサッカースタイルの関係や、雨が降っても安心の対策方法について、詳しく触れていくことにする。もう少し、この雨雨した記事におつきあい願いたい。

以上

2012.05.24 Reported by 上田真之介
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